14時46分発~パンドラの函を開けて

3・11以来、自分の中で変わってしまった何かと向き合いながら短歌を作り、書きつづる。それが今の自分にできること。

たぬきの皮算用

2009-10-20 22:21:08 | 3.11震災以前(芝居・映画)
 二週間前。久しぶりに友達と新宿で飲んだとき、話題になったのは子どものこと。
 「今なら、子ども欲しいと思うよね」
 「天から赤ちゃんが降ってこないかなあ」
 
 まさか、この私がこんな言葉を吐くとは思いもしなかった。今まで欲しいと思ったことなど、一度もなかったのだから。
 電車の中でも、スーパーでも、偶然すれ違う幼子の何と可愛いことだろう。子どもを見ると、本当に可愛いと思う。特に、お母さんの自転車の荷台に乗っている幼子や、ベビーカーに乗っている子の仕草の可愛らしいこと。母親の全く見ていないところで、足をばたつかせたり、人差し指で懸命にアピールしたりと、一人で「あちゃこちゃ」やっているんだけど、その仕草といったら、たまらない。
 たとえ人の子でも「目に入れても痛くない」とはこのことだ。 

 しかしだ。もし今「天から赤ちゃんが降ってきたら」えらい事になる。
 
 まず、役所へ行く。出生届けをして、母子手帳を貰って、扶養家族の届出をする。法務局に行き養子縁組の手続きもしないといけない。帰りにミルクと紙おむつを買って、さて、お金。そうだ、今の部屋では暮らせないから新たに部屋を探さなければいけない。ああ、働かなければ。
 子ども手当ては支給を待てばよいが、さあ生活費はどうするか? 乳飲み子を抱えていては働けない。すわ働くために何とか託児所を見つけて、さらに何とか働き出したとしても、だ。私が赤ちゃんが欲しいと思ったのは、赤ちゃんの成長を見守りたいと思ったからなので、やれやれ、これでは本末転倒だ。
 生活保護のお世話にならない限りやっていけないぞ。

 そりゃあ、無理ってものよ。だからね。実家に帰ることになる。ジジババ総動員で子育て態勢を組まないとやっていけないんだねえ。
 それがもし都会でたった一人で頑張ってくとしたら。これだけのことをぜーんぶ一人でこなしてゆくのはご無理でござる。そこでボランティアに頼るしかない。インターネットや口コミやあらゆる手段を使って、ボランティアを募り、ジジババの役割を肩代わりして貰うのだ。そのためには、地域に出入りがあるかどうか。口コミの力は大きいよ。ちなみに「ママ」が力を持っているのは、子どもと地域を総ぐるみで持っているからだろう。
 で、都会の独身女ほど力のない者はない。

 いやあ……これでは降って来た赤ちゃんも迷惑なことだろう。うっかり、たぬきの皮算用はするもんじゃない。

 今日、ハローワークに行って来たが、雇用保険給付の日数が90日(3ヶ月)となっていた。当然180日支給されると思っていた。ああ大打撃。今後の生活設計を大幅転換しなければならなくなる。
 仕事をやめて、地域に出入りするようになり、最近色んなことが実感できるようになってきた。ようやく面白くなってきたところだったのに。
 取らぬたぬきの皮算用はするもんじゃない。つくづく思う。 

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