アイディ『英文教室』 柴田耕太郎 翻訳批評

『英文教室』主任講師 柴田耕太郎による翻訳批評

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翻訳批評第四十三回

2009年03月17日 14時17分25秒 | 翻訳批評
14.2.10
A great many of ①the minerals are useful to and essential for proper health.  
非常に多くの①鉱物は、健康に役立つだけでなく、絶対必要である。

①「鉱物」:悪訳健康のことを言っている以上、organic matterに対するmineralだろう。

修正訳:
「無機物」

14.2.11
Some people tell fine stories of the use of atomic energy in industry, andthe economies which will result.  
原子力を産業に応用することや、その結果として生ずる①経済機構について、結構な話をする人もある。

①「経済機構」:誤訳「原子力の利用」の結果生ずる「経済機構」では、話がつながらない。このeconomiesは「節約」「倹約」の意。

修正訳:「経済効果」

14.2例題(1)
Most of those who are in the habit of reading books in a foreign language will have experienced a much greater average difficulty in books written by male than by female authors, because they contain many more ①rare words, dialect words, technical terms, etc.  
外国語で書かれた本を読む習慣のある人なら大部分がすでに経験していることであろうが、女性の筆者が書いた本よりも男性の筆者が書いたもののほうが普通はるかにむずかしい。男性の筆者の本のほうがはるかに多くの①珍しい単語や、方言、専門用語などを含んでいるからである。①「珍しい単語や、方言、専門用語」:誤差
並列がでこぼこしている。同じレベルでそろえたほうがよい。

修正訳:「稀語、業界用語、技術用語」

14.3.4
If a visitor is told that a lady is not ‘at home’, ①it may mean that she is feeling unwell①, or for some other reason not receiving guests.  
ある婦人を訪ねて、「お目にかかれません(=not at home)」と言われるときは、その婦人がぐあいが悪いか、何かほかの理由で客には会わないという①意味のこともある

①「か、…意味のこともある」:誤差
「意味のこともある」がどこに掛かるかあいまい。このorは選択でなく譲歩(…とか)

修正訳:「悪かったり、…意味であったりもする」

14.3.6
The parlor ①faced southeast, the sun went off it early, which made it beautifully cool in summer but in the afternoons at other times of the year a little sad.  
居間は①南東に面していたので、陽は早くかげった。そのために夏は涼しくて気持ちがよかったが、他の季節には午後になると、少し陰気くさかった。

①「南東に面していたので」:誤差
気象に関しては「南東」(例:稚内、南東の風、風力3…)だが、普通には「東南」(例:東南の角部屋が希望)という。

修正訳:「東南向きで」

14.3.8
In the whole nature the cat is the only animal which has solved the problem of living in close contact with human beings and at the same time of maintaining its freedom and conserving its own personality.
自然全体の中で、猫は、人間と密接な関係をもって生活していながら、それと同時に、自由を失わず独特の個性を保ち続けるという問題を解決した唯一の動物である。

①「自然全体の中で」:誤差
「nature」 と「自然」は、日英語でかなりの誤差があるので訳がむずかしい(柳父章『自然とネーチャー』が参考になる)。この訳では「大自然の中においては」ととれて しまうが、原文のnatureは「人の手が加わっていない動植物・森羅万象」のこと。wholeはnatureを「まるごと」と強調する働きで、「全体」 としては語感が強すぎる。弱めた訳語をつける。

修正訳:「自然界で」

14.3例題(1)
Government can never in our large states be by the people in any true sense of the word; it may be ---and since we are democrats, should be---by their true representatives, those who represent their real interest, ①the general interest of the community.  
現代の大国家においては、政治は決して真の意味での国民によって行われることはできない。しかし、政治が国民の真の代表者、つまり国民の真の利益、すなわち社会の①一般的利益を代表する人々によって行われることは可能だし、また我々が民主主義者である以上、当然そうでなければならない。

①「一般的利益」:誤訳
「国民の真の利益」イコールとなるのだから、「一般的」というあいまいなものでなく「全体的」ととるべき。

修正訳:「全体的利益」

14.4.8
 If the people are influenced chiefly by ①public considerations, order is assured; if by private, disorder is inevitable.  
人々が主として①公的な考慮に動かされれば秩序は保証されているが、私的な考慮に動かされるときは無秩序が避けがたい。

