12月 14日

2024-12-14 05:28:50 | Weblog

                        煤払・煤籠・煤逃げ・煤日和

 

 

 

            京都 西・東本願寺では12月20日が例日ですが浅草待乳山本龍院では6日に行われました

            昔は朝廷や幕府で、十二月十三日に行う年中行事の一つであった。今は寺社などは別として、

            大晦日近くに行う家が多い。煤払に使う篠竹を「煤竹」、この日老人・子供が邪魔にならないように

            別室に籠るのを「煤籠」、手伝わずにどこかへ出かけてしまうことを「煤逃」、その日に入る風呂を

           「煤湯」と言いますが 俳句ならではの季語ですね

 

 

 

                

 

 

 

          上野より富士見ゆる日や煤払ひ      沢木欣一

 

          大太鼓巫女持てあます煤払        栗田やすし

 

          蝋燭の火の大揺れに煤払ひ        河原地英武

 

          煤逃げや古書街裏の喫茶店        武藤光晴

 

          すす竹の笹千切れ舞ふ大手門       廣島幸子

 

          捨てられぬ書に書を重ね煤はらひ     ころころ

 

 

 

 

                

 

 

 

          むつかしや何もなき家の煤払       夏目漱石

 

          煤払車磨いて終りけり          小松和子

 

          我楽多のわれも一部ぞ煤払ひ       角川春樹

 

          吊鐘の中掻きまはす煤払         吉岡句城

 

          煤逃げと言へば言はるる旅にあり     能村登四郎

 

          煤拂て蕪村の幅のかゝりけり       正岡子規

 

 

 

                

 

 

 

                サイトから一部資料・写真お借りしています  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 13日

2024-12-13 05:07:29 | Weblog

                        落葉焚・焚火・夕焚火・朝焚火

 

 

           今では廃棄物処理法、消防法、自治体による条例によって焚火に制限が与えられています

           軽微な焚火は許されているようですがそれでも隣家とのコミュニケーションが良ければの話です

           畑で草を焼いても通報があるというのですから冬の風物詩としての景色が消えてゆくのは寂しいかぎりですね

 

 

 

                

 

 

 

          朝焚火して待ちゐたり漁舟          栗田やすし

 

          しばらくは焚火に酔ひを醒ましをり      河原地英武

 

          流木をくべて漁師の大焚火          高橋ミツエ

 

          火伏札配る漢に焚火の火           渡邉久美子

 

          焚火して待つ藍染めの寒晒し         丹羽康碩

 

          雇用票手に車座の焚火かな          ころころ

 

 

 

                     

 

 

 

 

          焚火より朱きつちくれに芽ぐむもの      沢木欣一

 

          船焚火消えぬ火の粉に水暗し         細見綾子

 

          一人退き二人よりくる焚火かな        久保田万太郎

 

          夜焚火に束ねし手紙焚き加ふ         大木さつき

 

          あつけなき落葉ばかりの焚火かな       星野立子

 

          あかあかと通夜の焚火をうち囲む       鈴木 昭次

 

 

 

                

 

 

                サイトから一部資料・写真お借りしています  

 

 

 

 

 

                     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 12日

2024-12-12 05:28:47 | Weblog

                           冬鴎・都鳥・百合鴎

 

 

 

 

                

 

 

 

          ゆりかもめ水に羽根打ち胸打ちて      細見綾子

 

          羽ばたきは白波となり百合鴎        河原地英武

 

          東郷の立ちし艦橋冬かもめ         武藤光晴

 

          パンを撒く人に群れくる百合鴎       今泉久子

 

            百合鴎橋に干さるる諸子網         若山智子

 

          やつちや場の午後の静けさ都鳥       ころころ

 

 

 

 

                

 

 

 

          冬鴎越後の旅は白づくし          福永耕二

 

          都鳥空は昔の隅田川            福田蓼汀

 

          隅田川越えて色町都鳥           森 澄雄

 

          青空に切つ先ありぬ冬鴎          夏井いつき

 

          北欧の船腹垂るる冬鴎           秋元不死男

 

          下町は親し橋多く都鳥           山口青邨

 

 

 

                

 

 

                 サイトから一部資料・写真お借りしています  

 

 

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 11日

2024-12-11 05:19:21 | Weblog

                初氷・氷・氷張る・氷田・氷点・氷塊・結氷・氷上・氷面鏡

 

 

 

 

                

 

 

 

          氷上に夫婦の旅嚢一個置く         沢木欣一

 

          氷割って漬菜取り出すその暮らし      細見綾子

 

          神の鹿跳んで踏み割る初氷         栗田やすし

 

