冬苺「ヤッホー」で始まるLINE
青白き 顔に目力 冬の日矢
面会禁止 カーブミラーの 冬田道
童のごと 地蔵の伏目 冬深し
二つ目の カーブの向こうの 冬ざれ
朝九時過ぎ、娘からの電話で目覚めた。
七時に一度目が覚めたが、二度寝😅
今、起きたんじゃありませんと、(笑)ばかりできるだけ声を張る。
**(上の孫娘)が体調悪くて、吐き気がするって言うんだけど。
今日、美容院の予約取ってて行きたいんだ。薬飲ませて暫く様子見て、出かけても良いかな。
二人家に留守番させるから、**から連絡あったら、いい?
うーむ。仕方ない。
いいよ、様子見に行くから。
と電話を切る。
急ぎ起きて、朝の家事を済ませる。
ぐずぐずしてると、余計に寒いし、寝坊し過ぎた。
地区の美化作業に出かけてる夫も、そろそろ帰ってくるだろうし。
10時半帰宅した夫に
**の体調が悪いみたい。⚪︎⚪︎(娘の名前)は天神まで、又美容院だって…。
毎月毎月。私なんかもう三か月も美容院行ってないのに!
と言えば、
「専業主婦とは違うんだから。
そりゃ当たり前だろう。良いじゃないか。子どもたち、ここに連れてくれば。」
なーんか、最近とみに娘に甘いよ。
専業主婦を差別してませんか!
と思ったけど、この場合、娘をけしからん、と言われる方が、本当は嫌だったので、良しとする。(笑)
子どもたちは、ばあばの家より、今じゃ自宅マンションの方が多分好きだ。暖かく明るく快適。
広過ぎて、冬は特に寒くて、使ってない部屋がやけに暗くて怖いという下の孫。
ばあばの家は好きではある上の孫は、今日は体調が悪く、友だちと遊べない。
なのでうちには連れてこない、様子を見にいくだけ。
少し前、孫娘からのLINEも、それほど切羽詰まった感じもない。
昼食後、孫たちの元へ出かけた。
途中、果物など少し買い、予定より20分近く遅く着いたが…。
チャイムを鳴らすと下の孫が鍵を開けてくれた。
上の孫、意外に元気な笑顔で部屋から出て来た。
ばあば、もう治ったよ。朝凄くきつかったけど。
2回吐いちゃった。
でもお母さんの薬、効いたみたい。
で、お腹空いて、〇〇(妹)がぜんざい作ってくれたんだ。なんか食べたいなって言ったら。
どうやら、娘が下の子に、頼んで行ったらしい。多分レトルトのぜんざいだろうけど、妹が用意してくれたのが嬉しかったのだろう。顔色は悪いものの、明るい表情でいつもと変わりない様子。お母さんが帰るまで、二人で、全然平気。と言う。
いきなり沢山食べないで、様子みながらね、と果物など置いて、マンションを後にした。
時間ができた。
ずっと気になっていた、姑さんの施設に、このまま行こうと思い立つ。
大晦日に、夫と二人訪れ、またすぐ行くつもりだったが、随分日が経ってしまった。
三時に間に合うかどうか、でもおやつにと、ちょっとしたお菓子を買い、向かった。
施設の玄関脇には、小さなお地蔵さまが何体もある。
顔もわからない古いものから、まだ新しいお地蔵様合わせて七体…だったと思う。
ちらっと見ながら、玄関のチャイムを押し、いつも通り引き戸を開け、アルコール消毒。マスクは当たり前、ずっとつけたまま…。
と、主任さんが慌てたように走って、上がりがまちの戸を後ろ手で締める。
「すみません。昨日から完全に面会禁止になりました。」
一瞬絶句するものの、あっそうか。当たり前。なんで気づかなかったんだ、私。
昨日、このブログにも書いたじゃないか。オミクロンの急激な感染拡大。
今日とうとう、福岡は、1200人越え。
高齢者ばかりの施設。
面会なんか出来るはずもない。外からどんな経路でウィルスが持ち込まれるか、又介護士さんたちが気を揉みより忙しい日々がはじまったのだ。
申し訳ないです、と恐縮する主任さんに、いえとんでもない、こちらこそ電話で伺いも立てずにすみません。
母は変わりないですか。
と尋ねたら、はい元気です。とおっしゃる。
又、去年と同じ。
いや去年は、少し距離を置いての面会はさせてくれた。
今年は、いよいよこの施設も、完全な面会禁止。
先週無理してでも尋ねるんだった。
子どもの様なあどけない顔のお地蔵さまが、やけに悲しげに見えた。