カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

長命なる昆虫の神秘

2020-02-26 | Science & nature

 問題です。:
  1. モンシロチョウ  2.カブトムシ  3.ミンミンゼミ 
 このうち一番長生きするのはどれでしょうか。

 これはあるテレビ番組でやっていた問題。さすがにほとんどの子供は正解したが、答えは3.のミンミンゼミ 約7年の寿命があると考えられている。1.モンシロチョウは数か月。カブトムシは一年程度だ。
 しかし疑問に思うだろうことは、主に僕らから上の世代かもしれない。こどものころにセミの寿命は一週間程度(実際は1月ほどらしいが)だから、むやみに殺生すると可哀そうだ、という理由で変な大人たちから叱られたりした。でもまあ僕ら子供でも、セミの成虫というのは特殊な時期で、餌も食わないで生殖のためだけに生きているほんの一時期を指すことくらい、後で図鑑などを調べて知っていたものである。そんなことも知らないバカな大人に叱られる不条理に耐えながら、それでもせっせとセミを捕まえては、ひもに結んだりしていじめた上に、無駄な殺生を繰り返して遊んだものである。罪深いのは確かで、僕らは決して極楽へは行けないことだろう。
 そういう意味で、昆虫の中でもたいへんに長命を誇るセミたちであるが(中には17年生きる奴などもいるらしい)、このセミたちより長く生きる昆虫もいるという。
 それがシロアリだそうで、何と50年生きるものがあるという。
 これも実は特殊なもので、白アリの巣には一匹だけ王がいるのだが、この王が50年ほど生きるらしい。女王もいるが、これは自分のクローンで何度でも再生することができるようだ。そうしてたくさんの子供たちも生む。
 ともかく、自分たちの王国のために社会性を作って生活しているシロアリが、結果的にしぶとく長生きをする(繁栄する)というのは、興味深いことである。
 しかしながら同時に、アリクイなどシロアリを専門に捕食する動物もそれなりにたくさんいる。たくさんいるから主食として捕食の対象になり、食われる対象であるからこそたくさん生まれてくる必要もあるのかもしれない。人間にとっては厄介な生き物かもしれないが、シロアリが支える社会というのは、自分たちだけでなく、何かシステムとして巨大なものなのではなかろうか。
コメント
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