          池の端に風の筋目の初氷          国枝洋子

 

          薄氷の岸を離れてかがやけり        矢野孝子

 

          地下足袋の跡や棚田の初氷         夏目隆夫

 

 

 

 

                

 

 

 

          日ざかりの氷塊に立つ魚の鰭        水原秋櫻子

 

          遅刻教師に八方まぶし初氷         福永耕二

 

          初氷夜も青空の衰へず           岡本 眸

 

          美しき言葉さやげる氷面鏡         寺井谷子

 

          紙の村紙の薄さの氷張り          滝 佳杖

 

          氷塊となりつゝ滝の響きつゝ        夏井いつき

 

 

 

                

 

 

 

                サイトから一部資料・写真お借りしています  

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 10日

2024-12-10 06:26:31 | Weblog

                 霜・初霜・霜の花・はだれ霜・強霜・霜だたみ・霜どけ

 

 

 

                

 

 

 

          日の出待つ霜の藁塚地に充てり       沢木欣一

 

          初霜や紫の玉みやげとし          細見綾子

 

          師は遠し白鳥句碑に霜の花         栗田やすし

 

 

 

                

 

 

 

          職引いてぽつぺん鳴らす霜夜かな      国枝隆生

 

          産声待つ霜夜の廊下行き来して       矢野孝子

 

          薄墨の筆ペン握る霜夜かな         伊藤範子

 

          手で払ふテントの霜や深山晴        中野一灯

 

          終電の窓の灯や霜降る夜          武藤光晴

 

          休み田の霜のまぶしき朝かな        ころころ

 

 

 

                     

 

               霜柱という植物ですシソ科多年草であり、枯れた茎に霜柱(霜華)が出来ることで知られる。

               宿根性 花は9-10月頃に咲く。茎の先端側半分くらいの葉腋から総状花序を出す。花序の軸は真上に

               伸び、花はその軸に茎の先端側に偏ってつきます

 

 

 

          霜柱俳句は切字響きけり          石田波郷

 

          百花園初霜の門ひらきけり         鈴木真砂女

 

          一霜の降りたる竹の箒かな         長谷川櫂 

 

          初霜や斧を打ちこむ樹の根つこ       秋元不死男

 

          初霜や底より湧いて鯉の色         広瀬直人

 

          切株のはなればなれに霜を待つ       福永 耕二

 

 

 

                     

 

 

                     サイトから一部資料・写真お借りしています  

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 9日

2024-12-09 05:13:05 | Weblog

                             湯豆腐

 

 

 

                

 

 

 

          湯豆腐の崩れを掬ふ陶(すえ)の匙     清水弓月

 

          湯どうふの半丁で足る一人の夜       松島のり子

 

          湯豆腐や父に酌する里帰り         谷口悦子

 

          湯豆腐や昔競ひし恋仇           渡辺慢房

 

          日溜りに湯豆腐の旗南禅寺         花田紀美子

 

          湯豆腐を崩すばかりや酔ひの箸       ころころ

 

 

 

 

                

 

 

 

 

          湯豆腐やいのちのはてのうすあかり     久保田万太郎

 

          二年や獄出て湯豆腐肩ゆする        秋元不死男

 

          湯豆腐やつやつや光る女の手        村山古郷

 

          湯豆腐の崩れぬはなく深酔す        福永耕二

 

          湯豆腐にめがねくもらす別れかな      木村里風子

 

          湯豆腐や若狭へ抜ける京の雨        角川春樹

 

 

 

                

 

 

                サイトから一部資料・写真お借りしています  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 8日

2024-12-08 05:12:43 | Weblog

                         鰤・寒鰤・鰤揚げ場

 

 

 

             最近では「夏が旬」とうたうブリのブランドも登場しているが、天然の大物、ブリが美味しくなる

             旬の時期はたっぷりと脂を蓄え南下する12月~2月の冬が旬。 この時期のものは「寒ブリ」と呼ばれ

             非常に人気が高い。 この時期は主に日本海側で沢山穫れ、太平洋側では少し遅れ2~3月に多く

             水揚げされます。能登半島地震の被害が大きい富山県氷見市の氷見魚市場で2日朝、「初競り」が

             ありました。ブランド魚「ひみ寒ぶり」は一本200万円で競り落とされたという事です。

 

 

 

                

 

 

 

          鰤あげ場提灯をどる男の肩         細見綾子

 

          水槽にゐて寒鰤のあらはなり        栗田やすし

 

          舌先にさぐる小骨や鰤大根         中野一灯

 

          皺の手で大鰤捌く朝市女          武藤光晴

 

