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12月 22日

2020-12-21 15:01:46 | Weblog
                      臘梅・唐梅・らふばい・素心蠟梅


     臘梅を挿して床屋の大鏡          中村修一郎


     らう梅や陽の金色を吸ひつくす       谷口千賀子


     思惟佛に逢ふ臘梅の香を抜けて       金田義子


     臘梅の咲き満つ空の青さかな        加藤元通


     磨かれし東司に香る臘梅花         坪野洋子


     臘梅を離れてよりの匂ひ濃し        森田志げを


     臘梅の日差し明るき紙干場         武田稜子


     武家門の脇に臘梅錆び尽す         中根多子


     臘梅や枝にあふるる金の鈴         磐田啓子


     臘梅の透けて明かるき古窯跡        長谷川しげ子


     臘梅や寺の客間に武者隠し         山下智子


     臘梅に雨の滴の膨らめり          中藤溢子




          

          素心蠟梅(そしんろうばい)



     臘梅やいつか色ます昼の月         有馬朗人


     唐梅や粗雑嫌ひを一家言          秋元不死男


     酒蔵に天窓ひとつ素心臘梅         伊藤敬子


     ほとけ恋ひゐて臘梅の一二りん       鷲谷七菜子


     素心臘梅女人になぞへ齢いくつ       森 澄雄


     臘梅の匂ふ襖を開けて入る         本多 勝彦


     臘梅に訪へば尼僧も雪安居         長谷川久代



          

          

          東京は392人のコロナ感染者となりました 
          三密をお忘れなく密閉、密集、密接
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
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12月 21日

2020-12-20 15:10:31 | Weblog
                      冬至・冬至湯・柚子湯・冬至南瓜・一陽来復


          二十四節気のひとつで、北半球では太陽が1年で最も低い位置にきて、夜が一番長くなる日です。
          また一陽来復とも言い、中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、
          この日を境に再び力が甦ってくることから、陰が極まり再び陽にかえる日という意の
          「一陽来復(いちようらいふく)」といって、冬至を境に運が向いてくるとしています。
          つまり、みんなが上昇運に転じる日とされています



     子は遠し妻と二人の冬至粥         栗田やすし


     猪肉を煮る味噌焦げて冬至なり       細見綾子 


     職退くと決めて柚子湯に身を沈む      国枝隆生


     鉈で割るかぼちや匂へり冬至寺       金原峰子


     柚子風呂の柚子手で掬ひ匂ひかぐ      太田滋子


     朝空は和紙の白さの冬至かな        山 たけし


     柚子風呂の柚子見つめをり片思ひ      荒川秀之


     みどり子に冬至南瓜をつぶしやる      小島千鶴


     風呂の蓋あけて香ぐはし冬至の湯      吉岡やす子


     大南瓜かかへて来たり冬至寺        都筑恭子


     仏間まで日射し届けり冬至晴        田畑 龍


     蚕飼女の桑の木で焚く冬至風呂       篠田法子



          

          



     どうらんの堅さ冬至の楽屋かな       小沢昭一


     年長者の額に日当たる冬至句座       寺井谷子


     本送る底荷の冬至南瓜かな         黒田杏子


     子の臀を掌に受け沈む冬至の湯       田川飛旅子


     一陽来復の雪となりにけり         久保田万太郎


     一陽来復キューピー人形手をひろげ     村山古郷


     冬至粥ふつふつ煮えて帰り待つ       渡辺 竹子




          

          

          東京は556人のコロナ感染者となりました 
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12月 20日

2020-12-19 18:11:33 | Weblog
                        忘年・年忘れ・忘年会

          今年はコロナ禍の一年でした
          多くの忘年会の中止が聞こえて来ます、今年だけの我慢になって欲しい
          私も仕事関係を含めて3つの忘年会の中止、酒も弱くなったころころには良いのかも知れません



     原稿の未完のままや年忘れ         栗田やすし


     古書店にしばし寄り道年忘れ        河原地英武


     持寄りの酒利き分くる年忘         佐藤とみお


     教へ子に医師市議女優年忘         櫻井幹朗


     一升瓶抱へ飯場の年忘           森垣一成


     鮟肝や女同士の年忘れ           鈴木信子


     忘年会烏賊刺しの足動き出す        八尋樹炎


     釜飯のお焦げ分け合ふ年忘         日野圭子


     年忘れ笑ひ上戸の友ばかり         廣中美知子


     年忘れ蟹雑炊を吹きて食ぶ         関根近子


     忘年の一句を記す箸袋           鈴木みや子


     忘年の酒にとろりと来る睡魔        ころころ



           



