総務省の有識者会議が、携帯電話料金引き下げに向けて取りまとめる緊急提言の概要が11月23日、分かった。
端末購入代金と月々の通信料金の完全分離を事業者に義務付け、「分離プラン」の導入を求めた。
4年間の分割払いを前提に端末代金を割り引く「4年縛り」は顧客を拘束するとして禁止し、電気通信事業法の改正も視野に入れることを盛り込む。
海外に比べ高額と指摘される料金の値下げに道筋を付ける狙いで、11月26日にも公表する。
政府の規制改革推進会議や消費者庁から、端末代金と通信料金を一体化した大手の従来プランは複雑で分かりにくいと批判があった。
利用者が自由に選択できる明瞭な料金体系に改め、格安スマートフォン事業者や新規参入する楽天を含めた競争を促す。
一体化プランは、広く利用者から集めた通信料金が端末割引の原資となっており、通信料金の高止まりの要因とされる。
頻繁に端末を買い替える人の割引を、他の人の通信料金で負担している構図のため、不公平感につながっていた。
分離プランでは月々の通信料金が安くなる半面、端束購入時の負担が増える可能性もある。
大手のKDDI(au)とソフトバンクが提供する「4年縛り」は、端末を4年間の分割払いで購入して2年1ヵ月目以降に買い替友る際、残り代金が免除されて実質半額にまで安くなる仕組みだ。
両社は分離プランを導入済みとしているが、4年縛りによる端末割引が残ったままでは完全な分離ではないとの指摘が出ている。
一方、NTTドコモは現在も一体化プランを主力とし、分離プランの採用は限定的だ。
ドコモは10月末に、2019年4~6月期から通信料金を2~4割程度値下げすると表明し、柱を分離プランに切ぴ替える方針だ。
携帯料金を巡っては、政府の規制改革推進会議が10月19日、分離プランの徹底などを求める答申を安倍首相に提出した。