flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

香芝

2007-05-01 00:00:38 | 街道・宿場町
(奈良県香芝市)
 母の実家が大阪天王寺の家を引き払った後移り住んだ地、かしば。
母が亡くなってから、父とはやりとりが無くなったようで、詳しいことはわからない。
 大阪のベッドタウン化が進み、日本有数の人口増加率となったこの地。先に人が増え、受け皿が間に合ってない感があった。
故に狭い旧道が幹線道路として残り、旧下田村で伊勢街道、當麻街道が交わっていた往時の風情を随所に残す。
街道沿いには鹿嶋神社があり、「かしま」が「かしば」に訛ったのではないかという説があるという。
またこの地は万葉集に出てくる、二上山(ふたかみやま・にじょうざん)を仰ぐところであり、ふたかみ文化センターの一室に、それにちなんだ歴史を紹介した二上山博物館がある。
訪れると、ボランティアの解説の方ニ名が説明してくださり、噴火によって出来上がった二上山のこと、それによって産出されたサヌカイトを使って石器がつくられ、畿内、東海地方に伝えられていったこと、また古墳時代から奈良時代にかけて、都に準ずる程の権力の跡みられる遺跡を残していること等を紹介してくださった。
この地が古くから豊かだったのは、古来サヌカイトを、それ以降は金剛砂(柘榴石の砂)という磨き砂(後のサンドペーパー)を産出したこの地の繁栄を現したものかもしれない。
然し、豊富な歴史を持つ地ながらも、歴史散策、観光面に関しては些か立ち遅れている感があり、これからの整備が望まれる。
 何れにせよ、改めて訪れる価値のある地であると感じた。
   
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