AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

世界史、日本史、歴史を勉強してから大学へ来てほしいなあ

2015年11月20日 | どーでもいいこと
教養科目の一つで、

近代史の中で日本が海外からどのように見られ、思われ、考えられてきたか、をテーマにしている授業があります。


これまで、戦前の朝鮮半島で作られた映画を見たり、


北朝鮮で作られた1970年代の映画を見たりしてきたのです。


で、今日は、植民地統治を受けていた時期に使われていた朝鮮総督府編纂の教科書を自由に見てもらう時間にしました。


学生さんがてんでに読んでいるところを回りながら、開いているページからくみ取れることを話して、考えるきっかけにしてもらったりしたわけです。


例えば、併合前の教科書を見ている学生さんがいたら、「どうして、1年生の第一課は漢字語彙の習得で始まるんだろう」とか、

「仮名遣いが今と違うよね、どうしてだろう」とか、そんな感じです。


朝鮮での教科書編纂と使用時期の年表は示したものの、

当時の大韓帝国の元号の話を忘れていて質問があったり、

一学年に2冊使うということを説明し忘れていて、学年と間のすり合わせができないと質問があったりでしたが、


韓国併合は何年ですか。


という質問には言葉を失いました。


結構大きなトピックだと思うんだけど。そう思うのは、朝鮮関係の研究をしているからだろうか?


でも、少しは世界の流れを大まかにつかめておくといいと思うんだけどなあ。


歴史を勉強していなくても大学に入れるようになったことは、確実に、学力の低下を招いていると思います。

学力というと何をいうのか、という議論もあると思いますが、ここでいうのは、歴史的事件を背景を考えて理解していくこと、でしょうか。


歴史的事件を年代だけで覚えると、その裏に何があったのかが全く見えなくなってきます。すべてが関連しているということを考えられないのは、困ったことだと思います。


それはそれとして、今日の教科書紹介で気づいたこと、疑問に感じたことが報告書として来週学生から提出されます。

読むのが今から楽しみです。


今年は、例年よりも、いい質問が多かったし、いい見方をしている学生さんが多かったと思いますから。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「知識は人を助けるために使... | トップ | 明日から出張 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

どーでもいいこと」カテゴリの最新記事