「いつやるか、今でしょう」という言い回し(またはそれに類似する言い回し)がネット上に増えてきて、いったい何だろうとずっと不思議に思っていたのだが、林修という予備校の先生のCMだったんですね。遅ればせながらつい最近知りました。本家本元はさすがにインパクトがあって、流行るはずだなあと感心してしまった。多くの人が感じていることだろうけど、この先生の表情がなんとも「イラッ」とさせられるところがまた良いんだろうと思う。挑発させられてなお且つそうだよな、という説得力もある。素晴らしい。
しかしながら言い回しは多少違うとはいえ、「やるなら今」だとか「今やらずにいつやるの?」とかいうような言い回しは、繰り返し聞かされ続けているように感じる。本当に繰り返し繰り返し聞いてきたから、僕も何かの折に使うことがあるようだ。
古い話だが敬愛するTキくんは「今できるものであっても、明日に伸ばせるものは今やらない」と言って僕を呆れさせたが、人間の先延ばしの感情というのは、実際にはよく理解できることだ。〆切りギリギリの方が、刹那的な感情も集中力も十分の時間が無いといういい訳も揃っていて、都合がいい。今やるべきことを今やるというのは、実は大変にハードルが高く、なおかつ難しいことの様である。そこをイラッとする感じにつかれることで、かえって楽しい気分になってしまうのかもしれない。マゾっ気があるけど、なかなかの魔法の言葉遣いである。
でもまあ、僕まで知ってしまったということを考えると、既に旬では無いんだろうな。かえって使いづらい言い方になってしまったのかもしれなくて、ちょっとだけ残念である。