①「公的な考慮」:悪訳
「公的」はきわめてあいまい。翻訳する以上、原文を読むネイティヴ読者と同じ理解を日本語訳の読者に与えねばならない。

修正訳:「公に基づく考え」

14.4例題
Different philosophers have formed different conceptions of the Good. Some hold that it consists in the knowledge and love of God; others in universal love; others in the enjoyment of beauty; and yet others in pleasure. The Good once defined, ①the rest of ethics follows; we ought to act in the way we believe most likely to create as much good as possible, and as little as possible of evil. The framing of moral rules, so long as the ultimate Good is supposed known, is matter for science.  
さまざまな哲学者が、「善」についてさまざまな考え方をしてきている。「善」とは神を知り愛することだと考える人もあるし、 「善」とは万人を愛することだと考える人もある。美の享受が「善」だとする人もあるし、またさらに、快楽を「善」とする人もある。ひとたび「善」が定義さ れれば、①倫理学の他の部分はおのずから帰結する。つまり我々は、「善」を生み出すことが最も多く、悪を生み出すことが最も少ないと信じられるようなやり方で行動すべきだということになる。究極的な「善」の何たるかが分かっていると考えられるかぎり、道徳律の形成は、科学的に解決できる問題なのである。

①「倫理学の他の部分はおのずから帰結する」:悪訳
語義の選択が甘い。これでは、哲学者と善と倫理学の関係が唐突で全くわからない。このethicは(1)倫理 (2)道徳 (3)価値体系、のうち(3)。

修正訳:「価値のほかの部分は自ずときまってくる」

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翻訳批評第四十二回

2009年03月16日 17時50分38秒 | 翻訳批評
14.1.3
The New World has a large and rapidly increasing population of its own and, after more than a century of abuse, ①not a little of its soil has lost or is in process of losing its fertility.  
新世界ではそれ自体の膨大な人口が急激に増加しているし、1世紀以上にもわたる酷使のあとでは、①少なからぬ土壌も生産性を失ってしまったか、あるいは失いつつある。

①「少なからぬ土壌も生産性を失ってしまったか、あるいは失いつつある。」:悪訳
not a littleが形容詞であれば「少なからぬ」でよいが(例:He has earned not a little money.彼は少なからぬ《かなりの》金を儲けた)、このlittleは「少量」という名詞(例:Will you give me a little of that wine?そのワインを少し《ワインの少量を》くれませんか)。伊藤訳では「土壌のかなりの部分」○なのか「多くある土壌」×なのかがあいまい。 fertilityは「肥沃さ」で、「生産性」とわざわざ意訳する意味はない。

修正訳:「かなりの土壌がその肥沃さを失ってしまったか、あるいは失いつつある。」

14.1.4
It is hard enough to know whether one is happy or unhappy, and still harder to compare the relative happiness or unhappiness of different ①times of one’s life.
自分がいま幸福なのか不幸なのか知るだけでも容易なことではないのに、一生の中の異なった①時代の相対的な幸・不幸を比較することは、それよりはるかにむずかしいことである。
①「時代」:誤差
個人の一生のそれぞれの期間をいうのに「時代」は大げさ

修正訳:「時期」

14.1.9
Queen Elizabeth introduced several reforms that were helpful to the nation, and guided her people step by step to prosperity and power.  
エリザベス女王は、国民のためになるいくつかの改革を導入し、①国民を一歩一歩繁栄と強国へと導いた
①「国民を一歩一歩繁栄と強国へと導いた」:悪訳
「繁栄」と「強国」は並列しない。p、pと同じ音をそろえてあるところからも、二つのことばがすんなり並ぶ訳語にすべき。 修正訳:「国民を一歩一歩繁栄と富強へと導いた」

14.1.10 You can hardly imagine a blind deaf girl holding a lively conversation, reading books, ①writing letters, and above all, ①enjoying life. But such is Helen Keller.  
盲目で耳の聞こえぬ少女が活発な会話をし、本を読み、手紙を①書いているところ、特に①人生を楽しんでいるところは、ほとんど想像できません。しかし、ヘレン・ケラーとはこういう人なのです。
①「書いているところ」「人生を楽しんでいるところは」:誤差
「ところ」「ところは」の流れがちょっと気になる。