          寒鰤のかま断つて出刃曇りけり       大島知津

 

          寒鰤の跳ねて市場の水たたく        山たけし

 

 

 

                

 

 

 

          二三言言ひて寒鰤置いてゆく        能村登四郎

 

          寒鰤に一句授る魚市場           鈴木真砂女

 

          鰤大根沖まで晴れて日本海         梶山千鶴子

 

          寒鰤に祝儀値付きし手締かな        渡辺安江

 

          鰤大根子はいつ酒を覚えしや        田村糸女

 

          酒すすむ氷見の寒鰤刺身かな        山口耕堂

 

 

 

                     

 

 

                     サイトから一部資料・写真お借りしています  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 7日

2024-12-07 05:28:54 | Weblog

                        雪蛍・綿虫・雪虫・雪婆・大綿

 

 

 

         体調5mm前後で、全身綿で包まれたように見えるアブラムシです あの白いふわふわした物体は蝋(ロウ)

         つまりアブラです。北海道から四国、九州では見られ雪が降る降らないは関係ないようです

         晩秋から初冬にかけて、空中を青白く光りながら浮遊する。物に当たると付着します。

 

 

 

                

 

 

 

          雪蛍宝物殿を出でたれば          細見綾子

 

          掌にのせて綿虫吹けば抗へり        栗田やすし

 

          捕へんとすれば高みへ雪蛍         河原地英武

 

          綿虫の手より逃れて母在らず        国枝隆生

 

          身じろがぬ牛の鼻先雪螢          小田二三枝

 

          雪虫や目鼻潰えし道祖神          武藤光晴

 

 

 

                

 

 

 

          雪虫のとべるに逢へり古き門        加藤楸邨

 

          この指にとまれ夕日も綿虫も        大石 悦子

 

          雪婆ばんばと呼ばれ漂へり         長谷川双魚

 

          停車場の大綿まへる暮情かな        中村草田男

 

          綿虫の双手ひらけばすでになし       石田あき子

 

          身を飾る綿が重荷の雪蛍          岩崎憲二

 

 

 

                 

 

 

                  サイトから一部資料・写真お借りしています  

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 6日

2024-12-06 05:05:14 | Weblog

                           冬芽・冬木の芽・冬萌

 

 

 

 

                     

 

 

 

          冬木の芽震はせ雀とび移る         河原地英武

 

          梧桐の冬芽まつかや被爆の地        都合ナルミ

 

          飴色の栃の冬芽の尖りたり         矢野愛乃

 

          冬芽立つ古窯の裾の幣辛夷         長江克江

 

          飛鳥寺沙羅の冬芽のこぞり立つ       上田博子

 

          もくれんの冬芽黄金の綿帽子        ころころ

 

 

 

                

 

 

 

          冬萌や五尺の溝はもう跳べぬ        秋元不死男

 

          メタセコイアは白堊紀の夢冬芽もて     加藤秋邨

 

          リラ冬芽ねがはくは一房の花を       山口青邨

 

          桜冬芽空を押さへて太りだす        林 翔

 

          冬萌えに垂れてとどかず縄梯子       鷹羽狩行

 

          冬木の芽ことば育ててゐるごとし      片山由美子

 

 

 

                     

 

 

 

                     サイトから一部資料・写真お借りしています  

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月 5日

2024-12-05 05:13:44 | Weblog

                              山眠る

 

 

 

             中国の「臥遊録」の「冬山惨淡として眠るが如し」から》冬の山の静まり返ったようす

             秋は「山粧ふ」、春は「山笑ふ」と、擬人法の典型のような季語であり、夏は「山滴る」でですが、

             これは季語としないという意見もあって、歳時記によっては掲載の無いものも有るようです

 

 

 

                

 

 

 

          うつすらと裾見せて富士眠りをり      栗田やすし

 

          ふところに火止めの窯や山眠る       矢野孝子

 

          山眠る火気厳禁の札立てて         斉藤真人

 

          殉教の谷の十戸や山眠る          山下智子

 

          崩落のあとまざまざと山眠る        平松公代

 

          噴きあがる湯の轟きや山眠る        ころころ

 

 

 

 

                

 

 

 

          肘張りて眠れる山の比叡かな        岸風三楼

 

          火の山や噴煙あげしまま眠り        水原 春郎

 

          土いまだ木の葉のかたち山眠る       正木ゆう子

 

          山眠り石で囲ひし楮畑           大峯あきら

 

          いくたびも虹を吐いては山眠る       高野ムツオ

 

          薄目せる山も混りて山眠る         能村登四郎

 

 

 

                

 

 

                サイトから一部資料・写真お借りしています                  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする