カワセミ側溝から (旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

とうとう就職致しました   朝霧

2018-08-10 | 読書

朝霧/北村薫著(創元推理文庫)

 主人公の私は、大学を卒業し出版社に就職する。そこで文壇の大家のような先生と俳句談義をしたりする。多少衒学のケがあって、凄すぎてどうなんだか。僕にはとても同意できるほど教養が無い。まあ、面白いんだろうけど。また、近所の校長先生までした人が俳句教室で教えるのをやめるという理由にミステリが絡んでいる。
 この話で思い出したのは、ある知人の父親のことだ。同じように娘が雑誌のグラビアだかヌードで出たらしかった。田舎だからものすごく話題になったが、なかなか手に入らなかった。地元の本屋などで買占めがあったらしく、それが他ならぬその父親であるという噂だった。まあ、そういう話は隣町でも聞いたことがあるので、実際にありふれたものなのではなかろうか。もちろん娘を支援して、売り上げに貢献したいとかいう話では無い。なんとなく哀れである。
 二話目はリドル・ストーリーという物語の結末を読者にゆだねるタイプの話で、ある話の結末を推理するというもの。もちろん円紫さんは見事に当てる。しかしながらこのタイプの結末当てについては、答えが違ってもいいと思う。その人の考え方が反映されるので面白い訳で、必ずしも当てることが目的では無かろう。そうではあるが、やはり円紫さんの答えが一番すごい(だから正解)訳だが。
 この話で思い出すのはクイズ・ダービーの「はらたいら」だった。砂漠を旅する男が、いわゆる激しい性衝動を覚えた。しかし砂漠である。仕方ないので連れているラクダとやろうと考える。しかしラクダは激しく抵抗して、させてくれない。そこにバギーに乗った絶世の美女が通りかかる。彼女は親切に、困ったことがあったら何でも言うことを聞くという。男は女に何を頼んだか? これを「はらたいら」は見事に当てた。本当は考えて欲しいが、簡単ではないので種明かしする。暴れるラクダを押さえて欲しいと頼むのである。
 三作目は忠臣蔵を巡る話といっていいかもしれない。それに暗号のような謎解きが絡む。祖父の日記に書かれていた暗号を解こうというのである。もちろん故人なので本人に確かめようが無い。生きていたら日記を読めたか分からないが。さらに当然ながら文学的な遊びがある。まあ普通に考えて簡単では無い。泉岳寺まで行ったりして、なかなか楽しい訳だが、円紫さんにヒントをもらって私は自力で解いてしまう。かなり凄いですね。
 前作の「六の宮の姫君」の続編的な作品になっているらしい。これは読んだはずなのだが、記憶が乏しい。買ってもっているのは間違いないが、本棚で見つけられない。また買うべきかちょっと迷っているところである。
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