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CBアーブと現在のCB市場

2005-06-23 04:14:54 | CB教室
どうも更新が飛び飛びで申し訳ない。
さて、基本このBLOGではMPO等をその中心に据えて書いてきたわけだが、ここいらでちょいと転換社債のセカンダリーマーケット(流通市場)における裁定取引のイロハのような事に触れておきたい。
良く世間で聞くであろうセリフ『CBアーブ』とは何ぞや?

CBアーブ、正式にはCBアービトラージ、つまり裁定取引の事である。
CBを中心としたファンドにて通常用いられているスタイルであり、ヘッジファンドなんかが盛んに行っている。

CBの基本的事項を思い起こしていただきたい。
CBには必ず原株との一種の交換条件である、転換価格が設定されている。そしてこの転換価格を元に計算すればそのCBが原株の何株分に相当するか簡単な割り算で計算できる。

仮に総額100億円のCBがあって、その転換価格が2000円と仮定しよう。
この場合、100億円 / 2000円 = 500万株
つまり、この100億円のCBをこの転換価格で転換した場合、500万株が得られる事になる。
今このCBを貴殿は10億円持っている。その場合の転換株数は、50万株になる。

10億円分のこのCBを買うと同時に当該株を50万株売る、この行為がCBアーブの基本なのだね。
但し、10億円CB=50万株、であるから10億に対して50万株売っちゃうと完全にこの取引はニュートラルとなる。
こういう取引が無い事は無いが、こういう状態を『デルタニュートラル』と言う。
つまり当該CBに対して100%分の株を売ってしまうとデルタニュートラルになってしまうので、じゃあ30%分だけ株を売ろう、となるとこの場合は『デルタは30%』って事になる。

このデルタ、当然各社各様その採用しているモデル等が正確に計算してくれる(が、私はこのモデルが無い・・)が、そこに多少の相場観を介入させるのが腕だったりもするわけだ。
但しモデルで計算する時には実際はもっと複雑なファクターをいちいち入れてやる必要がある。
また各取引におけるコストも厳密に計算しないと、正確な予想収益は推測できない。
ちなみに、ご存知かもしれないが、現代のCBって言うのはプロ達は単にCBとして見ていない。
昔のワラント債(今日の拙さるさる日記参照)のように、CB=債券+オプション
のように分離させて考えるのが一般的である。
実際、CBバックのカバードワラントなんてのを作る場合、この債券部分だけはお金ばかり掛かるのでここを切り離して債券投資家なりに販売して、そのオプション部分に転換権だけを付けて、それをバックにワラントを作ったりする訳だ。
話がそれたが、このCBを分離させて考える過程において、様々な入力すべきファクターが現れてくる。
一体この債券部分の価値はどれほどあるのか、つまりクレジットスプレッドは例えばJGB(日本国債)と比べてどれほどの開きがあるのか、から始まって、実際株を売る際の借株コストはどうか、このオプションが持つであろうボラティリティ(変動率)はどれほどのものか、等をきちんと計算してやって、初めてではデルタをどの程度に設定すればもっとも効率が良いのか、と言う事を計算する。

現在特にユーロ円CBやアルパイン円CB市場で起こっているのはどういう事かご存知だろうか。
東京市場の株価の変動幅が近頃非常に狭いレンジで動いている事はご存知だろうと思う。今日は50円上がって、明日は30円下がって・・って動きになっている。つまり専門用語で言うところの、ボラティリティーが極端に下がっている、状態なのだ。
このボラはダイレクトにCBのオプションに跳ね返ってくる。1月ごろから怪しかったのだが、ここへ来てこのボラは歴史的低水準にあり、かつまたどこまで低下するのかみんな戦々恐々としているのだ。
CB自体の商い量が現在は極端に細り、しかもオプション部分の価値の低下が続いている。
CB=債券+オプション、の公式を思い出すと、要はそれだけでまずはCBの値段自体が下がってしまう事はお分かりになろうか。

さらにこれに拍車をかけたのが、例のアメリカでのGMショックである。あのお陰で債券は一時大変な事になった訳だが、こうなると債券、と名の付くものに全て影響してきてしまうのがこの世界だ。
あの出来事により今度はCBの債券部分も怪しくなった。

さて、先日東京へ行って、予想外にCBアーブファンドがクローズされたのを知ったのだが、彼らの基本戦略は、CBロング株ショートである事は上述した。
さてロングであるCBの値段はWパンチをくらって下がる・・ではもう一方のショートの株のほうはどうかといえば、下がる、と言うより張り付いて動かない、と言った動きであるわけだ。動かないからボラすなわち変動率はどんどん下がっている訳だ。つまりロングでやられてショートは動かない・・両方足したらやられてる、って事なのだ。

この状態に耐え切れずにCBアーブのファンドには顧客からの解約が断続的に続いているようで、ゆえにファンドクローズによるCBの解約売りが散見されて、それがマーケットがいまだにしゃっきりしない2次的原因になっている。悪循環であるね。
特に実名が取り沙汰されているさる巨大ヘッジファンド、ここの実弾売りは巨額なようで、もちろん見境の無い売り方はして来ないので暴落、と言うのとは少々違うが、真綿で首を絞められているような状態がダラダラと続いているのが、アップデート版CB市場、なのである。

皆さんも機会があったらじっくり研究されたら良いと思う。
この現状を当然チャンスと捉えている向きもある事を、付記しておこう。
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