手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

極ろう派

2015-11-19 00:53:44 | 手話
いつもながら俺の造語なんで、世間一般では通用しません。

ろう者は連帯意識が強い。そのこと自体はいいことだと思う。
まとまって動かないと、政治や行政を動かすことはできへんしね。

ただ、連帯感が高じて排他的になっている人達がいる。
この人達のことを「極ろう派」と読んでいる。
極ろう派は聴覚障害者を「ろう者」と「難聴者」に分類する。
日本語対応手話を使う聴覚障害者は難聴者とされる。
極ろう派に言わせると、「難聴者は仲間ではない」ということになるし、彼らにとっては手話通訳者も仲間ではない。

極ろう派、嫌いではない。
頑固な人間には好感を持つ。俺自身、頑固やから(笑)

ただ、他人を否定する姿勢はあきまへんな。

時々ろう者と喧嘩するけど、その多くは極ろう派である。
大事な喧嘩友達や(笑)





手話通訳に関する質問への回答/先輩通訳者の助言

2015-11-18 01:02:17 | 手話
個別の質問には答えられないが、今日は「よくある質問」に対する回答を書かせてもらお。

手話の勉強方法とか、通訳現場で発生した問題への対処など、自分で考えてもどうしていいか分からず、先輩通訳者に質問することもあるだろう。
質問できる人は幸せだ。わしらの世代は質問どころか、手話を学ぶ場所なんかほとんどなかったんやで。
ま、それはさておき。

「通訳者Aはこう言うし、通訳者Bは全く違っていて、こんなことを言う。
質問して、ますますわからなくなりました。たいしさんはどう思いますか?」

自分で答えを出さなあかん。質問できる人が二人もおって、よかったやんか。
考え続けること。悩み続けること。それが、手話通訳者の仕事や。
自分の中で答えが出ても、それで終わりやない。
これでいいのか、と常に考え続けること。
自分で出した結論であっても、先輩通訳者の教えであっても、そこに安住してはならない。

世の中の手話通訳者に対して不満に思っていることがある。
考察が足りない。
手話通訳に対する考え方だって、時代とともに移り変わっていく。
かつて、手話通訳とは、「聴覚障害者の耳の変わりをすること」と理解されていた。
手話通訳者には自分の考えなど不要、むしろ邪魔なものだ、とさえ、言われていたんや。
それが、時代の流れと共に少しずつ変化してきた。
今では、「手話通訳者としての行動」を求められる。
「手話通訳者は、聴覚障害者の耳の変わりをしているだけではダメだ」
と考えられるようになった。

では、昔の考え方が間違いで、今が正しいのか?
そうではない。
その時代その時代の多数者がどう考えているか、ということに過ぎない。

本日現在活動している手話通訳者の中にも、
「手話通訳者の仕事はろう者の耳の代わりをすること。それ以上のことをしてはならない」
という強い信念を持っている人もいる。

「どれが正しいか」なんて考える必要はない。

自分はどう考えるか、が大切なんや。



たいしの手話表現/覚えてない

2015-11-16 07:01:12 | 手話
なあ、たいし、去年のろう協忘年会に、俺、参加したっけ?
「覚えてない・・・」

こういう会話での手話表現。
上記の返答は1動作。
手話単語に分解するなら、2つ。

「覚える」+「忘れる」

「覚える」の表現の時の動作はゆっくり。記憶をたどる感じ。
「忘れる」の表現は短く、パッと。





手話通訳者ランキング

2015-11-15 09:06:23 | 手話
もし、地元ろう協または派遣者が手話通訳者のランク分けをしたら、俺は真ん中あたりやろな。
可もなく不可もなく、平均といったところやろ。

で、数年前から地元で試験的に始まった手話通訳者指名。
誰が誰を指名した、という情報は一切シークレット。当たり前や。
でも、年間の手話通訳者派遣実績件数はわかる。
あと、申請者さんとか、派遣者側の人などから、「ここだけの話」として聞く情報。
実は、指名される通訳者はごくわずか。
地元では数名に過ぎないやろな。

ろう協や派遣者が「優秀」と認定している通訳者と、申請者さんたちから「あの人に通訳して欲しい」と支持されている通訳者、かなりズレがある。

派遣者もろう協も、よく考えて欲しい。
極端な言い方をするなら、「優秀な手話通訳者」なんかいらない。

うまい手話通訳と、わかりやすい手話通訳。
通訳者なら、わかりやすい方を大切にせなあかん。


指名してくれる申請者が年々増えてきているのは、素直に嬉しい。
しかし、視点を変えて見ると、これはいかん。
若い世代の手話通訳者が育っていない、ということやないか。

最新の知識、最新の通訳技術を身に付けている若い手話通訳者たちが、申請者から支持されるべきやろ。
そうなっていないということは、ろう協とか行政側が示している方向性に問題があるんやないか。




手話通訳活動の位置づけ

2015-11-14 21:44:04 | 手話
手話通訳活動歴、およそ30年。
10年毎に区切って、見てみる。

最初の10年は、手話通訳活動はボランティアでやるのが当たり前だった。
「手話通訳ボランティア」というものが存在した。
(今でもある。手話サークルがその役割をになっているし、観光地なんかでこういう活動をしている人たちを見かける)
カネの話はタブーであった。

次の10年は、有償ボランティアの時代。
有資格者には、通訳に従事した時間によって何がしかの手当を払うべき、という考え方が浸透した10年。
手話通訳者派遣制度がだんだん整ってきて、手話通訳士試験や統一試験も誕生した。

ここ最近の10年は・・・進歩していないように思えてならない。
かつて、完全なるボランティアだったものが有償ボランティアに進化した。
有償ボランティアから、専門職としての手話通訳になっていくべきだと思うが、これがなかなか進まない。