月曜にムツミに行って、木曜日が「ラスト治験」の日になっていた。
そう、昨日のことだ。
会話は弾んだ。
最後のスクエアカットも一本一本噛み締めるように、思いが込められた。
引退する力士の断髪式さながらである。
実家の苫小牧まで治験薬を回収に行ってくれた男性スタッフが髪を切ってくれた。
有終の美を飾るにふさわしい最高のカット。
いつもと違い、洗髪後8時間も経過していたので、モニターに映し出される画像には
いつもよりオイリーな印象を受ける頭皮が映し出されていたが、さして気にならない。
(足の匂いがして、自分の匂いかどうか、すごく気になっていただけだけど。)
後頭部を撮影して、6ヶ月前の写真と今日のプリント、2枚を持って
診察医のもとに向かう。
最後の診察医は今まで登場しなかった初めての男性だった。
写真をしばらく見つめた後に彼は小さなため息をついた。
「‥‥素晴らしい、‥すばらしいですね。」
そこに置かれた2枚の写真、違いは誰の目にも明らかだった。
「ミノキシジルが、あなたに物凄くマッチしていた。‥ということですね。」
「そうなんですね。」
「お金はかかりますが、是非ミノキノジル、続けてください。」
治験スタッフのボスも賞賛の言葉を惜しまなかった。
「今回の治験者の中でも、特に効果の高い事例でしたよ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
ミノキシジルとともに歩み続けた六ヶ月。長いようであっという間の六ヶ月。
結論から言えば「確かに毛髪は増えたし、太くなった。」
これはまぎれもない事実である。
私の治験はひとまず終了した。
スタッフの方々、本当にありがとう。
しかし、私の育毛ライフはまだまだ続く。