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きょうも小屋日和

小屋日記11北海道の番屋 その2 番屋の内部を見せていただく

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前回からの続き)
◯月◯日
海岸に連なる番屋を撮影して歩いていると、すりガラスのドアの向こうに人がいる気配がする。

きれいな下見板張りの壁にスライド式の窓。きちんと手入れされている小屋だ。
思い切ってドアをコンコンと叩き、声をかけると、中で人が作業をしていた。招き入れてくれる。

獲れたシャコを茹でて、オスとメスで選別する作業をしていた。

漁網から魚を一匹一匹手作業で外していく。
修学旅行の車窓から眺めた30年前の日から、いやそのずっと前から今日まで、そして明日も、人は入れ替わりながらも同じ作業が繰り返されていくのかと思うと、心が震える。淡々と繰り返され積み重なっていく日々は最強盤石でなんだか到底敵わない(だから人はそれに抗おうとするのかもしれないけれど)。

海に面した側は船が収納されていた。
お礼を言って、おいとまする。

もと来た道を歩いていると、開いていたドア越しに漁師と目が合い、挨拶をする。小屋の写真を撮っているのですが、と言うと、ここでも中に招き入れてくれた。
家主は不在だったが、漁師がわざわざ電話で許可を取り付けてくれた。「好きに撮っていいってさ」という好意に甘え、写真を撮らせていただいた。
先ほどの小屋もそうだったように、大人数で作業することもあると見えて、椅子がたくさん置かれている。ここは事務室兼休憩室か。

ピアノとソファが置かれていた。ちょっとしたサロンのような空間。家主は趣味人なのだそう。錆びたトタン小屋の中にピアノが置かれているなんて、誰が想像できようか。

簡易キッチンでお皿を洗う漁師。「オレ、神奈川に住んでるだけど、ここの手伝いに来ててさ、今日これから飛行機で帰るんだよ」とのこと。

建物は2階構造で、階段を降りると海に面した作業エリアになっている。
ここにも台所が。いろいろなものがぶら下がっていて、視認性がいい。さっと手に取れるように工夫されている。
工具の取り揃えと並べ方が圧巻。
海側の床は砂利が敷き詰められている。水揚げした魚介類をここで仕分けなどするときに、水がそのまま地面に吸い込まれていくように工夫されているのだろうか。

手前の桶にはアワビなどが入っていた。


最後に2階バルコニーに上がらせてもらう。隣の番屋の眺め。

秋になるとシャケ漁が始まり、浜に活気があふれて写真になるから機会があれば来てみるといいと言ってくれる。いつか訪ねてみよう。

束の間、多分20分-30分ほどの時間だったが、別世界に入り込んだかのような体験だった。


"Now-here"と"No-where"は"w"の位置をずらすと、「今ここにある」と「どこにもない」とが入れ変わるんだと教えてくれたのは、たしか小林信彦の小説だったか。
ここの人にとってはうつつでも、私にとっては夢のような不思議な場所、不思議な時間だった。

koya_diaryさんの出品

コメント一覧

koya_diary
secomshitemasu さま
ありがとうございます!
小屋=仕事=生業=生活なんですよね〜。
secomshitemasu
小屋と生活。小屋と仕事。
めちゃくちゃいいですね〜!!
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