録画人間の末路 -

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怪奇映画テイストの「ジュラシック・ワールド 炎の王国」

2018-08-09 11:57:41 | 特撮・モンスター映画
※個人ブログゆえにある程度のネタバレを含んでいます


やっっっっっっと「ジュラシック・ワールド 炎の王国」見てきました。日ごろこの手の映画が大好きを公言していながら公開開始からずいぶんたっての鑑賞となってしまいました。これは最近利用している夜の上映がこの作品に関してはかなり早い時間帯が最後なために店を通常通り閉めてからでは絶対に間に合わないためにスケジュールが合わなかったこと、最近また休日が潰れていることと言った時間の問題。それと前に少し書きましたような件でやや落ち込んでおり、かつその悩みを解決する方法がなく、自分の腹の中だけでなんとかしなければならない話だったのでそれが落ち着くまで映画を楽しむ気にはならなかったことがあります。「悩みがあるからこそ面白そうな映画に没頭して一度浮世から離れて気分一新」という方もいらっしゃるかと思いますが、わたしの場合「面白そうな映画だからこそ楽しい気分でみたい」のですよ。そこらへんまだ全面的に立ち直った、とは言い難い心境ではありますが時間が経って少し気が楽になったこと、上映スケジュールが変わって店を閉めてからでも十分間に合うほど遅い時間に最終上映回が入ったこともあって、心身とも見に行く余裕が出来ました。まぁ開始から時間が経っているので、そろそろネタバレ多めで書いても許されるかな?って気がしますので気楽にこうしたブログ記事が書けるのはいいことかも知れません。

初期に「炎の王国」のトレーラーが公開された時の印象では、前作の怪獣テイストな強力な生物として描いた恐竜と違い、保護対象となる動物として恐竜を描こうとしているのではないか、という感じでした。恐竜の保護、と言うと日本のテレビ特撮番組にそういうコンセプトのものがあります。1976年に放送された「恐竜探険隊ボーンフリー」です。テレビシリーズゆえにややチープ感はあるものの、これも当時としては最新の恐竜の学説に基づいた表現を行っており、ある意味「ジュラシック・パーク」を20年近く先駆けた内容となっていました。もっとも、「ジュラシック・ワールド」では現代の古生物学的な恐竜より「パーク」まで止まりの古い恐竜のイメージを描いていますが(理由はおそらく「最新の学説の恐竜を再現すると格好悪いから」)、それでも、あのような空気も持った演出がなされると思っていたのです。

ところが恐竜を保護しよう、なんてのは序盤だけ。前作から引き続き登場の主人公コンビやその仲間の思惑とは裏腹にあっという間に雇われた傭兵たちは本性を現し、恐竜を捕まえたりデータや胚を盗み出すなどやりたい放題になります。「ロストワールド/ジュラシックパーク」でも似たような展開はありましたが、それでもあの時の恐竜は強かったのですが本作ではハンターたちになすすべなく捉えられていきます。「恐竜探険隊ボーンフリー」だと思っていたら「ドラえもん のび太の恐竜」でした。ジュラシックシリーズの一環して行われるテーマの一つが「人間が恐竜に手痛い目に合う」ですから、保護するなどというのはおこがましいことなのかも知れません。それでも、あの島に取り残されて炎に包まれ、哀れな声を上げながら死んでいく恐竜などという姿は描いてほしくなかった・・・。「ゴジラVSデストロイア」を彷彿とさせますが、ああした描き方は追い続けた人間としては感情が受け付けません。感動を狙ってのことだったのでしょうし、一本の映画としてみれば間違った演出ではないのですが、あまりにむごい仕打ちでした。常時映画の主導権は恐竜をペットや軍事兵器として売りさばこうとする"悪"の側にあり、主人公たちは一貫して弱い立場として描かれ、逃げ回る様子がメインとなっています。行きつく暇がないのですが、やや単調にも感じ取れます。

後半は島から連れ出された恐竜が狭い敷地内で売られたり暴れたりする第二部となりますが、これまた展開が急すぎます。特に恐竜側の悪役であり、前作のインドミナス・レックスの遺伝子を利用してより軍事利用に特化して作られたインドラプトルは、どう考えてもわずか数時間しかたっていない作中の時間経過の中で最初から数メートルの巨体で登場します。卵から培養したのではなく、最初から大型の姿として作られたとしか思えません。まるでクリーチャーです。ここでやっと一つの結論にたどり着いたのですが、前作が日本の怪獣映画の魂で作られた映画なら、本作は西洋式怪物映画・怪奇映画の伝統にのっとって作られた映画でした。それが一番はっきりわかるのが、自室に逃げ込んだ女の子がなぜか布団をかぶってベッドに入り込んでいるのを外の窓から襲おうとするインドラプトルの姿。これは紛れもない吸血鬼ドラキュラの行動演出です。インドラプトルはインドミナスとは別の意味でこざかしく、それだけではあまり魅力を感じない恐竜です。だからこそ演出面で古典的な怪奇描写を取り入れることで別の引き立て方を狙ったのかも知れません。
結論を言ってしまえば「詰め込み過ぎ」の印象が否めない作品でした。前作が良かった(前半は退屈・家族話が不要など全てが良かったわけではないですが)ために期待が大きかったのと、恐竜に対するむごい扱い、それと事前の印象と異なり過ぎた(これは当然狙ったものと思います)などわたしとのすれ違いも大きかったでしょうが、全編突き抜けでメリハリのない展開のため、生かしきれない設定も多かったように思います。
また、前作が裏設定はともかく映像内では旧「ジュラシック・パーク」とのつながりを、基本設定や廃墟のセットなど最低限度にとどめていたのに対し、本作はハッキリとつながりを語っています。前作のあいまいさと決着をつけたかったのでしょうが、それ以上に本作の製作者は「俺のジュラシック・パーク」を持っているタイプではないため、作品のバックグラウンドを旧作を直接出すことに頼った結果という気がします。

