カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

不都合な真実

2011-08-21 | 境界線
 録画していた科学番組を見る。太陽の黒点の観測により、現在の太陽活動の異変について紹介されていた。かいつまんでいうと太陽活動は11年周期で正確に活動の強弱があるとのこと。しかし歴史を紐解くと近い過去(1640~1700)に「マウンダー極小期」といわれる11年周期と外れる活動の弱まった時期があり(番組では70年と言っていた気がするが)、日本では飢饉になりヨーロッパの河川は凍ったといわれる。実は現在の黒点の状況から11年周期に乱れが見られることと、活動の弱まりが観測されているとのことだった。マウンダー極小期と同じような期間寒冷化するのかどうかは予断を許さないところだが、現在の政治的な思惑から見ると「不都合な真実」というもののようである。細かいメカニズムで解説すると、太陽活動が弱まることにより太陽の磁場で守られていた力が弱まり、宇宙線が直接地球に達する量が増えるようになって雲が生まれやすくなり、結果的に寒冷化するというものらしい。面白いが困ったものだ。
 それにしても厄介なのは、まともな科学観測というものであっても、結果の異なる根拠を元にしている立場が存在すると言うことだろう。どのような答えが正しいのかというのは後の歴史が証明するものではあるが、現在の人々はその予測に右往左往させられる。結果的に判断を誤る。それは恐怖感の強いほう、または実感の強いほうに流されるからである。人間は自然の前にあまりにも無力だが、人間の感情はそれを認めない。ただそれだけのことだから、予想は併記して対応するしかないのだと思う。それでは駄目だと活動家は言うだろう。しかしそれは単なる信仰で、科学とはなんら関係ない。人間はむしろ科学的な判断よりも感情的な判断に振り回される所以である。それは科学的に証明されている人間らしさであり、そうであるなら止めることは不可能だろう。つまり科学者は黙ってしまうと言う理由なのである。
コメント
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