カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

マッコウクジラVSダイオウイカ

2023-06-06 | Science & nature

 鯨とイカが戦っている絵というのは、子供のころから見た覚えがある。深海にはまだ、未知の生物がうようよいて、しかしその姿を確認することは困難である。しかしながら時には漁師の網や、陸に上がって来る死体などで、体長10mを超える巨大なイカがいることは知られていた。そのダイオウイカという存在は、近年深海をさぐるカメラなどに一瞬であるが姿を現すという記録がとられるようになっている。
 また新海深くまで潜るらしいというマッコウクジラの体には、時にダイオウイカのものと思われる巨大な吸盤の跡がついていることがある。その事からも、マッコウクジラとダイオウイカは、深海において戦いの場があるらしいことは確実視されていた。しかし実際にその映像が撮られたことも無く、もちろん目撃したという情報も無い。あくまでそれは想像上の壮絶な戦いに過ぎなかったわけである。
 ところが、ある時マッコウクジラの群れが水上近くまでひしめき合って、何かを捉えている様子がうかがえる撮影が成功した。これこそダイオウイカとマッコウクジラの戦いの場面であると期待されたのだったが、そこに見られたのは、既にダイオウイカの足の一部とみられる残骸のみであった。もっともマッコウクジラの個体の中には、大きな吸盤の跡が物々しく残されたものも確認された。
 これらのことから、マッコウクジラはダイオウイカを集団で捕獲して食べているということが考えられた。戦いが行われていることは確実だが、基本的にはマッコウクジラが、ダイオウイカを捕食する図式であるようだ。いわば集団で分け合って食べる、巨大なごちそうなのかもしれない。
 ともに巨大な存在なので、食うや食われるかの壮絶な戦いであればという期待もほのかにあったのだが、集団で狩りもすることができるマッコウクジラの方に、軍配はあがったということなのだろう。もっともまだ決定的な捕獲の映像が撮られた訳ではない。あくまで空想上のことかもしれないが、深海では壮絶な戦いが繰り広げられているのかもしれないのであった。
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