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大学進学の実績が変わるかも?

先日の新聞で、2020年からの大学入試改革についての記事が出ていました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170516-OYT1T50155.html

英語の民間の検定試験の活用や記述問題の導入など、様々な改革がおこなわれていきますが、そういった中で私が注目をしたのは「AO入試や推薦入試でも学力試験を導入」という部分です。

高校を選ぶときに最近よく聞かれるフレーズが、「大学進学は推薦で」という言葉です。
いま高校受験で苦労をしている生徒さんにとっては、大学入試でまた同じような苦労をするということを、できれば避けたいという風潮もあるように思います。また、指定校推薦などは学科試験がないことや、進路決定がわりと早い時期であるということも、推薦入試が人気の秘密だと思います。中には、指定校推薦などの実績をその高校の“売り”としている高校もあり、大学への進学のしやすさという点でのPRポイントとなっているようにもおもいます。

ところが、もし2020年度から推薦入試やAO入試にも学科試験が導入されたら、この構造が大きく変わってきてしまうような気がします。いままでは定期テストをしっかりとやっていれば、部活を一生懸命やっていても指定校推薦などで大学へ行くことができました。

しかし今度から、もしこうした指定校推薦を含む推薦に学科試験が課せられたら、部活をギリギリまでやっている余裕はなくなってきてしまうのかもしれません。たとえ推薦でも一定以上の学力を要求され、学力テストをクリアしなければならないとなると、本当の文武両道ができないと、大学進学はかなりきつくなってくる、そういえるような気がします。

高校の中にはこういった推薦制度を活用することで進学実績をあげ伸びてきた高校もあります。定期テストをしっかりとやっておけば、部活に思いっきり取り組むことができる、そして推薦で大学へという青写真を提供されて、それに心を動かされて進学した生徒さんもたくさんいるように思います。

2020年以降の大学入試改革が実行された場合、このモデルは成り立つのかが不透明な気がします。定期テストの内申点だけではなくて、外部の試験が入るとしたら、やはりそれに向けた学習は必要になってくると思います。「部活を一生懸命やっても、推薦で大学へいける」という青写真は、もしかしたら崩れてくるのかもしれません。

2020年大学入試は、ちょうど現在の中学3年生の学年にあたります。これから高校を選ぶ皆さんは、あたりのことをしっかりと確かめた上で高校選びをする必要がありそうです。同じ進学率でも、それは推薦入試がメインの実績なのか、一般入試がメインの実績なのか、そこが大切なポイントになると思います。

もし、推薦がメインだったとするならば、2020年以降に入ってくる推薦試験に加わる学力検査に対応できうる学校かどうかをしっかりと確認する必要があります。推薦入試を駆使して伸びてきた学校は、特に要注意ですね。一般入試をメインに据えた学校と違い、学力試験に対するノウハウがない可能性もあるからです。そういった高校は、推薦入試に学力検査が課せられると失速する可能性もあると思います。

これから高校の説明会が始まってきます。受験生の皆さんや保護者の皆さんは、高校へ入れるかどうかが最大の関心事だと思いますが、個別相談などでは、大学入試への対応もしっかりと聞いたほうがよいと思います。ここで、2020年に向けてしっかりとした方向性を聞くことができるかどうか、今年はそこも高校選びの1つの重要なポイントになると思います。
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