般若心経

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般若心経

2021-02-28 | Weblog
 目が覚めたら
   ―頸動脈狭窄症―

 気がつくと薄暗い部屋の中でした。ここがICU? テレビで見たことのあるICUとは少し感じが異なります。見回すと広い部屋にカーテンなどの遮蔽物はなく、ベッドが10床ほどあり、ひとりのおばあさんがぶつぶつとしゃべっている他はみんな眠っているようです。おそらく深夜なのでしょう。
 とりあえず目が覚めたことを知らせておかなければと「すみません」と声をかけると、すぐに「はい」と言って看護師さんが来ました。2時 だそうです。16時間ほど眠っていたことになります。体温、血圧などを測り体の調子を聞かれました。前日の朝から水分を口にしていないのですが、不思議に喉は乾きません。点滴で水分が補給されているためでしょう。
 以前、手術を受けた人から麻酔が切れたときに傷口がものすごく痛んだ、という話を聞いていましたので、かなり痛みを感じるものと覚悟していたのですが、ほとんど痛みを感じません。首をさわると分厚いガーゼで覆われています。まだ麻酔が効いているのかもしれません。とにかく無事に手術は終了したようです。安心感もありまたうとうとと眠りに入りました。
一時間ほどして主治医が見えられ、手術はうまくいったとの話。看護師によると主治医は2時間おきに来られていたそうです。朝から外来診察の予定があるのにただただ感謝。
 8時、給仕担当の男性が、食事の希望を聞きに来ました。一昨日の夕方より 一日半何も口にしていないのですが、全く空腹感はありません。食事は”普通の食事”と”柔らかい食事”が用意できます、どちらにしますかと聞かれました。内臓の手術ではないし、歯も大丈夫、少し見栄もあって普通の食事をお願いしますと頼みました。しかし、すぐにこの見栄を反省することになります。
20分ほどして食事が運ばれてベッド上で食事、献立はごはんと汁物、焼き魚と野菜の煮物です。食べ始めてすぐに顎が自分の思うように動かない、噛めない、力が入らないことに気がつきました。また少し噛むとこめかみあたりが 痛くなります。そして飲み込むと喉が痛く、喉が腫れているような感じです。普通にしゃべることはできましたので、このような状態になっているとは思ってもみませんでした。.出された食事の量はやや少なく普通であれば10分もあれば 食べ終えると思われるのですが、悪戦苦闘。一口、二口食べてからよほどやめようかと思ったのですが、普通の食事をと言った手前、無理して食べ終えました。朝食でかなり疲れたようで お膳が片づけられた後 また眠ってしまいました。
10時10分、病室から運ばれてきたベッドに移りICUから病室へ移動。
11時15分、リハビリの先生が来られ、手足、指など身体の動作確認、歩行確認がありました。手術で神経を傷つけている恐れがあるための確認だそうです。
体の運動機能に異常はありませんでした。
11時30分 、耳鼻科診察、嚥下機能の確認です。飲み込みにくいのは手術中肺に酸素を入れていたチューブが長時間喉に接触していたためだそうです。
12時、昼食 また普通食、朝食後やわらかい食事に変更を頼んだのですが、時間的に間に合わなかったようです。



食べにくいというものではなく、まるで格闘している感じです。折角用意してくれたものですし、食べないと体力が落ちてしまうという気持ちもありました。考えてみれば今まで出された食事を残した記憶はありません。小一時間をかけて食べ終えました。
(その後、夕食からやわらかい食事に変更したのですが、これがまた大失敗・・・顛末記はまた改めてお話させていただきます)
昼食後また 眠りにつきました。よく眠れるものです。

長い入院生活が始まりました。