「厳島」と「宮島」という呼称の使い分けについては、明確な決まりはない。
日本三景のひとつ、世界遺産にも登録された安芸厳島神社の管絃祭を描いたもので管絃祭が行われる旧暦六月十七日で夏の盛りのお祭りである。
『芸州厳島図会』巻之五の六月の項に次の記載がある。
「十七日夜船管絃 十六日の夜 御船三艘を御池にならべ座をつらね、竹にて籬を結ひ屋形を作り、さまざまの彩花燈籠を懸く、これを御船組といふ。十七日申の尅大鳥居の正面より乗り出す。諸祀官座主供僧各装束をなし御船に候す。水主十四人烏帽子素袍袴にてその行儀最厳重なり。是を御船泛といふ。この夜府下より御供船とて百余艘をいだし、其粧甚壮観にして舌端筆頭の尽すべきにあらず、(中略)実に海西の大祭当社の勝事なり」