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きょうも小屋日和

小屋日記⑩北海道の番屋 その1 映画「ウォーターボーイズ」または小屋と月見草について

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◯月◯日
昨日は苫小牧市内で鹿の角を誇らしげに掛けてある小屋に出会った。
今日は北上してみる。というのも、新千歳空港で拾ったタクシーの運転手に番屋を見たいのなら、太平洋側ではなく、海の荒れる日本海側に行った方がよいというアドバイスをもらったため。
確かに、GoogleMapの航空写真で太平洋側の海岸線を拡大したりストリートビューでずっと流してみても、小屋らしい影は見当たらない。
そして、日本海沿いの海岸線を見ていて思い出したのが、高校の修学旅行で見た小屋群。列車の車窓から眺めた、海岸にへばりつくように建っていたあの小屋は今もあるのだろうかと線路沿いに探していくと、あった! 30年を経て、今もある。

あると分かれば、迷うことはない。カーナビに場所を入力して一直線に向かう。
駅前のロータリーに車を停め、人通りのない道を歩く。



漁師がよく着用している胴付き長靴が干されている。長靴付きズボンと呼ばない。分類としてはズボンではなく、あくまでも長靴。
扉が開いている小屋は船の格納庫。

学生服の看板は五分刈りに詰襟の男子学生と、おさげ髪にセーラー服の女子学生を思い起こさせる。

そういえば、これもだいぶ前の話だけれども、新千歳空港から札幌に向かう列車の中での制服姿の女子高生ふたりの会話を思い出す。
2月か3月ごろだったか、ひとりの女の子が映画「ウォーターボーイズ」の面白さをもうひとりの子に熱弁していた。

「とにかく、もうウォーターボーイズが大好き!ほんとに面白いから、観て! 私、4月から東京で一人暮らしするでしょ。すごくさみしいと思うし、今から不安なんだけど、あの映画のDVDを持っていくんだ。あれを毎日観る。そしたら向こうで一人でも頑張れる気がするんだよね」

細部は覚えていないけれども、列車は混んでいて、彼女たちも私もデッキ部分に立ちながらだったか。振り返ってその子の顔を見るわけにもいかず、数駅の間、背中で話を聞いていたと記憶している。その女の子は「じゃあ、卒業式でね」と言って途中駅で降りていったけれども、15年ほど前のことなので、もう彼女も30歳過ぎているはずだ。今も東京で頑張っているだろうか。

いつか矢口史靖監督に会う機会があったら、この話は絶対に伝えようと思って誰にも言わずに黙っていたのだけれども、流れで書いてしまった。

細い道をいく。
もはや抽象画のような連なりの小屋。



「富士には、月見草がよく似合う」といったのは確か太宰治。
空と海には、青い小屋がよく似合う、と言ったら、「一緒くたにするな」と叱られるだろうか。

koya_diaryさんの出品

コメント一覧

koya_diary
secomshitemasu さま
ブログを読んでいただき、ありがとうございます!
これからも、様々な小屋を紹介していきたいと思っています。
もしよろしければ、また是非お立ち寄りください。
secomshitemasu
今回もいい小屋ありがとうございます!
「空と海には、青い小屋がよく似合う」小屋を見続けている小屋日和さんの実感として説得力がある言葉です!
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