去る5月24日、NPO埼玉教育ネット主催の淑徳巣鴨高校の学校説明会に参加してきました。
「私立高校にはそれぞれ建学の精神があり、それぞれの学校に個性があると思います」
淑徳巣鴨高校の夘木校長先生は、こう言って説明を始められました。
私立高校にはそれぞれその学校を開いた方の思いがあります。
それが建学の精神となり、その学校の根本になっていきます。時代に応じて教育の仕方や方法論は変わってはいくとは思いますが、その学校の個性となるものは、建学の精神にあるといっていいと思います。
それ故に、私立高校は個性的な学校が多いと思います。
偏差値などの数字だけで選ぶことの弊害はここにあります。
その学校が何を目指しているのかを知らないで入学すると、
自分の個性や目指すものとのミスマッチが起こることがあります。
だからこそ、説明会などに参加して、数字だけでなく、その学校の"根本"を知ることが大切なんだろうと思います。
淑徳巣鴨は、最近は生徒数も進学実績も伸びてきている高校と聞いていましたので、私も、
「どんな個性のある学校なんだろうか?」
と、夘木校長先生の言葉に注目していました。
ほぼ初めてに近い形で淑徳巣鴨を訪ねた私に、夘木先生がお話された淑徳巣鴨の個性、
それは、「気づきの教育」という新しい視点の教育方針でした。
自分の良さに気づく、
毎日、たくさんの人に支えられていることに気づく、
そして、それらの人・社会に対して自分の良さを生かして何ができるか、
そういったことが「気づきの教育」の根幹にあると感じました。
考えてみれば、私達は本当に何にも気づいていないのだと思います。
自分の良さも、社会がたくさんの人によって支えられていることも、遠くの国での戦争が自分たちの生活にも影響を与えかねないことも。
一番身近な自分がどんな人であるかに気づくことで、自分を通して社会を見、それをさらに外へ広げていく、そうやっていろんなことに"気づいて"いく、
そのように近くから遠くへと視点を広げていく、それが気づきの教育の目指すところなのかなと思いました。
気づきの根幹は”ほめる”ことにあるということです。
そうすることで、自らの可能性に気づき人は成長していく、
そのようなお話が私にはとても印象に残りました。
↑屋上庭園からの眺め。訪れた日はとても良い天気で、5月の風がとても心地よかったです。(パノラマで撮影)
ややもすると、私たちは常に自分に対してもマイナスのメッセージを送り続けてしまうのかもしれません。
そうなれば必然的に、周りのを見る目もマイナスが主体になってしまいます。
けれど、自分の良さに気づき、可能性を見つけられれば、
自分に対しても、周りに対してもプラスのイメージで物事を見ることができるようになる、
そんな風にも感じました。
この「気づきの教育」の成果は、入学者数や進学実績にも少しずつ表れているように思います。
決して数字だけを追うのではなく、学校の個性を通して生徒さんをの個性を磨いていく学校、
そんな学校であるとの印象を胸に、淑徳巣鴨高校をあとにしました。
*校内の写真は、学校の許可を得て撮影しています。