修正訳:「書いているのを」「人生を楽しんでいるのは」

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翻訳批評第四十一回

2009年03月16日 14時15分05秒 | 翻訳批評
13.2例題(1)
He was, so far as ①I could judge, as free from ambition in the ordinary sense of the word as any man who ever lived. If he rose from position to position, it was not because he thrust himself on the attention of②his employers, but because his employers insisted on promoting him. ③He was naturally a man of creative energy, a man who could no more help being conspicuous among ordinary human beings than a sovereign in a plate of silver.
 ①私が判断しえたかぎりでは、彼はこの世に生をうけたどんな人々とくらべても普通の意味での野心がなかった。彼の地位が次々に高くなっていったとしても、それは彼が②主人に認められようと努力したからではなくて、②主人が彼を昇進させることを主張したからであった。③彼は生来の創造力が豊かで、平凡な人間の中ではどうしても人の目を引くこととなったのは、銀の皿の中の金貨と同様であった。
①「私が判断しえたかぎりでは、」:悪訳
この日本語では、時制がひとつずれてしまう。日本語では、文末を過去形にすることで、文全体が過去の意味になる。文中を過去形にすると英語の過去完了の意味にとられかねない。

修正訳:「私が判断しうるかぎりでは」

②「主人」:誤差
商店か封建制みたいだ。「地位が次々に高くなっていく」のだから、結構大きな集団(あるいはemployersと複数であるところから転職を重ねるのか)だろう。それらしく訳語を決める。

修正訳:「雇用主」→「社長」

③「彼は生来の創造力が豊かで」:悪訳
コロケーションがおかしい。「生来の創造力」とはいわない。「創造力が豊か」ともあまりいわないだろう(想像力ならいいが)。

修正訳:「生来、創造力があり」

13.3. 例題(2)
If we think we must not laugh, ①this impediment makes our temptation to laugh the greater, and the inclination to indulge our mirth, the longer it is held back, collects its force, and breaks out the more violently in peals of laughter.
 笑ってはならないと思うと、①この障害のためにかえって笑いたいという誘惑は強くなる。そしておかしさのままに笑いたいという気持ちは、長く抑えているほど力を加え、かえって大きな笑い声となって爆発する。

①「この障害のため」:悪訳
「この障害」では、どこか身体的欠陥があるみたいだ。

修正訳:「そのため」

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翻訳批評第四十回

2009年03月12日 14時53分42秒 | 翻訳批評
13.2.9
In history ①things do not happen suddenly and without preparation any more than they do ②in nature.
 歴史の中で①事件が突然、準備もなく起こるものでないのは、②自然の場合と [自然の中で]①事件がそういう形で起こるものでないのと]同じである。

①「事件」:誤差
thingsは意味範囲の広いことばだが、「事件」とすると「自然」との釣り合いがとれなくなる。「物事」と広めにしたほうがよいだろう。

修正訳:「物事」

②「自然の場合と[自然の中で]」:誤差
(A)を納得させる例えとして(B)を持ち出している。形からは、ここ二つに読める。
(1)(A)In history things do not happen suddenly and without preparation. (B)In history things do not happen in nature.
In historyは全文に掛かりsuddenly and without preparationとin natureが対照されている、代動詞doはhappenを受ける、と読む場合。
(2)(A)In history things do not happen suddenly and without preparation. (B)
Things do not happen suddenly and without preparation in nature.
代動詞doはhappen suddenly and without preparationを受け、in historyとin natureが対照させている、と読む場合。
in natureが「自然に」の意味にとれるなら、(1)でよかろうが、これは無理。(2)が正しく、「歴史の法則」と「自然界の法則」が対置されている。伊藤訳の読み方は間違っていないが、訳が少し舌足らず。

修正訳:「自然界の場合と」

13.2.10
The nuclear test ban treaty is no more than a beginning step toward the ①general and complete disarmament.
核実験禁止条約は、①一般的な完全軍縮への最初の歩みにすぎない。

①「一般的な」:誤訳
「一般的」では、「専門的」に対するかのようだ。
ここは「部分的」にたいする「全面的」「全般的」の意味。

修正訳:「全面的な」

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翻訳批評第三十九回

2009年03月11日 17時35分36秒 | 翻訳批評
13.1.4
The world-wide progress of countries toward independence is nowhere more evident than in Africa today.
 ①全世界にわたって国々が独立へ向かって前進していることが、現代のアフリカほど明瞭な所はない。

①「全世界にわたって国々が独立に向かって前進していること」:悪訳
「全世界にわたって」では、「アフリカの独立地域が、世界中に広がっている」みたいだ。world-wideは「世界中に及んでいる」。progress は「前へゆく動き」のことだが、この場合、「前進」より「成り行き」「進展」とするほうが収まりがよいだろう。また、ここのcountryは「自然・文 化・民族などの意味で一帯の地域」を言っているのに対して、日本語の「国」は「独立している」を含意するから、訳語に工夫が必要。

