これ歴

これだけ読めば歴史がわかる?これだけ読んでも歴史がわからん!だから「これ歴」日本歴史小説・マンガ読み倒し!

北の王国

1600-02-12 | 安土桃山
「あぁ、まっとうな直江だ・・・(あの直江は信綱、この直江は兼続なんですけどね)」

智将・直江兼続といわれても、誰それ?という感じですが、上杉謙信の後継者である上杉景勝の参謀です。
話は、織田軍に攻め込まれた景勝軍の魚津城が陥落、それと時を同じくして信長が本能寺にて弑された所から始まります。
そして、秀吉の世、家康の天下に至る時代を生き抜いていきます。
直江兼続は、石田三成と義兄弟だったり、伊達正宗と親交があったりと、けっこうな人物です。
また、信長や秀吉にも気に入られて、家臣になるよう持ち掛けられています。
しかし、こういう傑出した人物の誘いをはねつけて越後・上杉家にとどまり続けたのは、越後を中心に「王国」を築き上げようとしたためだったのか・・・
しかし、その夢も関ヶ原の戦いで砕け散り、上杉は、会津百二十万石から直江の領地である米沢三十万石に減封されてしまいました。
倒産した社長が、部下のところに転がり込んだような状態ですね。
このあと、直江は領地経営に腕を振るうことになるわけです。
豊臣vs徳川を地理的にも離れた所から見ている、その視点がまた新鮮です。
この後、「上杉鷹山」を読むといいですよ!
文体も読みやすいし、あまりひねりや驚き!というのはないですが、歴史を知るにはわかりやすい小説です。
余談ですが、某「炎の蜃気楼」の読者の方へ説明しますが、あの直江信綱は割と簡単に殺されてしまいます。
しかし、直江家は上杉家にとって功労ある家柄ですので滅ぼすのももったいない!というわけで、殺された信綱の妻に樋口与六という人物を入婿させて、跡継ぎとしました。
これが、直江兼続です。
また樋口与六は上杉謙信に近習していて、上杉景勝とは御学友の間柄だったそうです。
与六が謙信のお稚児さんだったかは・・・定かではありません。

(R-call 1999.11.06)


乱紋

1600-02-12 | 安土桃山
「表向き「豊臣vs徳川」、その実態は壮絶な「姉妹喧嘩」」

信長の妹、お市の方の3人の娘、お茶々、お初、おごう。長女然と振る舞う気丈なお茶々。
おきゃんな、そしてしたたかさを秘めたお初。
ゆったりと構え、流されているようでゆるぎないおごう。
三姉妹というのはきっとこういうものだろうと頷いてしまう性格付けの確かさ。
普通の小説では主役に据えられるお茶々ではなく、一番下のおごうを主役に据え物語は展開します。
秀吉に振り回されていたように見えるおごうの人生ですが、彼女はしっかりと地に足を付け、そして徳川秀忠の妻として勝利者となります。
豊臣家の滅亡は、豊臣側からの視点で悲劇的に語られる方が多いですが、これは、信長のいいえ、浅井長政の血筋から描かれています。
父の死、母の死を共に耐えてきた姉妹が最後には敵味方に分かれ、勝者と敗者に引き裂かれる。
これもまた悲劇です。
(R-call 1999.09.01)


真田太平記

1600-02-10 | 戦国
「真田萌え~~~」

戦国時代が好きとかいっておきながら、全くノーケアだった真田一族。
っていうか、信長、光秀ペアが好きだったので、それ以降はどうでもいいやって流し気味だったんです。

真田幸村を認識しだしたのは、なんと「戦国無双(PS2)」から。
その後、「オヤカタ様~、オヤカタ様~」と阿呆のように連呼する「戦国バサラ(PS2)」で、いい加減あきれ返っていたんですが、敬愛する池波先生の超大作をいつかは・・・と思い、読んだら・・・

うぎゃーーーーー!かっこいいーーー!
なんで、こんな面白い話を今までスルーしていたのか?
そして、ゲームの嘘をまざまざと思い知る羽目に。

が、知ったお陰で新たな萌え~をあれもこれも!
昌幸パパは剣客商売の小兵衛に、信之、幸村兄弟は大治郎に通じるものを感じました!
とにかく、全12巻という長編を見事に書ききった!
爽快感が素晴らしかったです!

それにしても、この一族・・・あと30年早く生まれていれば、
もの凄いことになったかも、って時代の巡り会わせを感じます。
もったいない~。