kasaiさんの江戸甲府物語

江戸時代の甲府の様子を庶民の生活を中心につづる。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

第143回 江戸時代の甲府商店のガイドブック1

2017-05-21 09:07:51 | 説明
商店のガイドブック1


 江戸時代もガイドブックが出版されています。甲府の商店については文政11年(1828)の甲州道中商人鑑と幕末の嘉永7年(1854)の甲府独買物案内,明治5年(1872)の甲斐市中買物独案内がのこっています。

 甲州道中商人鑑は甲州文庫に残されており,山梨県立博物館で閲覧ができます。
 甲州道中商人鑑には30軒の甲府の商店の案内が商店ごとに掲載されています。旅籠が5軒,薬屋が5軒,菓子屋が4軒,水菓子が2軒,呉服太物が2軒です。その他小間物,雛人形,足袋,袋物,たばこ,紅おしろい,伽羅油,袋物,ろうそく等も掲載されています。

 店の案内には,屋号,所在地,商店主の名前,扱っている商品が記載されています。店の位置は、「柳町1丁目」、「山田町2丁目北側中程」のように町名が記載されています。店先の絵も掲載している商店もありました。江戸時代は道の両側が同じ町でした。また,当時は徒歩なので、該当する町の両側の看板を見ながら歩いていくとすぐわかりました。
 また,店の外観の絵が記載されている店もあります。これらの絵やその他の絵から推定した当時の商店の様子を図に示します。店の形はほぼ同じ型で,土間と台からなっていました。暖簾には屋号が染められていました。瀬戸物など大きな商品以外は商品を店に並べず,店の奥の箪笥にしまってあったようです。客の注文に応じて取り出していたようです。絵では2階建に描いていますが,2階ではなく,明かりとりの可能性もあります。



 複数の品物を扱っている商店も6軒掲載されています。八日町1丁目の若松屋平七は薬,紙類,瀬戸物,傘,雪駄,足袋を扱っており,道の両側に店を構えていました。柳町3丁目の堺屋孫兵衛は薬,紅問屋,煙硝問屋を兼ねており,上連雀町の河内屋平右衛門は茶,瀬戸物,紙類,砂糖を扱っていました。
 これらの店には「正札付」や「現金掛け値なし」と記載している店もあります。八日町1丁目の若松屋平七では「正札付大安売り」,「正札付無掛値大安売」などと記載しています。

 菓子には水菓子と京菓子があります。水菓子は果物の事です。八日町の水菓子問屋松屋甚右衛門と魚町1丁目の上総屋長右衛門は柿,葡萄,梨,勝栗等を扱っていました。葡萄には干葡萄と生葡萄の2種類があり,柿には枝柿箱詰,切柿砂糖漬がありました。切柿砂糖漬は柿を砂糖に漬けたものと思われますが,現在では見かけません。

薬屋には,薬の調合と家伝の薬,薬種の販売がありました。魚町3丁目の早川元七には「諸国妙薬取次所,諸薬調合仕り候」とあり,八日町1丁目の若松屋平七では「唐和薬種処,家伝返魂丹」とあります。
コメント   この記事についてブログを書く
« 第142回 甲府へ帰る | トップ | 第144回 江戸時代の甲府商店... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

説明」カテゴリの最新記事