手話通訳者のブログ

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手話の読みとり

2016-03-05 05:26:36 | 手話
今日はちょっとオトナの話題が入るので、よい子のみなさんは読まないように(笑)

手話通訳者は、ろう者の手話をどのように読み取っているのだろうか。
人によって違うだろうけど、俺の場合は・・・

中国人ろう者Hさんの通訳のため、病院に行った時のこと。
Hさんが手話で話してくる。

「毎日、×××、元気、元気か?」-----①

上記の「 」が最初に読み取った手話を時系列に表したもの。
×××は、読み取れなかった部分。おそらく、中国の手話である。
どんなに技術の高い手話通訳者でも、「ろう者の手話が完璧に読み取れる」なんてのは嘘である。
必ず、読み取れない部分がある。
聴者同士が日本語で会話している時だって、相手の言葉が聞き取れない時もあるよね。
手話を見て読み取れなかった場合、即座に脳の中で手話動画の録画と、再生が繰り返される。
読み取れた場合は録画はなし。
読み取れなかった場合に録画するのだから、過去に遡って録画することになる。
ビデオカメラにはできない芸当。人間の脳にしか、できないだろうな。

再生は100倍速で、何回も行う。
頭の中に手話がひらめく感じ。
再生を行いながら、相手の表情を見て、相手がまとっている空気を感じる。

突如、上記「×××」の意味を理解する。-----②

文章にすると長いが、上記①から②まで、2秒ぐらい。



あのなあ・・・何の話をしとるんや。病院で話すことちゃうで。そんなんだから、あんたら中国人は嫌われるんやで。
「ぐへへへ」Hさんは下卑た笑い方をした。




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