修正訳:「世界中に及んでいる独立への諸国・諸地域の進展」→「諸地域で独立を目指している世界的な傾向」→「全世界に及んでいる独立を目指す動き」

13.1.7
We indeed hear it not seldom said that ignorance is the mother of admiration. A falser word was never spoken, and hardly a more mischievous one.
賞賛は無知から生まれるという言葉を①耳にすることが事実まれではないが、これほどまちがったことが言われたことはないし、またこれほど有害なことが言われたことも少ない。

①「耳にすることが事実まれではないが、」:悪訳
このindeedは、「事実」(現に)でなく強調「実に」。not seldomは、「まれでない」(割とある)ではなく、否定の否定→強い肯定「しょっちゅう」。

修正訳:「実にしょっちゅう耳にするが、」

13.1.12
I think I may say that I understand ①the nature of life on this earth as well as any (other) man now living.
 私は①この地上での生活がどんなものか、いま生きている誰にも劣らず理解していると言ってもよいと思う。

①「この地上での生活」:誤訳
「地下の生活」または「天上の生活」と比べているのだろうか? the nature of lifeを「生活」とするのは如何か(それならlifeだけでよいはず)。このlifeは「人間も含めた動植物(生きとし生けるもの)」→「命あるもの」 →「生命」、natureは「本質」ととるべきだろう。

修正訳:「生命の本質」

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翻訳批評第三十八回

2009年03月11日 12時29分02秒 | 翻訳批評
12. 1例題(2)
It has so often been said that the English (though not the Scots, the Welsh, or the Irish) are an inartistic and unimaginative people, that the English have themselves come to believe the accusation. They are told that they have no vision, that they are more concerned about their pockets than about their minds and souls. Since they are a modest and a docile people, full of self-distrust and slow to give offence, ①it seldom occurs to them to point out that the English have had not only the greatest poet of all time but also more great poets than all other countries put together . イングランドの人間(スコットランドやウェールズ、アイルランドの人間はそうではないが)は、芸術性に乏しく想像力を欠く民族であると言われることがこれ まであまりに多かったので、イングランドの人間自身もその非難が正しいと信ずるようになってきている。彼らは人から、ビジョンがなく、精神や魂のことより も財布の心配をすることが多いと言われている。彼らは穏健でおとなしい民族で自己不信に満ち、なかなか人を怒らせないので、①めったに口に出そうとは思わないが、イングランドからは古今を通じて最も偉大な詩人が出ているばかりでなく、他の国々をすべて合わせたよりも多く偉大な詩人が出ているのである。

①「めったに口に出そうと思わないが、イングランドからは古今を通じて最も偉大な詩人が出ているばかりでなく、他の国々をすべて合わせたよりも多く偉大な詩人が出ているのである。」:悪訳
強調の方向が逆になっている。

①修正訳:「イングランドからは古今を通じた最も偉大な詩人が出ているばかりでなく、他の国々をすべて合わせたよりも多く偉大な詩人が出ていることを、めったに口に出して言おうと思わない。」

12.2.4
The leaves are now so thick that ①one does not see so many birds as one hears.
今では木の葉が茂っているので、①耳に聞こえるより目に入る鳥の数のほうが少ない

①「耳に聞こえるより目に入る鳥の数のほうが少ない」:悪訳

これも強調の方向が逆になっている。

①修正訳:「耳に聞こえるほど目に入る鳥の数は多くない」

12.2.8
We never believe we areas fat or as thin and bony as other people say we are. 他人が言うほどには自分は①太っていない、またはやせて骨ばってはいないと我々は信じている。

①「太っていない、またはやせて骨ばってはいない」:悪訳
「または」では「太っていない」か「やせて骨ばっていない」のどちらか、ととられかねない。
ここ単純化すれば、We never believe we are fat or we are thin.つまりnot A or Bの変形で「AでもBでもない」

① 修正訳:「太ってもやせて骨ばってもいない」

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翻訳批評第三十七回

2009年03月10日 17時39分26秒 | 翻訳批評
12.1.3
Effort is as precious as, and perhaps more precious than, ①the work it results in. 努力は、その成果として生まれる①仕事と同様に、いやおそらくそれ以上に貴重なものである。

①仕事:誤差
「仕事」では抽象的すぎる。このworkは(結果として生じた)「成果物」「作品」。前の、成果として、に合わせて訳語を考える。

修正訳:「もの」


12.1. 11
For some of us ①when young it does not seem so important that we should be successful in a worldly sense as that we should try and become our true selves.
我々の中には、①若いとき世間的な意味で成功することは、真の自我を実現しようとすることとくらべた場合、重要でないと考える者もある。