厳しいことは書いてしまいましたが、これは良作の続編ゆえの宿命でしょう。久方ぶりでリフレッシュした気分で見られた前作とは違います。CGばかりでなくアニマトロニクスも使っている点など、細かいところを見ればむしろ良い展開の応酬です。まさかのパキケファロサウルスの大暴れは痛快でした(確か突撃したら首の骨が耐えられない、と聞いたことがありますのであそこまでの大暴れは本当は無理だと思いますが、まぁ全恐竜遺伝子操作を受けてますから)。むごさではなく悲しみをもって前半を描き、後半を整理したら、もうワンランク上で楽しめたのになぁと思うと少々残念ではあります。
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4 コメント

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鬱展開 (ドラピー)
2018-08-10 15:01:43
こんにちは。

う〜む、やっぱり人によって評価は様々ですねぇ。
鬱展開は日本のアニメのみならず、ハリウッドでも受けると「勘違い」してるのか・・・。
ウォーキングデッドでも鬱展開(原作通りですが)で大分視聴者が離れたようですし。かく言う私もその一人ですが。

さて、本作の鬱展開はなんと言っても噴火によって救出(拉致)されなかった恐竜たちの描き方ですね。
特に船が島から離れていく時に埠頭に現れたブラキオサウルスの物悲しい・寂しい鳴き声と、哀愁漂う佇まい。そして炎と煙の中に消えていく姿・・・。
もうね。号泣しましたよ;

救助と称しての拉致展開は予想通りでしたし、全恐竜を救い出すことなんて、あの短期間には物理的に不可能だったでしょうから、その辺は理解できました(感情的には納得出来ませんが←)。
人間のエゴで現代に生を受け、また人間のエゴにより死んでいく命。
彼ら種を蘇らせることさえ無ければ、また無残な死をむかえることも無かったであろうに。

そのくせ「自然に任せるしか無い」とはなんとも勝手な話ですよね。
その辺の葛藤を強く意識させる描写が目立ちましたから、そこが訴えたかったのでしょう。
(最後のゲージを開けるボタンの下りとか)

インドラプトルの件ですが、時系列的な開きがイマイチ理解出来て無いのでなんとも言えないですが。
骨(牙?)を持ち帰ってから数日は経ってる・・・ような気はしますが、なんにしてもチート技術・ご都合主義炸裂ですね(汗

私個人としては、突っ込み所はあるものの、初代に感じていた「生きた恐竜が現代に蘇った!では彼らとの交流・共存は?」という点が少し描かれてた点で非常に評価が高かったです。
80/100点
(甘すぎるかな〜。ブラキオサウルス点、ブルー点もあるかも(汗 )
Unknown (krmmk3)
2018-08-12 00:56:38
>ドラピーさん
あのブラキオサウルスの最期はあまりに寂しい描き方でした。その前の必至で恐竜たちが海へ飛び込んでいく様もわたしは「紀元前百万年」のトカゲの本気逃げを連想して残酷に感じましたが・・・。ああいうのはやってほしくないものです。
それだけじゃ間が持たないですから、途中で一波乱あるとは思ってましたけど、それでももう少し救出がキチンと描かれると予想してたんですよ。
まぁご都合主義はしょうがないです。インドミナスレックスの骨もモササウルスに噛みつかれたにしては完全な形で残りすぎでしたし。当然バラバラにかみ砕かれたものと思ってましたから。
Unknown (Beep)
2018-08-12 21:45:34
公開から随分たったのに感想が書き込まれなかったのは、そういう理由があったのですね。
自分は公開直後に行ったのですが、普段は洋画は字幕で見ることにしているのですが、
うっかり吹き替えを選んでしまったらロックウッドが某アニメの愉悦神父のイメージが強すぎて...
映画としての内容は良かったと思うのですが、鬱展開のせいでもう一度吹き替えを見直す気は
起きませんでした。

https://eiga.com/news/20180714/5/
やはりこちらも3部作なので前作を導入部として詰め込みすぎたのかもしれませんね。

明日は鑑賞予定になかったのですが、ちょっと話題になっている
https://eiga.com/news/20180811/4/
を見に行ってきます。

P.S.
全国的に暑い日々が続いております。お体ご自愛ください。
...去年買った電動かき氷器が連日連夜の活躍です。
インスタ蠅しないからか明治屋の「みぞれ」が手に入らなくなったorz
Unknown (krmmk3)
2018-08-15 09:35:10
>Beepさん
洋画は字幕2Dが基本ですから、やっぱり最初はそっちで見たいですね。BD買ったあとだと平気で吹き替え音声にしちゃいますけど(^^;)パシフィック・リム第一作の時はあえて最初から吹き替えで見ました。
ストーリーより演出を楽しむのがこの映画の特徴でしたけど、次回作も最初から予定されていたのか。三部作の二作目ならしょうがないですね。
「カメラを止めるな!」なんかあちこちで見かけますね。確かにちょっと見たくなってきてます。
暑いのでつい水を多めに飲んでしまい、ちょっと便が緩くなってます。体調は気を付けたいのですが、なかなか。

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