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将軍足利義昭が道成寺に贈った名刀「来國光」が偽物と判明 〈2017年10月20日〉

2017年10月20日 08時30分00秒 | 記事

将軍・足利義昭から道成寺に贈られ、宝佛殿に展示されている刀

道成寺縁起の最後に記している足利義昭の花押


 1573年(天正元年)、織田信長に実権を握られて京を追放された将軍・足利義昭が由良町の興国寺に身を寄せた際、道成寺の絵解き説法に感動して同寺に贈った名刀「来國光」が偽物だったことが判明した。縁起を観た義昭が「日本無双の縁起」と称賛し、縁起の最後に花押を加えるとともに、刀と杯、馬一頭を道成寺に贈ったもので、約450年間、道成寺では道成寺縁起と一体のものとして大切に扱われていた。小野俊成住職は「本物でなかったのは残念だが、道成寺の歴史の謎がまた1つ解明されて良かった」と話した。

 足利義昭から道成寺に贈られたとされる刀の「来國光」は、鎌倉時代から南北朝時代の刀工・来國光の作で、東京の国立博物館が所蔵する太刀など3点が国宝に指定されるほどの逸品。
 約450年前の天正元年、京を追放された義昭が、京都復帰と政権掌握への思いを抱きながら、豊後水道から紀伊水道までの瀬戸内海を支配していた村上水軍の案内で、同水軍本拠地の広島県福山市の鞆の浦から有田の宮崎ノ鼻にたどり着き、由良町の興国寺に身を寄せたという。義昭は、道成寺の縁起絵巻を観ることを切望し、当時の道成寺住職が興国寺に縁起を運んで絵巻を披露したとされる。
 道成寺縁起絵巻を観た義昭は、絵巻の下巻末に花押を記して「日本無双の絵巻なり」と絶賛。この時に刀1本と馬一頭、一献の杯を道成寺に贈った。この刀には「来國光」と刻まれており、道成寺では、18代(天台宗以降は15代)にわたる住職の元で約450年間大切に扱われ、現在も宝佛殿の金庫に保管されている。
 これまで、昭和時代に刀を鑑定した研究者が「刃の湾曲が不自然」などと指摘したこともあったというが、5年前には県文化財の審議委員会へ持参して銃刀法にも登録。将軍・義昭から贈られた名刀「来國光」として信じられてきた。そんな中、14日から県立博物館で始まった特別展「日高川と道成寺」に、道成寺縁起絵巻とともに刀が出品される予定となり、当初は展示リストにも記載されていたが、画像を見た専門家の調査で来國光の銘の字体が異なり、どの刀とも形状が異なることなどから偽物だと判明した。
 小野住職は「来國光でなかったことは残念だが、道成寺の歴史の謎がまた一つ解明されて良かった。時代の背景を考えると、亡命中の将軍が偽物を贈った方が納得できるように感じ、逆に将軍から贈られた刀という信ぴょう性が増した。偽物だったことも道成寺の歴史であり、絵巻とともに大切に扱って後世に伝えたい」と話している。
 この刀は、県立博物館の特別展が終わる11月26日まで道成寺宝佛殿に展示されている。


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