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【原発】日本:最終処分と最下層はリンクせず、フィンランド:最終処分と原発建設はセット

2015-03-20 00:26:02 | ご案内

核のゴミ 日本「最終処分と再稼働はリンクしない」
フィンランド「廃棄物の処分先が決まらないまま原発の建設はありえない」
どちらが『マトモな考え方』かは言うまでもない。

 

 

                                        by中村 公さんのFBより

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日刊読むラジオ
http://blog.goo.ne.jp/admin/newentry/より転載

 北欧に学べ-核のゴミ最終処分 2015/03/05 (木) 2015-03-03-HITOKOTO-Mizuno_01

 安全になるまで10万年が掛かるされる、放射能レベルの高い原発ゴミ

日本ではその最終処分が先送りされたまま原発の運転が続けられてきた。世界各国が同じ課題に頭を悩ませる中、北欧のフィンランドとスウェーデンだけが最終処分地を決めており、特にスウェーデンでは処分技術の開発も進んでいる。 スウェーデンはどのような状況なのか? そこから日本は何を学ぶことができるのか?

  現地を取材したNHK解説委員の水野倫之が、NHKラジオ第1「私も一言!夕方ニュース」の中で語った。 北欧に学ぶ、核のゴミ最終処分

 水野倫之 -NHK解説委員- (以下 水野) 関口博之 -NHK解説委員- (以下 関口) @ NHKラジオ第1「私も一言!夕方ニュース」icon-external-link (2015/03/03) icon-clock-o 10 min Read icon-clock-o icon-arrow-circle-down 以下、NHKラジオ第1「私も一言!夕方ニュース」2015年3月3日放送回から書き起こし icon-arrow-circle-down

 関口: 今日は「北欧に学ぶ、核のゴミ最終処分」というテーマでお伝えします。 原発使用済み燃料など、高レベルの放射性廃棄物、いわゆる核のゴミの処分については、日本を含めて世界各国が、処分場探しに難航しています。 そんな中、北欧のスウェーデンとフィンランドだけが最終処分地を決めており、特にスウェーデンは、処分技術が世界で最も進んでいます。なぜ、スウェーデンは処分地を決めることができたのか? 日本に学ぶ点はあるのか? この課題を考えます。 水野さん、先月、スウェーデンに取材に行かれたんですよね。どういう状況でしたか?

 水野: スウェーデンは、もう5年前に最終処分地を決定していまして、現在は国の規制機関が安全審査を行っているところです。この処分予定地は、首都・ストックホルムの北120キロにあるエストハンマル市の郊外にあります。2020年から、地下に総延長70キロのトンネルを建設して、処分場を開始する予定なんです。 電力会社が協同で作った子会社(※スウェーデン核燃料廃棄物管理会社 icon-external-link )がそれを請け負っているんですが、この処分予定地とほぼ同じ岩盤の別の場所に、今、地下研究所を持っていまして、技術開発を進めています。そこも取材したんですね。

この地下研究施設も、それから最終処分予定地も、20億年前に出来た花崗岩の岩盤の中にあって、これまでほとんど変化していないということなんですね ※スウェーデン核燃料廃棄物管理会社(SKB) icon-external-link

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水野: それから、廃棄物を入れる銅製の容器も開発されていまして、銅というのは酸素が無い状況であれば変化しないということで、担当者は「この銅製の容器がバリアとなって、廃棄物を10万年の間、安全に隔離できる」と話していました。

 関口: まさに、この廃棄物は10万年ぐらいかけて減衰させるということになるわけですけれども、各国が苦労がする中で、スウェーデンはどのようにしてこの最終処分予定地を決めることができたんですか?

