珍方録

バイクと酒とジンギスカンをこよなく愛するブログ

世界一周の途中で

2007-08-27 | BMWmotorrad

▲Vladimir Yarets(ウラジミール・ヤレッツ)さん

部品を買いに久しぶりにAUFに顔を出しました
すると目に飛び込んできたのは、とてつもないオーラを発するF650でした
なぜか日本のナンバープレートじゃないヤツが付いてます
聞くとこのF650は世界一周旅行中とのことでした!
ライダーはロシア人のウラジミール・ヤレッツさん66歳
実はこの方、健常者ではなく聴くことと喋ることが出来ません
どうやってバイクに・・・と普通は思ってしまいますが、そんな次元ではなく、「ろうあ者によるオートバイ世界一周でギネスブックに載る」というのが目標なんだそうです。 日本にやって来てからは下のような文章が書かれた紙を携え、道行く人々に旅の目的をアピールしていたようです

旅の経緯を説明すると、2000年の5月にベラルーシのミンスクを出発し、ヨーロッパを皮切りに、4つの大陸と40以上の国を走破してきたようです
ロシア語の公式ホームページYarets.comによると、これまでの主な経由地は以下のとおり

*********************************************************
ベラルーシ・ミンスク  /  
300km  出発
ポーランド  / 800km  / 5日
ドイツ  / 1,400km  / 16日
オランダ /  400km /  2日
ベルギー  / 400km  / 2日
ルクセンブルク  / 100km /  2日
フランス  / 4,100km /  50日
イギリス(イングランド-ウェールズ-スコットランド) /  3,000km /  47日
アイルランド  / 650km /  8日
北アイルランド  / 180km  / 3日
オークニー諸島(英国)/ 10km /  1日
シェットランド諸島(英国)  / 60km /  10日
フェロー諸島(デンマーク)  / 25km /  3日
アイスランド  / 1,650km /  12日
アンドラ  / 80km /  21日
スペイン  / 1,600km /  28日
ポルトガル  / 900km  / 14日
ジブラルタル(英国) /  80km /  4日
モロッコ  / 1,400km /  23日
西サハラ   / 120km /  5日
カナリア諸島(スペイン)(サンタクルスデテネリフェ) /  300km /  60日
ベネズエラ(マルガリタ島)  / 2,500km / 181日
アルバ(ボネール-キュラソー、少しアンチル諸島)  / 40km /  5日
プエルトリコ(米国)  / 500km  / 44日
ドミニカ共和国  / 650km  / 30日
ハイチ  / 170km  / 10日
ジャマイカ  / 800km  / 40日
キューバ  / 1,600km  / 132日
アメリカ合衆国  / 54,000km  / 651日
ハワイホノルル(米国)  / 30km / 23日
カナダ(11 + 6都市)  / 32,000km  / 270日
アラスカ(米国)  / 3,000km  / 20日
メキシコ  / 8,640km  / 46日
バハカリフォルニア  / 1,800km  /  6日
ベリーズ  / 1,000km  / 8日
グアテマラ  / 936km  / 6日
アメリカ合衆国  / 65,600km  / 802日

※2005年6月30日時点
*********************************************************

写真のF650GSは2004年から乗ってるそうですが、それまではチェコ製のJAWA(ヤワ)というメーカーの2スト350ccマシンで旅をしていたようです
驚くことにこの2ストマシンで29ヶ国、延べ16万キロを走破したということです。 現在乗っているBMWはヤレッツさんが旅のために自ら選んだバイクではなく、ある事故をきっかけに偶然乗ることになったようです

2003年10月13日、イリノイ州南部の小さな町ピオリアで
悪天候と強風の中、ヤレッツさんの乗るJAWA350にトラックが突っ込み、バイクは大破しヤレッツさん自身も重傷を負いました
原因はJAWAのテールランプが暗く、後続から見えなかったという・・・
セントフランシス・ピオリア・メディカルセンターに救急搬送されたヤレッツさんはその後約50日間入院 
その間、
地元シカゴの新聞でも「ギネスを目指すろうあ者ライダー事故」の記事が話題となり、共感した多くの人々から献金が集まったということです
「なんとか旅を続けてもらいたい」という地元ライダーたちの熱意がやがてBMW-USAに伝わり、この黄色いF650GSが寄贈されたようです
紆余曲折を経て、旅は再開されました・・・
今年オーストラリア大陸を旅した後ニュージーランドに渡り、夏頃に日本に上陸したようです
アジアのなかでも日本はぜひ一度訪れたかった国のようです

ルートは北海道から九州まで走って、台湾~朝鮮半島~中国を目指すというもの
さて今回ヤレッツさんがAUFに現れた理由は、オホーツクのあたりを走行中にインマニのインシュレーターゴムに亀裂が入ってエンジンが不調になった為。
道東のバイク屋に駆け込むと、地図を見せられ、
「となりの札幌という町にBMWディーラーがある」といわれ、だましだまし札幌までやってきたというワケです
このバイク屋もなかなか大陸的な話をしたもんです(笑)

▲亀裂の入ったインシュレーターを持つヤレッツさん  満足そう♪

さすがはAUFで、F650GS用のインシュレーターは在庫があったようです。
OHV用のバレオのセルを常に一機ストックしてるような店ですから、インシュレーターなんかはいっぱい置いてあるんでしょうw
その場で修理完了
各種点検、エンジンオイル交換などもして、万全の状態に戻ったようです

▲2000年5月27日にミンスクを出発

▲BYとはベラルーシのビークルID

黄色い車体とコーディネートされた見たこともない巨大パニアケースは、バイク用ではなく、実はサムソナイト製の旅行用トランクでした(キャスター付き)。 サムソナイトともなれば、ある意味BMW純正パニアより堅牢かもしれませんね。 その容量たるや、圧倒的でしょう

▲アメリカ・ミネソタ州のナンバー

▲世界各国の国旗シール

ロシア人ということで会話はどうするんだろう?と思いましたが、手振り身振りで大体伝わるものですねw
「伝えたい」という気持ちがイチバンなのかもしれません
それよりなによりこの方、底抜けに明るいので聴力のハンデなど微塵も感じさせません。 世界中で歓迎されるのも分かるような気がします
人として見習いたい部分です 

右側のケースに世界地図が貼ってありますが、すでに行った国にはマーキングがされており、自国のあるユーラシア大陸のほとんどと南北アメリカ大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸は制覇済み!!
現在までの延べ走行距離は26万キロに及んでるとのこと

それにしてもスケールのデカさには圧倒されます
いつか自分もこんな旅をしたいですね
んー、その前に生きて帰って来れるか・・・??

ヤレッツさん、良い旅を~(^^)/

おまけ→Тост! За нашу встречу.(乾杯!私たちの出会いのために・・・)

  ※2008/2/7 一部加筆訂正いたしました

          
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夜シコ日記4 | トップ | 松前ツーリング Part2 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

BMWmotorrad」カテゴリの最新記事