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クマノザクラが寒川(日高川町)にも群生 〈2021年3月5日〉

2021年03月05日 08時30分00秒 | 記事


日高川町寒川地内の県道沿いに咲くクマノザクラ
(県林業試験場提供)


 紀伊半島南部に生息する未知の野生サクラとして、約100年ぶりに新種の学名が発表された「クマノザクラ」が、日高川町寒川地内にも群生していることが分かった。国立森林総合研究所(茨城県つくば市)と県林業試験場(上富田町)が紀伊半島一帯で現地調査を行ったもので、確認されている中では寒川が最西端の生息地とみられている。花は薄紅色でソメイヨシノよりやや早く開花し、寒川では3月中旬から下旬にかけて開花するという。

 2018年に103年ぶりの新種として確認されたこのサクラは、紀伊半島南部に分布するヤマザクラやカスミザクラと同種とされていたが、現地調査を行った森林総研や県林業試験場の調べで、花や葉の形態や開花期が異なることが判明。森林総合研究所が命名した「クマノザクラ」が新種の学名で学術誌に発表された。サクラ属では、1915年にオオシマザクラの種名が発表されて以来、サクラ属では約100年ぶりの新種発見となった。
 昨春、寒川地内でクマノザクラの群生を発見した県林業試験場の山下由美子さんによると、護摩壇山の標高約700メートル以下付近に群生していることが分かったほか、県内各地の山間部などを現地調査した結果、日高川町寒川から龍神方面に通じる県道田辺龍神線沿いに「クマノザクラ」があることが分かった。山下さんは「日高川町内でも初湯川地内では確認することが出来なかったが、寒川から龍神に向かう県道沿いに咲くヤマザクラとみられる花は、ほとんどが『クマノザクラ』ではないかと思う」と話し、日高郡内ではみなべ町清川の龍神側にも生息しているが、有田地方などでは確認されておらず、寒川が生息の西端である可能性が高い。
 これまでの現地調査による分布域は、熊野川流域を中心に南北約90キロ、東西60キロの範囲に多数の野生個体があることが、確認されている。クマノザクラを保全し、経済や文化の発展に利活用しようと、2月には生息自治体や個人が連携する「日本クマノザクラ」の会を発足するなどの取り組みも始まっている。林業試験場では、優良木の調査を行っており「きれいなクマノザクラがあれば連絡を頂きたい」と情報提供を呼びかけている。


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