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変わりつつある志望校の選び方

昨日までの私立高校訪問で、いろいろと気づかされたことがあります。
入試担当の先生とお話をしていると、「志望校の選び方が変わってきている」
そんなことをとても感じることができました。

志望校選びといって最初に思いつく指標はなんでしょうか?
やはり偏差値と答える人が多いと思います。
これは実際のところ、今でも一番であることは変わりはないと思います。

そして次が進学実績でしょうか。
東大に入った数、早慶上理やG-MARCHに入った人数、
在籍・卒業生の成績の伸び具合の推移など、
進学や学習に関する指標、このあたりが2番手に来るように思います。

進学実績による高校選びは、私立高校の地位を確立してきたといえると思います。
ライバルは公立高校。公立高校を考える人に対して、特待や進学実績で猛追した結果、
今の私立高校の地位が確立してきたということができると思います。

そして、この偏差値と進学・学習実績については、
埼玉県の私立の場合、かなり横並びになってきてのも事実です。
どこの私立高校も偏差値は高いほうで横並びになっていき、
進学実績もどこも良いという感じになってきました。
これによって、対公立高校というよりは、新たに私立高校間での“戦い”が始まった、
そんな気が今年になってから特に顕著に感じます。

そう感じるのは、
志望校を選んだ理由に、その学校の取り組みを挙げる人が増えてきたからです。
ICT、学び合い、アクティブラーニング、イマージョン授業、
インターナショナル・バカロレア、少人数制クラス、習熟度別学習などなど、
進学実績が良いのは当たり前として、その方法や学校で学べる勉強以外のこと、
そこに注目が集まってきた1年間だったと思います。

来年以降がどうなるかはまだ分かりませんが、この流れは2020年に向けて
さらに加速していくのではないかと思います。

いわゆる偏差値が高く、今の進学実績が良いことに胡坐をかいている学校は、
様々な新しい新興の進学校が繰り出す新しい取り組み対してどのように反応するのか、
来年はそのあたりも注目が集まってくるのではないかと思います。

個人的な感想では、2020年を境に“進学校の定義”も変わってくると見ています。
今のような偏差値の高い子を集めて一斉に授業をしていくということが、
だんだんと成り立ちにくくなってくるようにも感じています。

そんなときに、いま新たな取り組みを始めた高校が新興勢力となり、
いま進学校として胡坐をかいている高校を打ち砕いていく、そんなことが起るかも、
個人的にはそんなことを考えています。

学力の定義が大きく変わってくる中、
偏差値と進学実績だけにこだわる進路選びに
だんだんと意味がなくなってくるように気もします。

高校として、
どのような力を生徒さんにつけさせるのか、
どんな経験を積むことができるのか、
どんなスキルを身につけられるのか、
そのようなことで志望校を選ぶ時代も近づいてきているのではないかと思います。

今年から来年へは過渡期にもあたります。
高校入試は問題も変わってきます。
また、学力の定義も徐々に新しいものに移行していきます。

そのようななかで、私立高校としてどのような魅力を打ち出していくのかで、
ますます各高校の“個性化”が進むように感じられます。

高校は、その高校が持つ“個性で選ぶ時代”
そんな時代は、意外ともうすぐなのかもしれません。
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