あしたはきっといい日

楽しかったこと、気になったことをつれづれに書いていきます。

旅路

2011-03-09 22:19:13 | 映画を観る

念願のお弁当を食べ終わり、映画館に向かった。

昨日まで、この作品にしようか、それとも『英国王のスピーチ』にしようか迷っていた。だが、失礼ながらアカデミー賞候補作の方はロングランになるだろうからという計算を働かせたのと、主演された石田ゆり子さんに惹かれ、『死にゆく妻との旅路』を選んだ。

多額の借金を抱え金策に走る、三浦友和さん演じる男性には、一回り年の離れた妻がいる。彼女は夫を愛し、離れたくないと思っている。ようやく戻ってきた夫と共に、職探しの旅が始まり、そしてその旅の途中、癌を患った妻の容体が悪化し、そして、妻の命の灯が消えるとともにその旅が終わる。

実話をもとにした作品ということで、結末もわかっていた。だが、そんなことは気にならず、映画に惹き込まれた。借金を抱えて逃げ回る人を「だらしがない」と言い捨ててしまいがちだが、それぞれの事情がある。そして、心やさしい人が理不尽な借金を背負うことも少なくない。次第に病魔に蝕まれていく妻に寄りそう夫の姿に、その心のやさしさを感じた。だからこそ、妻は離れたくないと思ったのだろう。

映画を見ていて、愛は長さより深さだと思ったが、ラストで妻を失った悲しみに打ちひしがれる夫の姿に、簡単に答えを出せないと思い直した。愛する人もいない僕には必要に迫られないことではあるが…

三浦さん、石田さんは、夫婦の微妙な心の動きを過剰にではなく自然に演じられていた。そして、そのさりげない動きや表情に僕の涙腺は反応した。映画館に集まった多くの人たちも、程度の差はあるだろうが心を揺さぶられたのだろう。

さて、僕は物語に惹き込まれつつ、石田ゆり子さんの透明感に魅了されていた。全日空のキャンペーンガールとして肌を小麦色に輝かせていた頃と変わらない魅力と、大人になるにつれて増した輝きを併せ持っている。

映画を観終え劇場を出ると、すれ違う人々の視線気にしてしまい、空を見上げた。この青空の向こうに、僕の全てを捧げたいと思う人はいるのだろうか。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほっかほか

2011-03-09 21:02:58 | おいしい

本当は今日出発しようと思っていたのだが、仕事の進み具合が芳しくなく、今日は予定を入れなかった。だが、一つやっておきたいことがあって、昼前に家を出た。

森本千絵さんのツイッターをフォローしていて、自由が丘にある白山米店さんのお弁当のことを知った。一度食べてみようと思ったが、お弁当は水曜日限定のようなので、なかなか叶わなかった。先月、芝居を観るために半ドンした日にダメ元で寄ってみたが、やっぱり営業していなかった。あの日は金曜日だった。

お母さんと娘さんの2人で切り盛りされているようで、店の中を覗いただけで気持ちがほんわりした。

さて、お弁当を買ったはいいが、自由が丘に土地勘はなく、電車に乗り込み次の目的地へと向かった。いや、その目的地に行くまでに2か所寄り道した。その間、温かかったお弁当は冷めてしまった。

だが、お弁当は冷めてもうまいもの。一時間以上経った有楽町のホーム上で冷たい風に吹かれながら口に含むと、ご飯の甘さやハンバーグのしっかりした肉の味が広がった。そして、声を出さずに「ごちそうさま」と呟いた。

次の機会はなかなか巡ってこないだろうが、その時までには温かいまま食べられるいい場所を探しておこう。

そう、合わせて買ったケーキは帰宅後に母と分け合った。しっとりとしたバナナの風味が良かった。

お店のレシピを紹介した本は、帰ってきてから買おう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする