カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

みんなための公園の消失

2023-08-19 | net & 社会

 公園が使えないのだという。どういうことかというと、禁止事項が多すぎるためだ。広い公園で遊歩道も整備されている。そこで子供がスケボーを持っていくと、知らない人が駆けてきて「駄目だ駄目だ」と叱られる。人もまばらだし危険では無いが、禁止ならある程度は仕方がない。ところがこのまちにある公園のすべてで、スケボーはそもそも禁止であるそうだ。スケボーするなら自宅の駐車場などでやるしかないのだろうか。基本的にはスケボーをしてもいいところへ、親に車に乗せてもらって隣町など遠くまで行くほか無いという。
 禁止になったのは近所から苦情があるからだという。町内会長さんのような人がコメントしていたが、スケボーの音は、関係ない人にとってはうるさくて仕方ないのだそうだ。公園を利用する他の人の危険の為ですらなかったのか……。
 近頃の行政の設置している公園の多くは、ボール投げなども禁止しているところが多いらしい。小さい子供と柔らかいボールを投げ合っていると叱られるという。これも危険というより、何かあると困るということか。
 他にもベンチで長く座るのが禁止だとか、妙なものも多い。不審な人を警戒しているのかもしれない。ホームレスにも来てほしくない、ということか。
 住宅街の近くにある公園は、事実上閑散としている。利用している人が稀なのは、禁止事項が多くて子供が遊べないからである。遊具は危険なので使用禁止のテープが張り巡らされている。動くものを子供が利用して、怪我をすることがあるためだという。ある程度は、とも思わないでは無いが、そもそもブランコなども、利用の仕方を少しでも守らないのなら、基本禁止なのだ。年齢制限もあるので、大人は最初からNGである。
 そもそも公園が多く作られるようになったのは、高度成長期に子供が道路で遊んで事故に巻き込まれるケースが多く、なんとかならないか、というところからスタートしたとされる。道路でしか遊ぶ場所が無いのだから、せめて公園を作ろうということだったのだ。そうして子供が遊ぶようになると、そこでも怪我をするので禁止が増えていった。公園で遊ぶ子供さえもいなくなってしまったのだ。
 ただし、地域住人が公園を大切に扱い、禁止事項のほとんど無いところも存在する。地域住民は公園でバーベキューをして、地域行事をして、清掃を行う。ここを使う人には、特に禁止事項が無い。それは自分たちが利用するための場所だからだ。
 自分のための公園が無い。それは自分たちの公園ですらない、ということなのだろう。行政の管理する公園は、だから一般の人のためのものではないらしいのであった。
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