AWA@TELL まいにち

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インターネットの弊害

2007年02月23日 | 日本語教育
こんな記事がありました。

学部の授業を担当していたとき、レポートで調べ物をさせると、必ずといっていいほど、インターネットの情報のカット&ペーストを見つけたものです。
図書館で情報を探そうというテーマで、図書館の司書の方に資料の探し方などの講習を受けてからのレポートでした。

資料をめくって調べるというか、インターネットのように瞬時に改変、削除できる情報源を信頼しての学術的な調査は、調査ではないと思うんですよね。発信者の匿名性も高いし。

インターネットでの検索は、非常に便利なのは分かります。僕もよく使いますからね。
ただ、電子辞書と同じで、必要な情報の前後の情報は全く無視するわけですから、知識・教養にアソビの部分がなくなってきますよね。
余分なことは覚える暇が無いという事かもしれませんが、面白くない人間になりそうで。

初級の日本語を勉強している学生も、殆どの学生が電子辞書を使っています。
知りたい単語をインプットするとすぐ意味が出てきます。
知りたい単語を聞き間違えていると、いつまでたっても出てきませんよね。

知りたい単語を聞き間違えた上体で、本の辞書をめくっていると、その語彙を探している間に、勘というか、ここにはない、何か間違ってる、というようなことを教えてくれるものがあります。

すぐ手に入れた知識はすぐ忘れますよ。本をめくっての調べ物は、覚えるための色々な手がかりを作っていきますから、その方が身に付くと思うんですよ。

まして、中級以上の学生が電子辞書、それも、母語との翻訳のための電子辞書を使うのはお勧めできません。授業の中でも、再三、「国語辞典」を買うように話しました。例文はまずいし、少ないし、使い方の説明も中途半端だし、ろくなことがありません。初級段階で学習を放棄するのであれば、うるさく言わないんですけどね。
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