録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

SARVH全面広告に見える醜さ

2009-01-05 22:59:08 | 次世代ビデオへの懸念
何もしてないのに、急に腰痛が再発。座っていてもちょっぴり腰が苦しいです。昔みたいにひどくならなきゃいいけど。とりあえず、足吊らせておきます、イテ。

本日からほとんどの職種が正常営業されていることだと思う。わたしみたいな自営業だともう昨日から始めているが、来客や利益は全く昨年と一緒。いいんだか悪いんだかわからない滑り出しであった。
人にもよるだろうが、今日から1週間ぶりに新しい雑誌が書店にならぶ。雑誌を含め、本が売れないといわれる昨今だが、それでも雑誌のチェックに余念が無い人は多いだろう。かく言うわたしもその一人である。
そういう新刊が出たこともあって久々に書店によってみたら、一部の雑誌を見てちょっと驚いた。いや、その雑誌自体は旧年中に出ていたもので、今頃になって気がついたわたしがノロマなのだが、こういう機会でもなければ見つけられ無かったであろう広告。"私的録画補償金"と書かれた、社団法人私的録画補償金管理協会、自称略称SARVHの、雑誌の背面一面に掲載された広告である。
いつの間に出来たやら。いや、知らなかった。公式サイトもあったので覗いてみたら、1999年に発足とある。「録画」とあるにも関わらず、会員は、私的録画著作権者協議会、社団法人日本芸能実演家団体協議会、社団法人日本レコード協会の3団体となっており、実質録音も取り扱うようだ。Googleで検索をかけても個人系で検索できるサイトやブログはきわめて少なく、一般知名度はきわめて低いことがよく分かる。
しかし、実に胡散臭い団体としか言いようが無い。正直わたしは存在を知らなかった。会員の3団体が直接やっているのかと思っていたが、さらに談合した組織があったとは。こんなのがあるのなら、例のダビ10と補償金は一体だ~会見の時にこの団体の名で表へ出てくればいいではないか。なのに、実際にはそれぞれ個別の団体を名乗って出てきている。ここら辺が非情にあやしい。

さて、件の広告だが、このようなことが書いてある。あえて主張部分を全文掲載。
”私的録画補償金は、デジタルの録画機器と記録媒体の価格に含まれ、明日の映像文化を育てています。
よりよい映像を生み出すための「私的録画補償金」は、創り手の権利を守る大切な制度。テレビ番組や映画などを私的に楽しむ目的で録画することは著作権法で認められていますが、デジタル方式を使って録画するときは著作権者と著作隣接権者への補償金の支払いが必要です。あなたの気持ちが映像文化の創造を支えています。"
”ご注意 補償金を払えば、著作物どのように使ってもいいというものではありません。著作権者などに無断で、たとえば私的な目的で録画したものを、何本も複製したり、販売したり、インターネットで送信したりすると、著作権侵害になります。"
キレイな言葉であり、以前の会見の頭が悪くて暴力的な発言しか出来ない連中が書いたとはとても思えない。おそらくキャッチの専門家に依頼して書いたものだろう。が、随所に醜い欲望がはみ出ているのを隠せてはいない。

まず、「デジタルの録画機器と記録媒体に含まれ」の部分。これだけ見ればなるほど、デジタルレコーダーは補償金が含まれているのか、と解釈できる、実際そうだがご存知のとおりSARVHが狙っているのは、レコーダー内蔵のHDDをレコーダーそのものと切り離してメデイアとみなし、補償金の対象とすること。いわばHDD内蔵レコーダーからの二重取り。それを正当化するための「なんだ、まだ補償金の対象になっていなかったのか」と思わせるため、将来世論を味方に付けるための意図的な知識の偏りが目的でしかない。
一番酷いのは、「何本も複製したり、販売したり、インターネットで送信したりすると、著作権侵害になります。」の一説。いままでこういう主張では権者は好んで「著作権保護法違反」という言い回しを使っていた。ところが、ここでは「著作権侵害」を使っている。これは、言うまでもなく"何本も複製したり"は私的複製権と全く矛盾せず、著作権保護法に違反しないからだ。極端に言えば、録画した番組を権者に黙って好きな時間に視聴しても(もちろんいちいち断ってから録画番組を見る人などこの世に存在しない)、家族や友人との話題でテレビ番組の内容を話したりするのも「著作権侵害」である。それらと同程度でしかない行為を、悪質な「販売したり、インターネットで送信したり」と併記し、しかも侵害の文字と一番離すことによってその主張のおかしさを覆い隠そうとするあたり、きわめて悪質度が高い。

おそらく、これは「我々著作権管理団体(SARVHの名前は出さないだろう)は、消費者に対して自分たちの活動の告知のための運動を行っており、理解は深まっている」として私的録画補償金の拡大を求めるための既成事実作りに過ぎない広告であろう。連中は「補償金の拡大ではなく、シフトだ」と言ったが、別にHDDから取るようにするからと言ってデイスクを対象外にするわけではあるまい。どう考えても拡大である。しかも、こちらの主張には何の理解も示さず、自由も寄こさず、金だけは二重でも三重でも取るのいいとこ取り。しかも、自分らに一方的に有利なはずの規制で市場をつぶしておいて、その分を補填させるのが目的なのに。それだけでも飽き足らず「自分らは責任はない」と繰り返し主張。これを理解しろ、などと言うのはまともな人間なら絶対不可能である。
少なくともわたしは、対等の立場でない限り、補償金など全く払う気はなく、ここでも批判し続けていきますので。ポーズでなく、まともに理解を求めるのなら、まず"自分らで選んだ自称"消費者の代表でなく、本当の消費者の代表を、少なくとも権者代表と同等の人数を用意して話し合うべきであろう。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 弟Bちゃんノーパソの夢に乗る | トップ | GeForce9400のCUDAでも爆速エ... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (emanon)
2009-01-06 00:37:05
 CDの私的複製専用機器と複製対応CD-Rを出した時にできた団体でしょうね、確か一人が買って友達に配りまくった結果目に見えて販売数が減ったのが設立理由だったかと思いましたが

そりゃ書き込みに使う機器やCD-Rによって微妙に好くなったり音が好みのバランスで鳴るようになると噂になり流行していた時だから複数焼いたし車の中で使うには今ほど使いやすい物が無かったので買ったものを使うのはちょつとね…
安いものでも一枚400円て時に値段の下がらない指定メディアに専用対応機器では分が悪い、時代はITブームPCにはインターネットとCD-Rが最新の物として流行していたしキャプチャしてビデオCD・スーパビデオCD作成が流行し始めたときですから話にならないと思った記憶があります 旧規格のCD-Rが無いのでもう使えないのにNERO98とドライブは残っています(ドライブはYAMAHA CDR100とソニードライブ内臓のLogitec LCW-748S)

まだあの無駄飯食いの寄生団体残っていたんですね…
不便を強いるばかりでなくこちらの方が便利だと思わせられなければ何時までたっても無駄飯食いのままですよね
ネット有料放送見放題とかすれば光回線の普及率上がるし、光回線て公約目標達成できているのか?
返信する
Unknown (krmmk3)
2009-01-07 00:32:01
>emanonさん
最初のオーデイオCD-R専用機って、PCがあるのになんでこんなの出すの? って疑問しか思いつかないほど利用価値の低い機器だった覚えがあります。それから全くチェックしていませんが、今は少しは使い物になっているのでしょうかね?
SARVHがその立ち上げ団体の延長だとしたら、まともに取り扱う方が愚かな行為かも知れませんね。
返信する

コメントを投稿

次世代ビデオへの懸念」カテゴリの最新記事