①「若いとき」:悪訳
「若いときの成功は重要でない」と読めてしまう。「若いときには、世間並みの出世などどうでもいいと思っている」という意味が正しく伝わる訳にしなければならない。

修正訳:「若いときには、」


12. 1. 12
We are for the most part more ①lonely when we go abroad among men than when we stay in our chambers.
たいていの場合、我々は、外に出て人々の中にいるときのほうが、自分の部屋にいるときよりも①孤独である

①「孤独である」:誤差
たまたま知ったのだが、この原文がソローの『森の生活』であることからしても、lonelyは「孤独」より「さみしい」のほうが訳語としてよいだろう (lonely、alone、solitudeが微妙に違った意味で使われている)。「孤独」は、必ずしもさみしさを含意しないことがある(英語の solitudeもそう)。例えば漢詩「独り座す幽篁のうち琴を弾じまた長嘯(口偏に蕭)す。深林人知らず名月来たりて相照らす」(竹里館、王維)は、孤 独の楽しさを詠っている。

修正訳:「さみしいものである」


12.1.13
If you are walking over ①a chasm on a narrow plank, you are much more likely to fall if you feel fear than if you do not.
深淵にかかった狭い板の上を歩くときは、恐怖を感じない場合よりも恐怖を感ずる場合のほうが落ちる可能性ははるかに大きい。

①「深淵」:悪訳
「深淵」では抽象的。chamが可算名詞化されていることに注目。

修正訳:「谷あい」


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翻訳批評第三十六回

2009年03月06日 14時29分00秒 | 翻訳批評
11. 3. 3
A great deal of ①the bad writing in the world comes simply from writing too quickly.
世間の①悪文の大部分は、速く書きすぎることだけから生ずるものだ。

①「悪文」:誤差
the bad writingは、広義で(1)悪文(論理が通らなかったり、不完全だったり、やたらと難解な言葉を使ったり、といった)  狭義で(2)悪筆、と幅が広い。ここは(2)ととったほうが自然ではないか。「悪文」とはっきりさせたいなら、poor writingとでもなろう(poorは、品質の劣る)。

修正訳:「悪筆」


11. 3. 12
A good dictionary is a guide to usage ②much as a good map tells you the nature of the terrain over ①which you may want to travel.
すぐれた辞書が言葉の使い方への指針となるのは、よい地図が①旅行したくなることがあるかもしれぬ地方の地形を教えてくれるのと②ほぼ同じである。

①「旅行したくなることがあるかもしれぬ」:誤訳
この日本語では、「これから旅行をしたくなる可能性がある」と未来のことにとれる。want は基本的には状態動詞なので、現在のことをいう。mayはこの場合、話者の推量(話者がyouのことを、そのようだと判断している)。
修正訳:「旅行したいと思っているかもしれない」→「旅行したく思っているような」

②「ほぼ」:誤差
完全に同じではないが、ほとんど同じ、ということ。「ほぼ」では、語感がそれよりずっと弱くなってしまう。

修正訳:「ほとんど同じ」


11. 3. 14
The matter is rightly left in England to ①the good taste of writers.
英国ではその問題は正当にも、作家の①良識にゆだねられている。

①「良識」:誤訳
good tasteは「センス」の意味。ややこしいが「良識」は、good sense。

修正訳:「センス」


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翻訳批評第三十五回

2009年03月05日 17時30分16秒 | 翻訳批評
11. 2例題
During the war, Stephen’s grandmother was evacuated to an hotel near Oxford, where she lived much the same life as in London, often cleaning out her own room, and in winter ①distressing everyone by her unwillingness to have a fire. Once, on a bitterly cold winter’s day Stephen went to visit her. She was at the bus stop waiting for him in the snow, when he arrived. They walked to the hotel, but turned back when they had got there, to spend half an hour fruitlessly searching in the snow ②by the path on which they had come, for one of her mittens, which she had let fall.
戦争中スティーブンの祖母はオックスフォードの近くのホテルに疎開して、そこでロンドンにいた時とほとんど同じ生活を送り、たびたび自分で部屋をきれいに掃除し、冬には暖炉に火を入れることをいやがってみんなを①悩ました。ある時、ひどく寒い冬の日に、スティーブンは祖母を訪ねていった。彼が着いた時、祖母は雪の中をバスの停留所で彼を待っていた。彼らはホテルまで歩いたが、ホテルに着くと引き返して、祖母が落とした片方の手袋を見つけるために、2人が通ってきた②道のそばの雪の中を半時間もむなしく捜しまわった。