水野: スウェーデンは脱原発の方針を示しているんですけれども、今も10基の原発が稼働中で、電力の40%になっているんですね。原発が稼働し始めた早いうちから、スウェーデン政府は「核のゴミ処分が不可欠だ」としまして、法律で電力会社に調査を義務付けて、自治体の公募を始めました。ただ、地元への説明が不十分だったこともあって、当初は反対運動に遭いました。 そこで電力会社は、原発の立地自治体に調査を申し入れるという方式に変更して、岩盤が最も安定したエストハンマル市を選んだんですね。今、このエストハンマル市の最大の産業は原発で、取材した副市長は「日本のような交付金は無いんだ」と。「ただ、原発で市民が働くなど恩恵も受けていて、処分場が出来れば更に雇用が生まれるメリットもある」ということで、調査を引き受けたということなんですね。 やはり、重要なのは「安全性」で、事業者が多くの住民を地下研究施設に連れて行って、岩盤や技術開発の説明をした、と。そうした中で、徐々に信頼関係が生まれて、世論調査で7割の住民が賛成したことから、受け入れを決めたということなんですね。 まとめれば、強固な岩盤に恵まれたスウェーデンは、長い時間をかけて地域の住民との信頼関係を築き上げ、処分地選定にこぎつけた、と言えると思います。 長い時間をかけて地域住民との信頼関係を築き上げ、処分地選定に至った

 関口: ですから、「物理的な岩盤という条件」と「信頼関係」ということがカギだということですよね。 翻って日本を見ると、最終処分場については2000年に法律(※『特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律』icon-external-link )を作ったわけですけれども、この10年、全く動いていないですよね。

 水野: そうなんですね。実施主体として電力会社が出資する原子力発電環境整備機構 icon-external-link があるんです。しかし、そこが自治体を公募したけれども、積極的に声はかけなかった、と。それから、政府も前に出ることなく、受け身の姿勢だったからだと思うんですね。 ※原子力発電環境整備機構(NUMO) icon-external-link                                                                                              

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水野: これを受けて、経済産業省は先月、核のゴミ処分の基本方針の改定案を示しています icon-external-link。その中身は、政府が前面に立って科学的な有望地を示す、と。それから、対話の場を設けること、などを柱としています。 重い腰を上げたという点は評価できるんですけれども、やらなければならない、当たり前のことが示されて、ようやくスタートラインに立った段階ですので、処分場選定が難航しているという状況には変わりなく、課題山積ですね。

 関口: そうですよね。今までは自治体の側が手を挙げるのを待っていたんだけれども、それがなかなか動かないから、国のほうが前面に出て有望地を示すということですね。 ただ、どうでしょうか? 課題が多いように思えますけど、スウェーデンに何を学べば良いんでしょうか? 水野: 「有望地」とは言っても、日本はスウェーデンと違って地震国で火山もあります。ですから、そういった活断層が見逃されることは無いのか?それから、将来、火山活動が起きることは無いのか?「有望地」と言うのであれば、これらをデータと共に示す必要があると思うんですね。 それから、原子力に対する信頼です。スウェーデンでは信頼があったんですけれども、日本は事故で信頼が失墜したままですね。特に事業者について見ますと、原子力発電環境整備機構、多くの人はこれを知らないと思うんですね。 政府は、原発再稼働を進める前に、原発ゴミ問題の道筋を具体的に示すべき 。

 ここには職員が90人いますけれども、専従者が30人だけで、他の多くは電力会社からの出向なんです。ですので、仮に地域に説明に行っても、出向で担当者がコロコロ代わるようであれば信頼関係は生まれないと思います。やはり、転籍者を増やすなどして専従職員を増やしていかなければならないと思います。 それから、スウェーデンと違って、この機構は自前の研究施設を持っていないんですね。やはり、自前の施設を持って、技術力があるということを見せられないと、信頼関係はなかなか築けないと思いますので、この自前の施設を持つということも検討していかなければならないと思います。 いずれにせよ、政府は原発再稼働を進める方針ですけれども、やはり、それを進める前に、この原発のゴミの問題について、より具体的な道筋を示していくということが求められると思います。

 関口: そうですね。経済産業省の方針でも、「現世代での解決」ということを掲げている icon-external-link わけですし、もう先送りは駄目だということで取り組まなければいけないということですね。ありがとうございました。 icon-arrow-circle-up 以上、NHKラジオ第1「私も一言!夕方ニュース」2015年3月3日放送回から書き起こし icon-arrow-circle-up

※ Taken from 日刊読むラジオ at http://www.yomuradio.com/archives/8372