カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

新人とベテラン

2007-07-21 | 雑記
 東京に来て大変に涼しくて過ごしやすかったのだけれど、最終日だけは少し気温が上がった。会議の会場は一箇所だけではなくて、少しだけだが移動がある。その少しの移動で汗をかく。背広姿なので汗をかくと長い時間不快なままである。早く年を取って引退したいと切に思う。秩序を重んじる大人社会の人間の世界は住みにくいのである。

 僕は都市部に行くとあんまりタクシーには乗らないのだけれど、今回は二度ほどタクシーに乗った。その一度目はタクシーに乗って二日目だという新人さんだった。笑顔はすばらしいが、あらゆる場所はちっとも分からないなどという。それは困ったことだが、乗ってしまったものは仕方が無い。いや、そんな人でもつとまる仕事なのだろうか。
 東京のタクシーは、だいたいの場所に行くためのもので必ずしも目的地に着くための乗り物ではない。特に行き先が分からないときに乗っては駄目で、しっかり調べて案内する自信が無ければ乗れたものではなくなってしまった。ホテルなどに帰るのには使えるけれど、どこかにいくのには使えない乗り物である。
 さて、道がぜんぜん分からないといわれても、こちらも道なんて知らない。あせらせても仕方が無いと思ったのか、同乗の仲間が世話話を始めた。運転手さんはもともとの田舎はどこですか。と聞くと、「田舎はないのですよ」という。「生まれも育ちも東京なもので…」ということで、話が続かなくなってしまった。何でそんな人に僕らが道案内をしながら乗らなくてはならないのだろう。やはり新人さんということなのであろう。
 それにしても指示を無視して通行止めの道に入ったり、目的の建物の前の信号で再度地図を広げるなどして笑わせてくれるので、なかなか楽しい時間をすごすことができた。何でタクシーの運転手に転職したのか、聞く気にもなれなかった。彼の人生も大変には違いないとは思われる。これからも大変なことであろう。
 しかしながら知らないなりに何とかこちらが説明できるのも、道路標識のおかげである。東京なら初めての人でも運転しやすいまちなのであろう。他にも間違ったかもしれないのだけれど、通行止めで遠回りした分として150円負けてくれた。さて、その金額で正当なものなのかどうかは判断できなかった。
 タクシーばかりも笑ってはいられない。今回は山手線の反対の方向に乗ったりしてしまった。正確には乗り場を間違えたのである。3番乗り場じゃないほうだ、と自分でつぶやいて3番に歩いていた。何か考え事をしていたらしい。暗示をかけるのには否定文では駄目だという話を聞いたことがある。日本語は最後に否定するので、最初の文で行動を起こした時に修正しにくいのであろうと思われる。
 しかしながら間違えた分余分に電車に乗ったのに、料金は余分にかからない。個人の時間のロスこそ大きな損失であって、物体を移動させた燃料のロスは不問になる。多くの人はそんなことをしないので損失が計上されないのであって、電車に乗ることだけが目的の人には大変に得な制度であるようにも思われる。もちろん電車は遊園地で走っているわけではないのでこれでいいのであろう。田舎の僕には不思議なだけである。
 二度目のタクシーの運転手は自分でいくらかベテランだといっていた。行き先を言うと、二通りの行き方を僕らに提示した。どちらが早いという意味ではない。せっかくだから有名な場所でも見ていきますか、というニュアンスである。同乗の人がじゃあ、と選択したときに、ちょっとやられたな、とは思ったが、あえて同意した。結果的に新人さんの場合より千円ほど高かった。なるほどベテランなのであろう。しかし僕らを降ろすときにホテルの侵入禁止の場所から失敬して侵入してしまったようである。その分として60円負けてくれた。東京での運転というのは、やはり難しい行為なのかも分からない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする