flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

久保山古墳

2016-06-11 00:00:00 | いにしえびとの睡

(お茶屋池古墳 愛媛県今治市唐子台 1991年7月20日)
 この古墳を訪れるとき、正確な位置が分からなかったため、地理地形に詳しいであろう付近にあった測量事務所を訪ねた。対応してくれた人は我が家の親戚である医師と同級生であることが分かり、様々な話が弾んだ。古墳の位置も分かり、早速現地を訪れる。古墳のあった高台の端に喫茶店が建っているということであったが、既に廃業していた。古墳の範囲の一部は整地され平らとなり、周囲はブロックで覆われていたが、古墳の土砂自体は散逸していないようであった。全長49m,高さ4mの前方後円墳であり、竪穴式石室から珠文鏡、神獣鏡、鉄剣の各片が採集されている。外部施設として円筒、朝顔形、家形埴輪があり、5世紀中頃と推定される。古墳の麓の、かつて「お茶屋池」があった場所で耕作をする人に尋ねてみたところ、「あの古墳の土地は、うちの親戚が所有していたので、唐子台の宅地開発を免れたが、その後うちが発掘に参加し、写真も多数撮影した。数年前に喫茶店を建てるために整地した」と語り、「最近親戚が賭け事で土地を失ったので、この先どうなるか分からない。勿体ないことをした。昭和42年に愛媛県に文化財指定を要請したが受け入れられなかった」と話してくれた。
 後円部側から石室石材が二枚みられる
 前方部


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