カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

実は超人男は平凡を好む   Mr.ノーバディ

2022-11-10 | 映画

Mr.ノーバディ/イリヤ・ナイシュラー監督

 ある意味で規則正しく変わらない毎日を送っている平凡で地味な男の家に、二人組の強盗が入る。息子は果敢に立ち向かい取り押さえられそうになるが、父親は何故か反撃の手を貸さず、取り逃がしてしまう。この事件は近所でも会社でも評判になり、男の株はガタ落ちになる。男はしたかたなくそれを受け入れていたが、小さい娘が猫の首輪を取られたというので気が変わり、急に目つきが変貌して強盗の一人のちょっと見えていた手首のタトゥーの記憶から、強盗犯の家を突き止めて、猫の首輪を取り戻そうとするのだったが……。
 情けなく弱々しい平凡な男が、実は過去に何かがあり、強靭なマッチョマンだったというアクションものである。こういうのは一種のパターンとして、日本の少年漫画ではおなじみなのだが、まあ、そういうものだということで観る分には、楽しい作品である。何しろ荒唐無稽な話だから留飲が下がるのであって、そのままみじめなら何のカタルシスも無かろう。
 さらにこの超人マッチョマンは、しかしそれなりに戦いながら傷つくのである。ふつうはこれくらいのダメージを受けると、即入院なり手術が必要なレベルだが、妻から手当てしてもらう程度で、見事に復活する。敢えて言うなら、強いは強いが圧倒的に強すぎない危うさがあることが、アクションの見どころになっている。また年老いた父親や、謎の仲間も手伝ってくれる。相手はちょうど今どきの状況に合わせたかのようなロシアン・マフィアで、重装備の上に、実にあくどい連中なのである。
 それにしてもたくさんの人が死んでしまうけれど、さらに警察には捕まるけれど(最初からそれは明示されている)、おそらく彼は無罪になるのだろう。ふつうはいくら何でも過剰防衛だし、ロシアン・マフィアも他の連携もありそうだけどね。ああ、言ってしまったが、そういうことは言わない前提で楽しんでくださいませ。
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