カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

やっぱり若い恋愛ってのがいいのかも   君と100回目の恋

2021-10-02 | 映画

君と100回目の恋/月川翔監督

 同じバンドメンバーで幼馴染の陸と葵海(あおい)は、お互い好きあっていながら、なんとなくすれ違いをしている。そうして葵海は他のメンバーから暗に告白されるに至ると、それがもとで親友との中もおかしくなり、精神不安定になり交通事故でおそらく死んでしまう。ところがそこから意識は過去に戻って、居眠りして注意された教室の場面からになっている。見覚えあることが続いていくが、微妙に以前とは違う内容のことが起こるようになって……。
 いわゆるタイム・ループもの。葵海がタイム・ループに陥ったものと考えていると、実はそのループは、陸のものと連動していることがわかることから、本当に濃密な恋愛劇に展開していく。それは何度も繰り返される理由がある、というお話。
 なんとなく恋愛の精神的なポルノという感じもしないではないが、まあ、そういう目的で見る人が大半だろうから、それでいいのである。しかしながら、女の子は天然なんだろうが、そういう自分に酔っているということも言える。彼女が彼を思ってやる行動の選択が、究極の愛でもあるということなんだろう。僕はもう少し努力して、なんとかならないかな、とは思ったけど、これが美しい選択ということなんだろう。しかしながら、何しろループすることで、いわゆる歴史は塗り替えられているわけで、だとすると、ふつうは未来は塗り替えられるんじゃないか、と考えられないだろうか。まあ、それではお話にならないのかもしれないけれど、うまいアイディアがあれば、本当にハッピーじゃないだろうか。誰かそういう脚本書いてください。
 Miwaは本当のミュージシャンだし、演出がかったバンドの演奏だけれど、ちょっとした臨場感があって、割合そういうのはいい感じではある。他のベースやドラムを演奏している俳優さんも、なんとなく本当にやっている感じがある。そういうドライブ感が物語のすがすがしさのようなものを演出できている。まあそういうのは、僕が過去にバンドやってた懐かしい気分と相まってそう感じたのかもしれないけど、実際僕の体験したものはこういうバンドでは全然違ったのに、いいものはいいんですよね、はい。
 もう僕らの時代以降の学生さんというのは、苦学のかけらも感じさせられるものはなく、お金もそこそこあって、何か将来の期待や不安に押しつぶされる風でもない。そういうのってアメリカ映画の世界だけの話だと漠然と思っていたけど、これも日本で自然になった。やっぱり時代は変わったんだな、と改めて思ったのだった。
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