仏像彫刻と共に歩む侊慶の記録

仏師 紺野 侊慶の記録

弥勒菩薩3(2)

2012年05月01日 | 侊慶の作品制作

前回投稿した4枚の写真をご覧ください。

顔の表情や立体感、動きまで違って見えるのがお分かりでしょうか。

お寺と美術館では、同じ仏像でも違った印象をもたれた事があると思います。

また、光のあたり方が変わると朝、昼、夕方など時間によっても見え方が違います。

私たちも日頃、制作する際は光を大変重視しています。

直射日光のあたらない窓際で制作するのがベストです。

蛍光灯の光で制作する事はありますが、太陽の光は質がよく全面を照らしてくれるため、とても制作がしやすいのです。


鑿跡(のみあと)も光によって見え方が異なります。



光を横から当てた状態






光を正面から当てた状態




光を横から当てた状態  光を正面から当てた状態


この開き手の光の当て方の違いにより鑿跡の違いが分かるでしょうか。
光を正面から当てると鑿跡が見えず影ができない状態になります。

また、光を横から当てると鑿跡が並んでいるのが分かるでしょうか。
このようにより綺麗に仕上げるために光の当て方を考え制作していくのです。

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