3月 25日

2019-03-24 12:30:18 | Weblog
             花・花埃・花明かり・花見・花衣・花筵




     繭倉の裾を流れて花の水         細見綾子




     朝靄に前山けぶる花の宿         栗田やすし




     ラケットの破れ繕ふ花の雨        河原地英武




     足湯して眠気兆せり花の昼        国枝隆生




     新聞紙拡げ二人の花見席         岸本典子




     花の雨巫女玉砂利を小走りに       小島千鶴




     西行の老いの木像花あかり        清水弓月




     寝そべつて土の湿りの花筵        関根切子




     廃校となりし母校や花の雨        太田滋子




     花の昼雅楽かそけし衣装展        櫻井幹郎




     花疲れ読まずにしまふ凶みくじ      中斎ゆうこ




     ぬり絵する母の真顔や花の雨       山本光江




     花疲れ柱に凭れ足袋を脱ぐ        矢野孝子     





                    
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3月 24日

2019-03-23 14:07:41 | Weblog
                   山桜・吉野桜 




     遍路笠脱ぎて仰げり山桜            沢木欣一




     山ざくら一樹一樹の夕日かな          細見綾子




     木の鈴を買ふ四分咲きの山桜          栗田やすし




     トンネルを抜けてトンネル山桜         平松公代




     夕風に山桜散る露天風呂            滝沢昇二




     山桜散り敷く無人発電所            満田きよ子




     山桜後円墳を包みをり             澤田正子




         



     七つ滝七つに照りて山ざくら           能村登四郎


     咲き残りいよいよ白し山桜            清崎敏郎


     男童も女童も羅漢山桜              山口青邨


     鳶老いて高音張りけり山桜            小川軽舟


     山桜奥千本の迷い道               白石みずき
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3月 23日

2019-03-22 13:15:41 | Weblog
               桜・桜月夜・桜吹雪・夕桜・夜桜




     墨堤の桜を見むと傘さして           細見綾子




     吊り橋を揺らし淡墨桜見に           栗田やすし




     ため息を咎められたり夕桜           河原地英武




     島桜咲き初む風葬ありし村           下里美恵子




     夜桜に五重の塔のまぎれなし          井沢陽子




     大いなる瘤を重ねし根尾ざくら         雨宮民子




     二三輪切り株に咲く桜かな           大原悦子




     医学部の桜しろじろ暮れ残る          谷口千賀子




     上げ潮の川のさざ波夕桜            中川幸子




     夜桜に五重の塔のまぎれなし          井沢陽子






         



     寺町に寺の託児所桜咲く 
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3月 22日

2019-03-21 16:51:26 | Weblog
             馬酔木の花・花馬酔木・あせび・あせみ・あせぼ




     万燈を待つ間手ぐさに房馬酔木         細見綾子




     花馬酔木顔より昏るる念怒仏          栗田やすし




     継ぐ人の絶えし旅籠や花馬酔木         小澤明子




     大寺の畳廊下や花馬酔木            高橋ミツエ




     山門をくぐる馬酔木の花にふれ         笹邊基子




     花あせび蓑虫庵の縁先に            小田和子




     花あしび池ささ濁る直也の居          井沢陽子




     舞姫の歌碑に木洩れ日花馬酔木         上田博子


     ☆ 酔木は有毒植物の一種で牛馬が食べると痺れて酔ったようになるのでこの名前に
       なったということです。写真は自生のものでピンクの馬酔木は園芸品種です



       


     中尊寺道白珠の馬酔木咲く           秋元不死男


     月よりもくらきともしび花馬酔木        山口青邨


     つくばへる石より低く花馬酔木         富安風生   
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3月 21日

2019-03-20 12:53:43 | Weblog
                 初桜・初花




     咲かんとす葉のうすみどりなる桜        細見綾子




     肩かるく叩く励まし初ざくら          河原地英武




     降り出しの雨に色濃し初桜           下里美恵子




     三味の音にさくらほつほつ野文楽        都合ナルミ




     初桜やはき日差しの宮詣り           橋本紀子




     初桜皿に浮かせて供華とせり          上杉美保子




     初花やコップ酒置く父の墓           雨宮民子




     婚の荷の発ちて桜のほころびぬ         清原貞子




     スカイツリー見上ぐる空や花三分        武藤光晴




     初桜米寿となりし姉見舞ふ           上田博子




          



     一花よりみなぎる力初桜             稲畑汀子


     あけぼのの薄紙いろに初桜            千々松洵子


     初桜蕾したがへ楚々として            佐藤 ともえ


     いちにちのはじまる冷えの初桜          岡本眸


     年経たる樹のしづけさの初桜           鷲谷七菜子

     
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3月 20日

2019-03-19 13:17:54 | Weblog
                  連翹・いたちぐさ




     連翹や焼杭を打つ宇治の院           沢木欣一




     連翹が色めきわたり明日を待つ          細見綾子




     連翹や一日富士の裾かすむ            栗田やすし




     連翹を戸口に峡の一戸かな            夏目隆夫




     咲きみちて連翹の枝地を這へり          佐藤きぬ




     連翹や富士を遠くに一里塚            小田二三枝




     連翹を四囲に咲かせて検問所           中山ユキ




     咲き満ちて連翹風に逆らはず           伊藤旅遊




     連翹の道分け入つて水車小屋           角田勝代




     図書館の窓連翹の花明かり            谷口千賀子




          



