AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

A2.......かあ

2019年05月16日 | 日本語教育
法務省出入国在留管理庁から「日本語教育機関の告示基準の一部改正」についてのパブリックコメントの募集が出されています。

少し前から、FACEBOOKのお友達の間でもいろんな記事が。

締め切りは、5月27日です。

改正の概要については、ここにまとめられています。


授業でも紹介して、CEFRの話をするんですが、

個人的に、CEFRが急に出てきた感が否定できず、これ、評価の基準にするのに適切なんだろうか、という疑問もあります。

それに、学校の教育の質やレベルが、学習者の日本語力に直結するとは思えないんですよ。

まあ、専門ではないので、と逃げつつ、一つ、一番気になるのはね、


A2のレベルだと、多分、労働基準法をはじめとして労働法規や、日本語で書かれている労働契約書、多分、読めないよね。

以前、イギリスで働くためにB2が必要、という話を聞いたことがあって(出店が不明で申し訳ないです)、どんな仕事でも必要だ、ということだったんですね。

寿司職人さんでも、ペンキ職人さんでも、花屋さんでも、弁護士、医師、タクシーの運転手さん、どんな仕事でも。

理由は、例えばすし職人さんの場合、「食品衛生法」が読めて理解できなきゃいけない、とか、ペンキ職人さんだったら「危険物取扱」の法令が理解できなきゃいけないとか、そういう話だったんですよ。

そう思うと、A2って、何のため、だれのための基準なのか、と思えてくるわけです。


A2以上を求めるのは、結構大変なんじゃないかと思いつつも、日本語を学んでも、日本語で自分が守れないというのはどうなんだろうか、とも思うわけです。

日本で働く以上、日本の法律をきちんと理解できるようにしていく必要があるんじゃないでしょうか。


前にも書きましたが、

日本語を教えるのは、日本で働く、働くうえで日本人とコミュニケーションが取れるように、というのをゴールにするのは間違い。

それは、受け入れる側の都合しか考えていないから。

学ぶ人の生活の質を上げることを考えていく必要がある、と思うんですけどね。




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