インクジェットの着物も「京友禅」というカテゴリの中に入った
日本から「手仕事」というジャンルが消えていく瞬間なのだろうか
夏の織物が中心だった十日町が「染めの技術も身につけたい」ということで金沢から初代由水十久さんたちを十日町に招き5年掛けて加賀友禅の糸目の技術を若い人たちが習得した
更に京都の職人たちから「型染め友禅」も伝授
そこで一気に「十日町振り袖」が日の目を浴び大流行
染に伝統がないだけに大胆な構図が受けて10代の女の子を魅惑した
今まで母親や祖母たちが決める伝統美の着物が良いとされていた時代に、色だけで見せる振り袖ができたり、大きな草花が体中に咲いたり、鳳凰や鶴が優雅に羽ばたいていたり、とにかく百花繚乱
また十日町は名にし負う豪雪地帯、冬は色がなく雪が溶けると一気に春の花が咲く 梅、桜と桃が同時、その他の花も全て一緒に花開き、色のなかった世界に突然の色の乱舞
こういう感覚が振り袖に現れ団塊世代の成人の時期と相まってわれもわれもと大人気
伝統的な手仕事でじっくりと仕上げる豪華な振り袖より、型友禅の軽さ明るさが当時の時代とあっていたのだと思う
今また型友禅よりさらに軽くて大量にできるインクジェットの友禅ができて、ほとんどの振り袖はそれに替った
いろんな技術を持っている京都から染が替った
そして出来上がりは若い人に受け入れられている
伝統の技、伝統の美的感性を生かしているからインクジェットの着物も受け入れられる
「本物の染ではない」という人もいる
長い歴史の中で培われた伝統の技術があるから新しい着物が誕生する土壌があるのだ
トヨタや日産が機織り機や糸とり機の技術があったがために自動車が生まれた
伝統技術の上に何かが生まれて新しい時代に生きていく
技術の基本がなくなれば新しいこともできない
ここを抑えておかないとすべてが消える
一番大切なこと
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