チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

久保田万太郎の世界

2013年09月03日 08時31分04秒 | 日記
といっても
久保田万太郎を知っている人たちが少なくなった
チャコちゃん先生は久保田万太郎さん最後の方の生徒で
「舞台芸術」という科目を勉強したとき
演劇について熱く静かに語ってくれた姿を思い出す

全部の授業をでたわけではなく
いまでは惜しかったと思うけど
若いときは目の前の快楽の方に気が行きますものね

さて
先日文学座が浅草の見番で「久保田万太郎の世界」を舞台に上げたというので見に行った
役者たちが
昔の市井の人たちのしゃべり方や仕草などを正確に表現していたのには感動

改めて思ったのだが
日本人の日常の仕草がそのまま演劇になるほど動きが美しい
急須にお湯を注ぐ
お茶碗にお茶を入れる
お盆を持って立って座って
テーブルにお茶碗をだす
お茶をすする

みんなみんな絵になっていく

究極は
舞台上できものを着替える
この日も昔きもののモデルをしていただいた山崎美貴さんが登場
妹ゲイシャが普段着から外出着に着替えるところのポイントを手伝っていた
二人の息が合い
みるみるきものが身体にまといつき帯がするすると巻かれていく
そのときの姿態のなんと美しい

きものだからこそ絵になる

昔杉村春子さんの舞台できものを着替える仕草に舌を巻いたが
文学座は杉村さんと久保田さんの遺伝子がちゃんと脈打っていた
コメント
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