①「悩ました」:悪訳
口語ならこう言うこともあるかもしれないが、書き言葉ではキチンとした言葉遣いにしなければいけない。

修正訳:「悩ませた」

②「道のそばの」:誤差
by the pathは、(1)形容詞句としてthe snowに掛ける(byは「側の」) (2)副詞句としてsearchingに掛ける(byは「沿って」)、二つが可能。だがここは停留所からホテルまで の間をあてどもなく探し回るわけだから、(2)ととるのが順当。

修正訳:「道に沿って」


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翻訳批評第三十四回

2009年03月04日 15時51分54秒 | 翻訳批評
11.1例題(1)
We Americans are ①traditionally a ②hopeful people. For most of us ③the sense of emptiness is not a permanent mood. ④Deep down in our hearts, in spite of frightening ⑤evidence to the contrary, we refuse to believe that our era represents the end of rational life. Most of us ⑥are following the psychologically healthy course, going on with our customary work, planning, as normal men must, for a better, happier future.
我々アメリカ人は①伝統的に、②希望にあふれた国民である。大部分の者にとり③空白感は永続する気分ではない。おそろしい⑤反証があるにもかかわらず、我々は現代が理性的生活の終末を示していることを④奥深い心の中では信じようとしない。大多数の人は⑥心理的に健全な道をたどって、日常の仕事を続け、普通の人間であればそれが当然だが、よりよくより幸福な将来を目ざしている。

①「伝統的に」:誤差
traditionalとくると「伝統的に」と訳してしまうのが受験英語のくせ。十年前から近所にあるバーでも英語ではtraditional barということがある。つまり「従来からの」と訳したほうがよい場合が結構あるのだ。例:E-mail actually is super competitive with traditional communication methods.(Eメールは今従来の通信手段と激しい競争をしている)

修正訳:「元々」

②「希望にあふれた」:誤差
接尾辞-fulは(1)性質 (2)可能性 (3)状態、を示す。「希望にあふれた」は意味があいまいだし、「国民」とつながりにくい。ここは(1)。

修正訳:「楽天的な」

③「空白感」:誤差
何が空白なのか、と思われてしまう。「空虚感」としたいが、言葉として確立していないので、砕いた訳語にする。

修正訳:「空しさ」

④「奥深い心の中では」:悪訳
日本語があいまい。
ふつう、副詞+前置詞句は、副詞が大状況(おおまかな場所)、前置詞句が小状況(具体的な場所)を示す。例:She is out in France.(国の外にいる→フランスに。「彼女は滞仏中だ」)。だがここでは、deep downがイディオム化し、「…の下深く」。例:One translucent shrimp hovering deep down in the beautiful green water(美しい緑の水の中深く、漂よっている半透明の小エビ)

修正訳:「心の奥底では」

⑤「反証がある」:誤差
to the contraryは「それと反対の」だから「反証」(evidence to the contrary)としたのだろうが、ちょっとわかりにくい。意訳する。

修正訳:「証拠が示されている」

⑥「心理的に健全な道をたどって」:誤差
ちょっとわかりにくい。このhealthyは「(精神的に)有益な;自然の」(normal and sensible)の意味。
修正訳:「健やかな心で人生の道をたどり」


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翻訳批評第三十三回

2009年03月03日 18時05分02秒 | 翻訳批評
10.3. 5
In the eighteenth century, a new attitude of mind was spreading among ①thoughtful people which was to influence every aspect of life.
18世紀には①思想家の間に新たな精神的姿勢が広まり、それが生活のあらゆる面に影響を及ぼすこととなった。

①「思想家」:誤差
「思想家」では、専門家のようだ。「思索にふける傾向のある人々」とわかるような訳語が望ましい。

修正訳:「思慮深い人々」


10.3例題
The will to learn seems capable of triumphing over ①the most astonishing obstacles. It can triumph over fatigue. There is abundant evidence that one can go on and on with the most exacting mental tasks with astonishingly little decline in efficiency. Even after a job of work has become acutely distasteful, it still remains possible to go on doing it well. Indeed, ②the suggestion has been made in highly responsible quarters that there is no such thing as mental fatigue at all, in the sense of sheer inability to produce any more results as a consequence of continuous work. When we want to stop we soothe our consciences by saying that we can’t continue.
学ぼうという意志があれば①最も驚くべき障害にも打ち勝つことができるように見える。意志は疲 労を克服することもできる。多くの証拠によれば、最も骨の折れる仕事をいくら続けても、能率が低下せずにいられるのは驚くほどである。ある仕事がひどくい やになったあとでも、なおそれを立派にやり続けることは可能である。それどころか、きわめて信ずべき筋の②発言によれば、仕事を続けたためにこれ以上成果を生み出すことがまったくできなくなるという意味での精神的疲労などまったく存在しないと言われている。休みたくなると我々は、これ以上は続けられないと言って良心を慰めるのである。