     さかづきの底絵あやしき年忘        鷹羽狩行


     「美濃吉」の黒き柱や年忘れ        桂 信子


     宿替へて一つ海見て年忘          岡本 眸


     知り過ぎし忘年会の顔並ぶ         佐々木ちてき


     あなまたや忘年会の招き文         石塚友二


     いまだ師に仕ふる思ひ年忘         松崎鉄之介


     伊豆の湯はうつくしかりし年忘       山口青邨




          

          

          東京は736人のコロナ感染者となりました 
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12月 19日

2020-12-18 15:11:36 | Weblog
                       侘助・侘助椿

          一般的には侘助は椿のうち花弁の数が少ない小型の花を付けて、
          あまり平開しない種類を言います
          侘助の名の由来は諸説ありますが
           江戸時代の茶人・千利休の下男(使用人)の庭男の名前「侘助」にちなむという説。
          彼はこの花を丹精こめて育てていた庭師で、千利休はこの花を茶室に飾って愛でたと
          言われています



     侘助や妻着て一日富士眺む         栗田やすし


     青竹に詫助一枝禅の寺           村瀬さち子


     侘助や表札いまも夫の名          梅田 葵


     侘助や葵の紋の釘隠し           菊池佳子


     侘助やひび割れ深き楽茶碗         足立サキ子


     侘助や寺に絵工の墓一基          澤田正子


     侘助の落ち重なれり休め窯         豊田紀久子


     侘助や酒蔵と母ともに老ゆ         金原峰子


     侘助や雪見障子の音軋む          大嶋福代



          


     佗助を挿すとて据ゑぬ蕪徳利        水原秋桜子


     佗助をもたらし活けて通ひ妻        石田波郷


     わびすけの畳にこぼれひぐれけり      加藤楸邨


     佗助やちちの紬をははが着て        塩谷はつ枝


     侘助や褪せし葉書の男文字         谷口桂子


     侘助のひとつの花の日数かな        阿波野青畝


     佗助や障子の内の話し声          高濱虚子




          

          

          東京は664人のコロナ感染者となりました 
          三密をお忘れなく密閉、密集、密接
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12月 18日

2020-12-17 14:23:47 | Weblog
                     霜・初霜・霜の花・はだれ霜・強霜・霜だたみ・霜どけ

          東京は今シーズン初めての冬日、朝の散歩に初霜を見ました


     初霜や紫の玉みやげとし          細見綾子


     日の出待つ霜の藁塚地に充てり       沢木欣一


     師は遠し白鳥句碑に霜の花         栗田やすし      


     遠き日の軍靴のひびき霜柱         石原筑波


     霜の夜や秒針青く光りつつ         梅田 葵


     職引いてぽつぺん鳴らす霜夜かな      国枝隆生


     産声待つ霜夜の廊下行き来して       矢野孝子


     霜柱しやりしやりと踏む今朝の庭      中山敏彦


     手で払ふテントの霜や深山晴        中野一灯


     薄墨の筆ペン握る霜夜かな         伊藤範子


     寒天田まで敷板に霜の花          市原美幸


     爆笑の泥鰌すくひや霜夜更く        巽 恵津子


     休み田の霜のまぶしき朝かな        ころころ



          


      霜柱俳句は切字響きけり          石田波郷


     初霜や斧を打ちこむ樹の根つこ       秋元不死男


     百花園初霜の門ひらきけり         鈴木真砂女


     初霜や底より湧いて鯉の色         広瀬直人


     かまつかの霜や老妓の深ねむり       林 翔


     はらはらと霜へおとして火を運ぶ      今瀬剛一


     ひつそりと甲斐国分寺霜の中        福田甲子雄



          

          


          霜柱という植物です
          シソ科の多年草であり、枯れた茎に霜柱(霜華)が出来ることで知られる。宿根性
          花は9-10月頃に咲く。茎の先端側半分くらいの葉腋から総状花序を出す。花序の軸は真上に伸び、
          花はその軸に茎の先端側に偏ってつきます



          

          しもばしら(霜柱)


          


          東京は800人越えのコロナ感染者となりました、ここで本気で食い止めましょう
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12月 17日

2020-12-16 15:12:01 | Weblog
                        浅草寺羽子板市


          東京では、毎年12月18日が浅草寺の縁日にあたり、この日をはさんだ三日間、
          境内で開かれる。はじまりは、今から約350年ほども昔の江戸時代初期
          (万治年間・1658年)頃だという。



     観音へ羽子板市を抜けて来し           下里美恵子


     羽子板市手締めの声のよく透る          中山敏彦


     羽子板市富樫弁慶睨み合ふ            伊藤範子



          



