モバイルガジェット好きのブログ

スマートフォン・タブレット・ポケットルーターetc. すべてのモバイルガジェットの話題を紹介!

ドコモ、25日の通信障害でトラフィック見積もり誤りを認め謝罪、総務省から指導も

2012-01-27 00:55:44 | デジタル・インターネット

Gomen_3 NTTドコモは、1月25日に発生した通信障害について、その詳細を紹介する報道関係社向け説明会を開催した。
説明会の中で、原因はパケット交換機であると発表した。問題のパケット交換機は設計通りの能力を発揮したが、その能力を超えるトラフィックが発生し、処理しきれなかったということらしい(どういうこと?)。

そのパケット交換機は、スマートフォンの急増に対応するため、設計思想を新たに開発し、能力を向上させた新型機で、20日には。新宿区・文京区・江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区・港区・千代田区・渋谷区にある無線制御装置(基地局を管理する装置)23台が、旧型から新型のパケット交換機に切り替えたが、何も問題ないことが確認できたとして、25日未明に目黒区・大田区・品川区・世田谷区・中央区・港区・千代田区・渋谷区を担当する無線制御装置37台も新型パケット交換機に繋がることになった。

★【故障】発生時の流れはざっとこのようなものだった

25日の工事は3時40分に完了。その後、8時26分頃よりトラフィック(通信量)が徐々に増加していって、新型パケット交換機の動作が不安定になり、“制御信号”と呼ばれる信号が処理できず、破棄される事象が発生し、パケット通信が繋がりにくい状況となった。こうしてパケット通信が繋がりにくくなっているところに、9時9分、一部のエリアで局所的にトラフィックが増え(山手線の事故の影響か?)、基地局の一部が自動的に音声通話とパケット通信の規制を実施した。

 自律規制が発動した基地局では20分も経たずにトラフィックが落ち着き、自律規制は解除された。しかしパケット交換機側は輻輳(ふくそう、通信処理が滞る状況)が解消されなかったため、手動による規制を実施。この段階で30%の規制がかかり、パケット通信が繋がりにくくなった。

ここまでは、ドコモ側も一時的なトラフィック上昇が輻輳の原因と見ていた。しかし、規制を行っても輻輳が解消されないため、原因は別にあるとして、10時56分から旧型のパケット交換機に戻す作業を開始。もとのパケット交換機に繋がった基地局から、徐々に規制が解除され、13時8分に全ての規制が解除となって通信障害から回復した。

★ここで、新旧のパケット交換機について比較してみよう
旧型のパケット交換機は11台で構成され、処理能力は、同時接続数が88万台、処理できる1時間あたりの信号量は2750万だ。

一方新型は3台構成で同時接続数は180万台、処理できる1時間あたりの信号量は1410万となっている。

 この処理能力の差に注目してみよう。システム全体の同時接続数は2倍以上増えているが、処理できる1時間あたりの信号量は半減している(ここが問題)。
パケット交換機の1台あたりの処理数では、同時接続数は7倍、信号量は2倍にパワーアップしていることがわかる。
 最近はスマートフォン端末が増えてきているが、スマートフォンの特徴として実行中のアプリなどが接続を繰り返すので同時接続数の処理が多くなる傾向がある。ちなみに、アプリを一切搭載していないAndroid端末の場合は28分に1度の割合で接続するが、動作しているアプリが多ければ多いほど、接続の機会は増える。それがリアルタイム性の強いアプリであれば、さらに接続頻度は増加する。そうようなことから、ドコモでは同時接続数を増強したサーバーが必要と判断した。

 新型の処理能力は1台あたりでは増強されているものの、構成全体で見れば、1時間あたりの信号量の処理能力が大幅に落ちているように見える。通信を行う際には、その前の段階で、サーバーとの接続を確立するための通信が行われる。ここでやり取りされるのが“制御信号”と呼ばれるもの。今回の通信障害は、同時接続数に余裕があったものの、制御信号をさばく能力(1時間あたりの信号量)が足りなかったことが原因だ。

 この点について、ドコモは「現行型には2750万という信号処理能力があるものの、実際にはそこまでの信号が発生していない」と説明。現行型では、台数を増やして(11台)同時接続数を増強し、それにあわせて信号処理能力も増えたが、実際にはその能力がフルに使われていなかったため、余分な能力と見なしていた。

 ドコモでは、新型パケット交換機の導入にあたり、トラフィックの想定を算出。今回は同時接続数が約71万台、1時間あたりの信号量が1200万と見積もった。実際は、同時接続数こそあっていたものの、1時間あたりの信号量が1650万と、想定よりも450万も多かった。新型パケット交換機の能力を240万も超えてしまい、処理ができなくなった。これが今回の故障の原因である。

 ドコモは「見積もりが甘かった」と不手際を認めている。ただトラフィックの想定量を算出するのに、これまでの携帯では台数ベースで考えればよかったが、スマートフォンではアプリの追加を個々のユーザが行っており、それにより信号量が増えることになるため、なかなか把握しきれない部分があることが見積もりの甘さに繋がったらしい。しかしこの問題は昨年11月、韓国のKTからの報告でドコモ側も認識していた。しかし今回のトラフィックの見積もりにその情報は反映されていなかったというから、ちょっとお粗末ではある。

 失敗はだれでも起こすもの、この失敗をもとに、より良いネットワークができるようドコモには頑張ってもらいたい。しかしどんなに素晴らしいネットワークを構築しても、ダウンしてしまうことは避けられないので、我々利用者が工夫するしかないだろう。
 最近はガラケーとスマートフォンの2台持ちの人が少なくないが、その際、契約する携帯電話会社を別々にしておけば、2台同時に使えなくなることは少なくなり、通信手段が全て絶たれるというリスクは減らすことができる。その際でも、MNPで契約した端末はやめたほうがいいだろう、なぜならMNPした端末は純血端末に比べ、信号の流れが複雑になるため、信頼性が落ちるのだ。例えばドコモの携帯を2台持っていて、1台をMNPで他の携帯電話会社へ乗り換えた場合、その携帯は接続の度にドコモへ問い合わせ通信が発生するため、ドコモの網がダウンした場合には結局2台とも使えないということになってしまう。リスク分散という意味ではあまり意味がなくなってしまう。



にほんブログ村 携帯ブログへ   人気ブログランキングへ

Chosizin blog TOPへ