①「最も驚くべき障害」:誤差
これは比較の対象を含意しない絶対最上級。

修正訳:「どんな驚くべき障害」

②「発言」:誤差
「きわめて信頼すべき筋の」ときたら「言」と続くのがふつうだろう。

修正訳:「言」


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翻訳批評第三十二回

2009年03月02日 18時46分45秒 | 翻訳批評
10.1例題(1)
The very bigness of America has an importance in the formation of its tradition which it is not easy to overestimate. ②It creates the belief that America is different, is somehow exceptional, that there is reserved for its citizens another destiny from that which is to befall the Old World.
アメリカの伝統の形成には、アメリカの大きさそのものが重要であって、この重要性はいくら重視してもしすぎることはない。②そこからは、アメリカは他国とは違っており、なぜかは知らぬが例外的な国であって、旧世界に降りかかることになっている運命とは別の運命がアメリカ人を待っているのだという②信念が生まれてくる

①「アメリカの伝統の形成には、アメリカの大きさそのものが重要であって、」:誤差 「形成には」は「重要」に連なることとなり、コロケーションが悪い。またimportanceが可算名詞化されているので、重要性がいくつかあるうちの一つを示唆する訳にすることが望ましい。

修正訳:アメリカの伝統を形成する上で、アメリカの大きさそのものが重要な要素となっており、」

②「そこからは…信念が生まれてくる」:誤差
英単語は多義であり、また幅が広い。beliefは、「信念」から「考え方」までの幅がある。ここ「信念」では強すぎるので、弱めた訳語にする。

修正訳:「そこから…強い思いが生まれてくる」


10.2. 1
How can a united nation arise in ①a country which is larger than the European continent exclusive of Russia,① with a people of such diverse background and a history so short?
ロシアを除いたヨーロッパ大陸よりも大きく、①かくも多様な背景を持つ国民とかくも短い歴史しか持たぬ国に、どうして統一国家が誕生しえようか。

①「かくも多様な背景を持つ国民とかくも短い歴史しか持たぬ国に、」:悪訳
「国民」と「歴史」を並列させるのは、悪しき日本語。動詞を加えて、並列を自然なものとする。

修正訳:「かくも多様な国民がいて、かくも短い歴史しか持たぬ国に、」


10.2例題
There is no creature with which man has surrounded himself that seems so much like a product of civilization, so much like the result of ①development on special lines and in special fields, as the honey-bee. Indeed, a colony of bees, with their neatness and love of order, their division of labor, their public-spiritedness, ②their thrift, and ③their complex economies, seems as far removed from a condition of rude nature as does a walled city or a cathedral town.
人間が身近に飼っている生物の中で蜜蜂ほど文明の所産らしく思われるもの、①特殊な方面や特殊な分野での発達の成果らしく思われるものはほかにない。それどころか、蜜蜂の集団が整然として秩序を愛し、分業を行い、公共心に富み、②倹約であり、③複雑な有機的組織を持っているのを見ると、それは城壁をめぐらした都市や大寺院のある町と同様に、未開の自然状態をはるかに脱却しているように思われる。

①「特殊な方面や特殊な分野での発達」:誤差
lines(方面)とfields(分野)は同義語反復で、訳しわけに苦吟するには及ばない。specialは(1)特別の (2)独自の、のうち(2)。方向性からしても領域からしても、独特の発展をした、といっている。

修正訳:「自己の領域を独特なものに発展させた」

②「倹約であり」:悪訳
「集団が」は「倹約であり」に連なるが、コロケーションが悪い。

修正訳:「倹約を旨とし」

③「複雑な有機的組織」:悪訳
「有機的組織」といって理解できるものだろうか。このeconomyは、秩序を維持する仕掛け、のことだろう。

修正訳:「複雑な機構」


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翻訳批評第三十一回

2009年03月02日 17時41分18秒 | 翻訳批評
10.1. 4
Its purposes are to develop friendly relationsamong all nations based on the principle of equal rights and duties.
それの目的は、①すべての国の間に、平等な権利義務の原則に基づく友好的関係を発展させることにある。

