カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

ただ頑張るのみでなく

2007-12-28 | 雑記

 O島さんの案配で、マンザイさん親子が我が家に泊まりにきた。一晩いろんな話をして、最近の香港のこともだいぶん理解できた。世の中というのはダイナミックに変わる。そんなに変わんないと思っているほうがどうかしている。香港に限らず、十年前と今とを比べて見ると、驚くほど世の中は変わってしまったようにも思える。お互い薄くなったり腹が出たりしているように…。
 さてしかし羨ましいなあ、と思えるのは、やはり職場の環境。日本の不合理というのはいぜんから言われ続けていることではあるが、つくづく不合理なままだなあと思う。決済ひとつとっても、あちらはいかに自由かということが良く分かる。それぞれの仕事について分担がしっかり任されており、失敗には厳しいが、やりがいがあるという感じ。商慣行ではいわゆる賄賂社会という側面もないではないらしいが、基本的に実力社会。実に働きやすくて、日本人も一度この香港合理主義の中で仕事をすると、日本に帰るのが億劫になるという。生活面では日本も快適なのだが、仕事のことを考えると憂鬱になる日本人も多いらしい。何も水が合うから海外で暮らせるわけではなくて、人間の精神衛生上、働きやすいというのは本当に大切なことなのではなかろうか。
 もちろん日本にもいい面があったり優れているものも多いことだろう。割り引いて考える必要もあるとも思う。しかしこと仕事いうことについて思うのは、日本のシステムというか団体主義の習慣は、あまりに不合理すぎると思う。自分の仕事が終わったら、さっさと帰っても何の気遣いが必要なわけはないし、仕事以外のプライベートで仕事関係者と集まって飲みにいく必要もない。そういうことは非常に当たり前なんだけれど、日本の社会にいると、やはり当たり前でなくなってしまう。ちっとも良くないことであっても、そういう暗黙の習慣を打開する手立ては非常に少ない。
 税制改革をして内部で節税できない構造を切ってやると、もう少し雇用形態も自由になって、個人の消費が伸びるのではないかと思うが、不公平だと声をあげる人も多いのだろう。日本のサラリーマンは(たとえ雇用している者でも会社から規定の給与をもらっている以上は同じようなものだ)基本的に丁稚しているのである。そしてさらにその状況を利用して、政府は税金をまた取ろうともくろんでいる。年金や保険は税金ではないと知った顔で言う役人は詐欺師だ。国民皆保険である以上、税金と性質はまったく同じものではないか。夢も希望もないから第三の税金といわれる宝くじまで買わせられる。金銭的に完全に統治下に置かれている国民は、どうしてこうもおとなしいのだろう。
 当たり前だが、今後も優秀な人材は日本から流出する一方だと思う。日本語の壁があるから何とかとどまっているのが現状であって、今後もそうでありつづけるかということでは必ずしもいえない。しかし製品自体は言葉を必要としないものが多いので、電化製品などは日本で製造しても流通することが今までは出来た。しかしそういう技術商品だけで生き残るのは、今からはニッチなものだけになっていくだろう。最先端より普及が先にあって、普及後に当たり前に水準が高度になるというのが今後の偽らざる流れである。日本の技術のいいところをいかに普及版として流通させえるか。そういう冒険をできるだけ多く出来るという柔軟性が、今後の鍵を握るだろう。つまり集団で多くの人が理解できるようなアイディアなんて、将来性がないというお墨付きがついているというだけのことだろう。上の人間の多くはぜんぜんそのことに気付いていない。気付いている人間が将来を制覇する。そのためにも人間の合理性と柔軟性をもっと信用してもいいのではないか。現実をリアルに見る目をもつためにも、もっと見聞を広げようではないか。
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