◯月◯日
小屋の写真を撮っていると内部がどうなっているかも気になるところです。写真を見てくださった方も同じ疑問を持つようで、これまで何度かそうした質問を受けたことがあります。
その場に所有者がいればお話を伺ったり、運が良ければ中を見せていただくこともありますが、そうした機会はなかなかありません。
でも、ごく稀に小屋が自ら中を見せてくれることがあります。今回は、おおらかにも開けっぴろげな(?)小屋たちの中を拝見させていただきましょう。
まずはこちら。

なんの拍子か扉が開いたままになっていた小屋です。
扉の裏側に巻尺やホウキ、手袋が掛けられている様子がかわいいですね。見ていて飽きません。
こちらの小屋は左側からパイプが2本出ています。下のパイプは地面につながっていますね。地下水を汲み上げ、田んぼに水を巡らせるポンプ小屋でしょうか。なにやら大型の機械が入っているようです。

扉がないので、ちょっと失礼。中を拝見させていただきます。

なんと!農業用の自走式の車両がどかんと置かれていました。名前と型番から調べたところ、クボタ製のコンバインで1984-85年ごろのもののようです。現役を引退した後にポンプを取り付けられ第二の人生をここで送っているのでしょう。
私がこれまで見てきたポンプ小屋は電線が引かれていて、電動式の小さなポンプが設置されているものばかりでした。このようにエンジン付き車両を転用したポンプは初めてです。電力会社と契約し電柱を立てて電気を引くよりも、こちらの方が安価なのかもしれませんが、思いもつかない発想です。
次はこちらの小屋。建築資材置き場として使われていました。

新潟で撮影した小屋ですが、雪の重みに耐えられるように屋根が独特の馬蹄型をしています。
最後はこちら。秋田県で通りすがりに見かけた小屋です。

扉がなく内部が見えたので、望遠レンズで覗かせていただきました。

ひとつひとつの道具が丁寧に扱われていて、きれいに整理されているのが見て取れます。所有者だけでなく農機具までもが、やがて来る春を今か今かと心待ちにしているかのようです。
高級な家具もおしゃれな雑貨もありませんが、質素にして実に品のある美しいインテリアを見せてもらった気持ちにさせてくれます。
小屋も色々、内部も様々。
住宅のように毎日人から必要とされ使われているものではありませんが、役割を担わされ、必要となったらいつでも働けるように道具も小屋も待機しているのです。