①「すべての国の間に」:誤差
「間に」では「発展させる」に連なることになり、コロケーションが悪い。

修正訳:「すべての国の間での」


10.1. 11
There is no better opportunity than that given by daily conversation for  ①improving the quality of speaker’s thought and speech.
話し手の①思想や言葉を高めるための機会としては、日常の会話によって与えられる機会にまさるものはない。

①「思想や言葉を高める」:誤差

「思想」と「言葉」の並列は不自然。また「高める」とのコロケーションが悪い。大上段すぎる「思想」、月並みすぎる「言葉」のレベルをそろえるのがよい。

修正訳:「思考力や発言力を磨く」または「考える力や話す力を高める」


10.1. 12
There is this remarkable difference between men and animals: that the latter are governed by nothing but their instinct and have very little ①perception of past or future.
人間と動物の間には次のような顕著な差異、つまり後者は本能のみによって支配され、①過去や未来について知ることはほとんどないという差異がある。

①「過去や未来について知る」:誤差

「知る」の訳語があいまい。perceptionの意味「或るものの性質をはっきりと理解すること」を出さないと、説得性に欠ける。

修正訳:「過去や未来を認識する」


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翻訳批評第三十回

2009年02月27日 17時58分12秒 | 翻訳批評
9.2.3
Parenthood ①is capable of producing the greatest happiness that life has to offer.
親であることは、人生が与えうる最大の幸福を①くれることができる

①「与えてくれることができる」:悪訳
「与 えてくれることができる」はおかしな日本語。「誰に与えるの」かも不明確。元訳を少し変えるなら、「親になることは、人生が与えうる最大の幸福を人に与え てくれる」とでもしたい。直訳にしようか意訳にしようか頭の中ではっきりしないまま訳をつけた、という感じ。直訳ならば、修正訳のようになろう。

修正訳:「生み出すことができる」

9.2.9
The thing about her which  I ①knew I would never forget  was the look in her eyes.
彼女のことで、決して私が忘れないと①分かっているのは、彼女の目つきだった。

①「分かっているのは」:悪訳
動 詞がいくつか並ぶ過去の叙述についての訳は、ふつう文末だけを過去形にすればよいのだが、ここはknewを過去形で訳さないと「今わかっている」ように読 めてしまう。それで「わかっていたのは」とすれば、状態動詞knewを正しく訳したことになるが、どうも強い感じになるので、修正訳のようにしたい。

修正訳:「思ったのは」

9.3.9
  While the citizens of Great Britain and Northern Ireland are British, so are the citizens of other members of the British Commonwealth, ①outstanding among  which are Canada, Australia, and New Zealand.
グレート・ブリテンと北アイルランドの国民もブリティッシュであるが、他の英連邦構成国の国民も同様である。①他の構成国の中で特に目立つのは、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドである。

①「他の構成国の中で」:誤差
その前の文で挙げられた以外に構成国があるわけではない。

修正訳:「それら構成国の中で」


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翻訳批評第二十九回

2009年02月26日 21時33分09秒 | 翻訳批評
9.1.1
I know no statesman in the world who with greater right than I can say that he is the representative of his people.

自分が国民の代表であると、私よりも大きな権利をもって言うことのできる①政治家を私は世界中に知らない

①「政治家を私は世界中に知らない」:誤差
あまりにも直訳的。I know that ~ の形で、「~という事実に気づいている」「~ということをはっきり自覚している」の意味。
ここ、文の骨子はI can say with the greatest right that I am the representative of my people.

修正訳:「政治家は世界中にいないはずである」

9.1.2
The modern American schools provide the young of all classes with ①the common background that in an old, rural society is providedby tradition, by the daily life in each community.

現代のアメリカの学校はあらゆる階級の若者に①共通の生活体験を与えているが、それは昔の農村社会であれば、②伝統によって、つまり、それぞれの地域社会の日常生活によって与えられるものなのである。

①「共通の生活体験」:悪訳
このbackgroundは、「基礎知識、素養」の意味。例:have a background in music(音楽の素養がある)。

修正訳:「共通の素養」

②「伝統によって」:誤差
「伝統」では抽象的すぎて、「つまり」以下に続かない。もう少し具体的な訳語を選んだほうがよい。

修正訳:「しきたりによって」


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