     連翹や蛭ケ小島は石ばかり             林 徹


     雨の中連翹の黄の流れだす             長谷川 櫂

     
     童画展連翹の黄がここに撥ね            福永耕二


     いかるがの暮色連翹のみ昏れず           和田悟朗
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3月 19日

2019-03-18 12:47:53 | Weblog
              彼岸・彼岸入り・彼岸寺・讃仏会




     ぜんまいをねんごろに煮て彼岸入        細見綾子




     父母の墓訪はず過ぎたる彼岸かな        栗田やすし




     彼岸会の女三人寄席に入る           片山浮葉




     歌麿の春画積まれて彼岸寺           岸本典子




     大屋根に雀の遊ぶ讃仏会            谷口千賀子




     彼岸寒旅の荷を解く青畳            武田稜子




     彼岸寺バケツで集むお賽銭           小栁津民子




     秘仏見に彼岸の廊下軋ませて          鈴木真理子




     身の丈を超ゆる地獄絵彼岸講          辻江けい




     彼岸会の庫裏に白緒の下駄並ぶ         相澤勝子




     帰るたび母小さくなる彼岸かな         関根切子




     うらがへる高き法螺の音彼岸寒         中斎ゆうこ




     ☆ 浄土教(浄土思想)の考えから真東から上がる太陽が真西に
       沈む日を彼岸の中日に据えた前三日後三日を彼岸の期間であり
       その中日を春分・秋分の日となしています
       入日を真西(西方浄土)に拝み先祖の供養と自分の極楽浄土への
       到達を願う日と考えられます
       仏教国は多く有りますが彼岸の考え、法要は日本独自のようです

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3月 18日

2019-03-17 15:21:23 | Weblog
                  竹の秋・竹の秋風・竹秋




     有松の町裏竹の秋ひそと           細見綾子




     竹秋や女人くぐりし低き門          栗田やすし




     美術館窓百号の竹の秋            小長哲郎




     竹秋や耳元に振る嵯峨土鈴          都合ナルミ




     御手洗を囲ふ舟板竹の秋           鈴木みや子




     雨音にしづもる窯場竹の秋          伊藤範子




     一草庵背戸に広ごる竹の秋          豊田紀久子




     門柱に残る校名竹の秋            栗生晴夫




     立て膝のねねの座像や竹の秋         今井和子




     集落に残る環濠竹の秋            安藤幸子




     竹の秋雨にけぶれる奥嵯峨野         鈴木 文
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3月 17日

2019-03-16 15:39:46 | Weblog
             辛夷・幣辛夷・姫辛夷・やまあららぎ・田打桜・四手こぶし




     雨上がりたる本陣の花辛夷           栗田やすし




     青天のこぶしはじめは光なり          細見綾子




     紬織る手機の音や花こぶし           小島千鶴




     天竜を見下ろす古刹花辛夷           多々良和世




     木曽馬の瞳に映る花こぶし           下山幸重




     牛臭き風にほぐるる幣こぶし          上杉美保子




     行商の乗り継ぐ駅や花こぶし          八尋樹炎




     雲晴れて富士山麓のしでこぶし         小田二三枝




     鍵の手の残る宿場や花辛夷           奥山ひろみ




     天険に統合校舎辛夷咲く            神尾朴水




     花こぶし咲き満雨の寒山寺           松本恵子







    ☆ 和名「辛夷」は中国ではもくれんの事を言うようです
      辛夷はモクレン科モクレン属の植物ですから当然なのでしょう
      遠目で見てはすぐには分かりずらい辛夷と白木蓮ですが
      木の高さが5メーターを越していればほぼ辛夷だと思います
      辛夷は花びらの6枚 幣辛夷は9~30枚といろいろで
      “シデコブシ”という名前は、花の咲いた姿がひらひらとする、
      しめ縄などに付ける四手(幣)というお飾りに似ているところから付いた名前です


     



      幣(しで)辛夷




     風摶つや辛夷もろとも雑木山           石田波郷


     いつの間に風冷えて来し辛夷かな         星野立子


     辛夷咲き空の奥なる風の音            長谷川櫂


     夢の世と思ひてゐしが辛夷咲く          能村登四郎

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3月 16日

2019-03-15 14:44:25 | Weblog
               卒業・卒業期・卒業子・卒業生




     外套の裾ほころびて卒業す          栗田やすし




     卒業の金髪少女日本の名           沢木欣一




     花束に落とす涙や卒業日           河原地英武




     父に似る鼻筋凛と卒業す           磯田なつえ




     卒業歌をとめらの帯胸高に          三井あきを




     記念樹の細きを植ゑて卒業す         小栁津民子




     雲流る卒業証書筒に古り           小長哲郎




     卒業の袴を濡らす子糠雨           三田誠子




     土砂降りの雨に沈めり卒業歌         小原米子




     オルガンは昔のままよ卒業す         渋谷さと江




     卒業式体育教師大泣きす           服部達哉




    
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