切り絵

浮世絵を切り絵に

二代豊国 名勝八景 富士暮雪

2014年07月25日 | Weblog

富士暮雪」下仙元従宮中宿企図

富士山本宮の浅間神社宿坊から、これらの建物の全容を収め、背景の富士山ごと望んで写した意のようである。富士山の浅間神社は、現在の富士宮市にあり、全国の浅間神社の本社的存在である。富士講の参詣者が多く、画面中にも、菅笠白衣の道者たちの群れが、社殿境内や、遠方の登山道に見えている。社殿の後ろにそびえ立つ富士山は、偉容といった感じを与える。暮雪に当てた趣旨から、雪を冠った部位が相当大きいが、白一色の象徴的表現でなく、数条の山襞を薄墨で施し、写実昧を出した感覚が珍しい。

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