「バディ・ガイ」1936年7月30日アメリカ合衆国ルイジアナ州に生まれたブルース・ギタリスト&シンガー。
最初の出会いは、いつ放映したのか覚えていないが1970年頃か?NHKテレビで「スーパー・ショウ」という番組(収録は1969年)を観た時。
「ローランド・カーク」「バディ・マイルス」「スティーヴン・スティルス」「ジャック・ブルース」「レッド・ツェッペリン」「エリック・クラプトン」と当時、垂涎の的のミュージシャンが集まったショウだった。
写真だけで動いている映像はほとんど観られない時代だったから、もう最高に興奮した覚えがあるが、その中でメチャクチャ格好いい、エモーショナルで定番の演奏から外れた、もう昇天しそうな「バディ・ガイ」を観た(笑)
(この番組で一番ビックリしたのは、「レッド・ツェッペリン」の「幻惑されて」のジミー・ペイジのバイオリンの弓を使ったギター演奏!これには仰天でした。)
Buddy Guy 1967
彼は1960年~64年チェス・レコードからシングルを何枚かリリースしているが、このチェス録音はモダン・シカゴブルースの1つの頂点といえる。
この時代の彼は自分の才能を思う存分発揮して、輝いていた。
Buddy Guy - Call It Stormy Monday (1968)
Buddy Guy
その後1965年「Hoo Doo Man Blues」でハープ&ボーカルの「ジュニア・ウェルズ」のセッションに参加する。
水を得た魚のようにバックでサポートする彼と「ジュニア・ウェルズ」とのコンビは最高だった。
JUNIOR WELLS W/ BUDDY GUY - VIETCONG BLUES - 1966
◆「ジュニア・ウェルズ」ハープ&ボーカル。「バディ・ガイ」ギター
その後もデュオで数々のアルバムをリリースしたりライブでも活躍していた。
ブルース・ピアニスト&シンガー「メンフィス・スリム」とのセッション・アルバム「サウスサイド・リユニオン(1970年)」でも最高にご機嫌なサポートをしていたね。
涙が出るほど格好良いのだ。大好きなアルバムですね。
初期の頃のモダン・ブルースも大好きだったが、 彼の場合他のミュージシャンのサポートにも巧さを感じる。
相手を上手に引き出して自分も主張してしまう、これも才能だね(笑)。
確かに「ジュニア・ウェルズ」の懐の深さ、巧さには及ばないかもしれない、歌も薄っぺらいかもしれない。ギターも時にアバウト、リズムもずれる。
しかし彼のソウルフルなパワーは並外れている。 レコードではそんなに爆発はしないが、ライブになるともうお構いなしに爆発してしまう(笑)!
ちょっと行き過ぎじゃないのと思うくらい逝ってしまう時がある(笑)、へんてこりんフレーズも連発してしまう時がある(笑)。
そこが格好イイのですが(笑)。
buddy guy - 1970 - festival express - hoochie coochie man
◆ギンギンのブルース・ギターを弾く「バディ・ガイ」
現在でもへんてこりんフレーズは健在で、ライブではギンギンにデストーションをかけたロック・ギターでブルースしているし、アルバムではロック・テイスト溢れるブルース・ギターを弾いている、もちろん歌もエモーショナルだ。
そんな最近の彼を友人達は無関心である!
「バディ」聴くかいと言っても聴きたくないと言う(笑)。
自分が赴くままのソウルフルで定番外なギター演奏は時として保守的なリスナーは犬猿してしまうらしい。
形式を重んじるブルース・ファンからは軽視されているみたいだね。
ブルースは爆発だ!と思うヤツしか彼の良さは分からないらしい。
ロックらしくてもいいじゃないか、ノーマル音のペンペンギターがブルース・ギターだなんて誰が決めたんだい? ヘビーメタル級の爆音ギターはボーカルとリンクして彼の叫びを感じる。
これこそ現在のブルース進行形ではないだろうか。