カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

ウェブ進化論/梅田望夫著(ちくま新書)

2006-08-17 | 読書
 ひとことで言ってしまうと、元気になる人とがっかり肩を落とす人とに分かれるのではないか。こちら側とあちら側のどちらに現在自分がいるかということで、その驚きは違うはずだ。まあ、当たり前だが、僕らはこちら側の社会に住んで生計を立てているわけではあるが、既に生活上はあちら側の恩恵を受けている、はずだと思う。これは多数決の問題で、一気にあちら側にみんなが行ってしまったときに、恐らくこちら側は崩壊する。その破壊力を思うと、劇的であるばかりでなく、空恐ろしい。たぶんホラ話だったはずのことが現実化しようとしている。そのリアリティのあるなしで、この本の評価は決まるのではないか。
 正直に告白すると、僕自身はIBMがパソコン事業部を中国の会社に売却した時に、アメリカの技術産業の斜陽化を感じたものである。しかしながら、その認識が完全なる誤りであったと、この本で知ることになった。かなりガツンと本気で頭を殴られた気分である。また、技術大国日本の将来のことを思うと、この本を読む前の自分と今の自分の葛藤を上手く整理できないことも事実である。Web2.0の破壊力は凄まじいし、この考え方を実感を伴って利用できることは、格段の能力を手にしていることと等しい。自分自身を高みに持ち上げたい。可能性として本当にレベルアップしたいという野望を持つものにとって、あちら側の可能性は、計り知れない魅力を放っている。その結果、自分自身がどうなってしまうのかはよくわからないのだけれど、知らないでいる人にはたどり着けない世界の住人になっていることは間違いがない。脅かして言うと、そういう感じである。
 この感覚がわかるかわからないか、ためしに読んでみてはどうだろう。いくらなんでもそんなはずはないよ、と思うか、激しく反発するのも、僕には理解できる。僕だって、とんでもない話だと思う。しかし、このリアルさはなんだろうとも思う。既にこの世界は現実化している。ただ、圧倒的なこの流れの中に、ほとんどの日本の会社はまだ移行していない。いや、ひょっとすると移行できないかもしれない。日本というスモールネットの中でいる分には、その可能性は残されているが、あちら側が巨大化したあとでは、恐らく未来を失うだろう。カギを握っているのは、僕より若い世代次第だろう。そこのあたりが、なにより革命的である。
 このホラ話をあえて必読書にしたい誘惑にかられて、強力に推してみたい。ライブドア騒動なんて、所詮こちら側の出来事だったと気づくだけでも、凄まじい衝撃が走るのではないか。恐ろしくもあるが、やはり僕は元気になった。Web2.0という考え方は、限りない豊かさがある。少年の頃の夢のように輝いている。その原点には幼稚な部分はあるにせよ、無邪気に人を取り込み、呑み込んでゆくのかもしれない。それは、大衆が創造する未来像である。そして、人間とは想像力を現実化することをしたがる癖があるのだと思う。手塚治虫が想像した漫画が現実化したように、想像できてしまった世界は、現実可能な未来像なのである。

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