     うつくしき羽子板市や買はで過ぐ         高浜虚子


     いくさあれど羽子板市につれだてる        森 光子


     青空の一枚天井羽子板市             鷹羽狩行


     羽子板市三日の栄華つくしけり          水原秋櫻子


     羽子板市月日渦巻きはじめたり          百合山羽公


     羽子板市の播磨屋と書く箱火鉢          遠藤 はつ


     灯の増えて羽子板市の艶めけり          阿部美恵子



          



     声かけぬ羽子板市の清水屋に           石田波郷


     この清水屋さんは雷門に入って仲見世の右手、最初のお土産屋さん「清水屋」
     唯一俳誌を扱ってました「雲母」「沖」「河」あと数誌有ったと思います
     そこの主が「雲母」の同人伊藤黄雀さんでここを通る俳人は俳誌が並ぶのを見て
     ほとんど黄雀さんに声をかけて行ったそうです
     私も26~7才の頃、ここまで俳誌を買いに来ては黄雀さんとおしゃべりして
     帰ったのを思い出します。もう代替わりをしてお土産専門になって屋号も変えて
     現在でも商っています
     江戸時代末期に絵草子屋として始まった仲見世でも古参のお店です



     荷風忌の踊り子がガムを噛む楽屋         伊藤黄雀



          

          

          清水寺 貫主 の書かれた今年の漢字は【密】となりました
          これからも密にならず、手洗い・うがい・そしてマスクの着用で自分と大切な人を守りましょう 
          今日の東京のコロナ感染者は678人 重症者は67人 決して慣れてはいけない数字です
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12月 16日

2020-12-15 14:01:23 | Weblog
                       鰤・寒鰤・鰤揚げ場


          最近では「夏が旬」とうたうブリのブランドも登場していますが、
          天然の大物、ブリが美味しくなる旬の時期はたっぷりと脂を蓄え南下する12月~2月の冬が旬。
           この時期のものは「寒ブリ」と呼ばれ非常に人気が高い。 この時期は主に日本海側で沢山穫れ、
          太平洋側では少し遅れ2~3月に多く水揚げされます。



     鰤あげ場提灯をどる男の肩         細見綾子


     水槽にゐて寒鰤のあらはなり        栗田やすし


     風音の雨に変はりし鰤大根         梅田 葵


     皺の手で大鰤捌く朝市女          武藤光晴


     だみ声を張つて初鰤糶り落す        篠田法子


     寒鰤や北陸日和はやくづれ         石原筑波


     寒鰤の跳ねて市場の水たたく        山たけし


     舌先にさぐる小骨や鰤大根         中野一灯


     三尺の鰤熨斗つけて売られをり       市原美幸


     寒鰤のうろこを剝がす金束子        森 靖子


     寒鰤のかま断つて出刃曇りけり       大島知津


     
          

          



     酒すすむ氷見の寒鰤刺身かな        山口耕堂


     寒鰤や飛騨を越え来し塩こぼす       中澤康人


     寒鰤に一句授る魚市場           鈴木真砂女


     鰤大根子はいつ酒を覚えしや        田村糸女


     文芸とは飲むことなりし鰤大根       鈴木鷹夫


     年取の大鰤梁につるしたり         滝沢伊代次


     鰤敷に八重の高浪たゝみ来る        鈴鹿野風呂



          

          

          清水寺 貫主 の書かれた今年の漢字は【密】となりました

          これからも密にならず、手洗い・うがい・そしてマスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
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12月 15日

2020-12-14 13:58:11 | Weblog
                       襤褸市・ぼろの市・世田谷襤褸市


         例年ならば12月15日16日で行われるはずの襤褸市ですが、このコロナ禍により
         今年は中止になりました。安土桃山時代から楽市として有ったものです
         元々は古着の売買が盛んに行われたことから、明治時代に「ボロ市」の名が付いた
         現代では古着のほかに、骨董品、古本、植木、食料品、神棚、玩具、寝具、新品の衣類、
         生活雑貨などが売られている。周辺の常設飲食店にはボロ市に合わせて臨時メニューを出すところもある 
         世田谷ぼろ市では「ボロ市名物といえばやはり代官餅」この代官餅は昭和50年(1975年)の発売開始から
         その場で蒸してついた温かくてボリュームあるお餅を食べられることから、ボロ市を代表する名物として
         親しまれています。ボロ市のときだけ食べられるこの代官餅は、あんこ、きなこ、からみの3種類で、
         各600円で発売されています。



     ぼろ市に若きひばりのブロマイド       佐藤とみお


     ボロ市や鈍き光の銀食器           鈴木みすず


     ぼろ市に売る軍服の金ボタン         関根切子


     一書欠く花の図鑑やぼろの市         森垣一成


     並べ売るマリアと仏ぼろの市         幸村志保美


     ぼろ市や客を横目に股火鉢          小長哲郎


     襤褸市や銀のピアスの量り売り        奥山ひろみ


     刀剣の目利き談議やぼろの市         松原和嗣


     蘆溝橋の号外売らる襤褸の市         岡島溢愛


     ぼろ市や額縁入りの質の札          生川靖子


     鐘馗さま路地に腕くむ襤褸の市        佐藤喜美子


     ぼろ市のランプ灯して売られけり       ころころ



           



     ぼろ市のピカチユウは日をひとり占め     小原希世 


     ぼろ市の木魚と坐る嫗かな          水原春郎


     ボロ市に来て遊びをり昼芸者         村山古郷


     襤褸市や大学芋の金色に           辻 桃子


     ボロ市や湯気の中より笹粽          小林実美


     ぼろ市の客も膝つく赤絵皿          林 八重子


     ぼろ市の叩いて鳴らす鳩時計         大谷長平



          

          

          清水寺 貫主 の書かれた今年の漢字は【】となりました

          これからも密にならず、手洗い・うがい・そしてマスクの着用で自分と大切な人を守りましょう 

          今日の東京のコロナ感染者は305人 重症者は73人 決して慣れてはいけない数字です

          
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12月 14日

2020-12-13 14:28:30 | Weblog
                       山眠る

          山眠るとは中国の「臥遊録」の「冬山惨淡として眠るが如し」から》冬の山の
          静まり返ったようす
          秋は「山粧ふ」、春は「山笑ふ」と、擬人法の典型のような季語であり、夏は「山滴る」でですが、
          これは季語としないという意見もあって、歳時記によっては掲載の無いものも有るようです


     うつすらと裾見せて富士眠りをり      栗田やすし


     ふところに火止めの窯や山眠る       矢野孝子


     うす雲を被りて伊吹山ねむる        福田邦子


     殉教の谷の十戸や山眠る          山下智子


     山眠る火気厳禁の札立てて         斉藤真人


     崩落のあとまざまざと山眠る        平松公代


     山眠る吉良の忠死の家臣の碑        井沢陽子


     土石流家呑みしまま山眠る         田畑 龍


     家ごとに墓ある村や山眠る         牧 和代


     基地の山眠る弾薬庫を抱へ         安藤一紀


     城壁に混じりし化石山眠る         砂川紀子


     瀬の音も細くなりたり山眠る        森 妙子



          



     肘張りて眠れる山の比叡かな        岸 風三楼


     火の山や噴煙あげしまま眠り        水原 春郎


     いくたびも虹を吐いては山眠る       高野ムツオ


     山眠り石で囲ひし楮畑           大峯あきら


     山眠るとはよく水に映ること        今瀬剛一


     眠る山より松一本を抱え来る        寺井谷子


     薄目せる山も混りて山眠る         能村登四郎




          

          

          これからも密にならず、手洗い・うがい・そしてマスクの着用で自分と大切な人を守りましょう 

           今日の東京のコロナ感染者は480人 重症者は70人 決して慣れてはいけない数字です
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12月 13日

2020-12-12 14:24:51 | Weblog
                       冬牡丹・寒牡丹  


     寒牡丹寒さのひゞくくれなゐか       細見綾子


     地の冷えに牡丹花びらこぼさざる      沢木欣一


     もの焚けば綾子師のこと寒牡丹       栗田やすし


     藁内に漲る気息寒牡丹           下里美恵子


     花びらに風のさざ波寒牡丹         梅田 葵


     被せ藁の頭に雪残る寒牡丹         荻野文子


     寒牡丹息するやうに揺れてをり       小島千鶴


     冬牡丹散りしく土の匂ひたり        倉田信子


     敷藁に湯気の立ちゐる寒牡丹        森田とみ


     逃げ易き窯場の日差し寒牡丹        八尋樹炎


     裏山にまはる陽射しや寒牡丹        松原英明


     寒牡丹苞の奥まで日の差せり        河井久子



          



     念力のややに傾ぎし冬牡丹         山田弘子


     日と月のごとく二輪の寒牡丹        鷹羽狩行


     夕かげの蕊にましゆく寒牡丹        有馬朗人


     寒牡丹つめたき風をよろこびぬ       黒田杏子


     冬牡丹をみなに喪服うつくしき       安沢静尾


     寒牡丹この叫びにも似たる紅        能村登四郎


     そのあたりほのとぬくしや寒牡丹      高浜虚子



           


           

           れからも密にならず、手洗い・うがい・そしてマスクの着用で自分と大切な人を守りましょう 
           今日の東京のコロナ感染者は過去最高621人 重症者は68人 決して慣れてはいけない数字です
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