カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

日本だと試合さえさせてもらえないだろう   がんばれベアーズ

2020-08-07 | 映画

がんばれベアーズ/マイケル・リッチー監督

 いろいろと問題のある少年を集めたチームのコーチを頼まれたアル中のプール清掃員は、元マイナーリーグの選手だった。やる気も無いが金をもらった手前、どうしようもない少年たちを相手に曲がりなりにも指導するが、やはりどうにもならず試合にすらならない。仕方がないので、ものすごいカーブを投げることができる元付き合っていた女の娘を引っ張り込み、更にバイクを乗り回す強打者の不良少年もチームに引き入れ、このとびぬけた力を持つ二人のおかげで、ベアーズは快進撃で連勝するようになるのだった。
 日本だと、いわゆるスポ根になりがちな少年野球の物語が、結局そんなに練習を積まなくて強くなっていく。最初からあんまりやる気は無いのだが、いわゆる民主的で、基本的に子供たちの言うことを聞いてくれるダメアル中の元マイナー・リーガーだった。そうではあったが、それがある意味でこのダメな子供たちにとっては、悪くない大人だった。しかし実際はよく野球を知っていて、実は勝ち方を知っている。そうして実際に勝ち進んでいくようになると、更に欲を出すようになる。それで選手起用も極端になり、妙な不協和音になり、チームは空中分解を起こしてしまう。そうして墜落炎上したことによって、逆にチームがまとまってしまうという結末に、驚きと喝采があるのだ。
 当時この物語は大ヒットして、続編が二編も作られた。その後リメイクもできた。続編の一つは日本遠征編で、欽ちゃんなども出ている。特にテイタム・オニールの人気が高く、日本でも亜流の少女ピッチャー物語があったのではなかったか。ソバカスが多く、いかにもアメリカ的な少女でありながら、やはりとてもかわいいのである。後にマイケル・ジャクソンとの付き合いが話題になり、そして結局テニス界の暴れん坊ジョン・マッケンローと結婚した(のちに離婚)。僕も当然子供のころこれを見たわけだが、なんだかよく理解できていないまでも皆と一緒に熱中した。今見直すと、なかなかやっぱりいい作品で、結果的に子供たちのことをよく描けている。これだけ無茶苦茶な野球少年であっても、やっぱり野球が好きなのだ。また、相手チームの大人たちの都合に反発する少年の姿も印象的で、試合を左右する重大なことをするが、そういうのはとても日本では許されない行動でもあり、やはりアメリカの自由さを見事に表している。
 不良少年にも良心はあるし、ろくに能力のない少年にもプライドはある。物語の処理の仕方が実に素晴らしい。まあ、結果的になんか面白くなっちゃったな、という変な作品なんだが、ブームになる素晴らしさは確かにあったのである。
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